My Painting Life

絵付けに係る日々の出来事を徒然なるままに、、、。

パリの絵付け大会

2013-06-13 17:19:41 | 日記
今日、先日のパリの絵付け大会から帰国したお友達に会っていろいろな話をお聞きしました。盛大でとても楽しかったそうです。次回は2015年とのことですので、今年はどうしても都合がつかず参加できませんでしたが次回は是非私も30年ぶりにパリを訪れ大会に参加していろいろブースを回ってみたいと思っています。

探し物

2013-06-11 19:53:40 | 日記
今日は朝から一日探し物をしていました。昨年のIPAT大会である方から購入したスタディです。夕方そのスタディはやっと発掘され中身を確認することができました。
結果は、思った通り、材料も根本的な方法も全く違うことが判明しました。涙が出るほどうれしくなり。そのあとあほらしくなって笑ってしまいました。今夜は良く眠れそうです。
私の手法は10月のAPAT大会、2月のテーブルウェアフェスティバル(可能であれば)、来年のIPAT大会でデモして皆さまにもご披露したいと思います。あの方の手法を知る方には是非おいでいただき、証人になっていただきたいと思います。私にはいらしていただいた皆さん全員に納得して頂ける確固たる自信があります。私を心配してくださった方々、今夜は乾杯してくださいね。私も乾杯します。
過去にもいろいろあったけど今回のは一番ひどかったです。


絵付技能士試験

2013-06-08 22:49:18 | 日記
今年は空梅雨で、うなだれたアジサイの色もくすみがちですが読者の皆様お元気でお過ごしでしょうか。
今年は絵付け技能の検定試験が3年ぶりで行われます。先週、課題の発表があり『牡丹に添え物』だそうです。受験予定の生徒さんやこの時だけ臨時の生徒になって下さった友人などで実技試験の行われる7月までは教室は混雑気味です。『牡丹』と聞いたら私も大好きな花の一つなので受験生と一緒になって描いています。花弁の一枚一枚の複雑な表情が面白く、何度描いても全部が別々の個性を持った花なので本当に飽きない花です。全国の受験生の皆さんも目標をもって楽しみながら描いて、見事合格することをお祈りしております。

話は変わりますが、磁器にガラスビーズを付ける技法を皆さんはご存知でしょうか。古くからオールドノリタケにも使用され海外でも『NIPPON PORCELAIN』として広く知られています。私は絵付けを始めたころ、アンティークの輸入会社で仕事をしており、The Collector's Encyclopediaシリーズの「NIPPON PORCELAIN by Van Patten」はその会社を通じ全巻購入し、いつかこのような作品を描ける時が来るのだろうかと思いながらぺーじをめくっては楽しんだものです。
2007年にスイスから来日して友人になったマーレインさんからガラスの粒を磁器に添付する技法を教わりましたので、作品に取り入れることは徐々に始めていましたが、あくまでも部分装飾としての技法であり、面で添付するにはどのような方法が良いのか、接着剤として何の粉が良いのか何のオイルが良いのかいろいろ試してはみましたが失敗続きで作品として出品できるような完成にたどり着くことはありませんでした。海外で教える機会があるとアメリカ人の友人などに、「悦子はNIPPON PORCELAINを知っているか?あれはどうやるのか?」と尋ねられることがありました。私自身試行錯誤中でしたので「あの技法は今は日本でもあまり一般的ではなく私自身研究中なので完成したら作品にして教えるからね。」と言って、いずれ必ず自分なりのやり方を見つけるつもりで温めて続け試行錯誤を重ねているいる課題でした。
しかし、昨年のIPAT大会で大先輩の日本人アーティストの方が、私がたどり着けずにいたガラスの技法を完成させて作品に仕上げ、金賞をおとりになりました。もちろん、さすが素晴らしいと思いながらも正直言って「先にやられてしまった。」と少し寂しい気持ちがこみ上げてきたことも事実です。私はその方を尊敬していますし、完成させた技法のやり方をすぐにご本人に伺うのは失礼だと思いましたのでその方に方法を聞くことはありませんでした。IPATで初めてブースを持たれたということでしたので、ご挨拶がてらお邪魔してモダンなデザインの辰のスタディーを一つ購入させていただきました。しかしスタディーは英語でしたので、つい読むのが億劫になってしまい日本に持ち帰ってそのままになっていました。ごく最近知ったことですが、そのスタディーにその方のガラスの技法の方法が書いてあったのだそうです。
一方、同じIPAT大会のアメリカの材料店のブースで、何とあのガラス技法のデモを行っていました。私は嬉しくなってしまいそのオーナーと私が今まで失敗した経験など話し、アドバイスも受け、日本に帰ってから更なる試行錯誤を続けました。10月の二人展の時点ではまだ私なりのガラス技法は完成させることができずにいました、粉とオイルはもう既に決まっていましたが焼成温度の点でまだ迷いがあったからです。少し中途半端な状態でしたが初めて作品として展示会に出品し、展示会にいらして下さったその大先輩とご友人のFさんにもご覧になっていただきましたが、その作品についてアドバイスを頂くことはありませんでした。その後11月になり、ついに、これでOKという私なりの技法としての完成にたどり着きました。来年のGAセミナーの課題提出期限は11月末でしたので、私としてはアメリカの生徒さんたちに約束していた「いつか完成したら教えるからね。」という約束を果たす機会がついに訪れたのですから、もちろん課題作品の一つに、この技法を使いました。
私は先にガラス技法をなさっていた日本人の大先輩がどのような粉とオイルを使いどのようになさっているのかは全く知りません。ですから断定はできないのですが、作品の見た目では少し異なるやり方なのではないかと思っています。誤解のもとになると困るので購入させていただいた辰のスタディーも今更読ませていただくのは遠慮させていただこうと思っています。
私が自分自身の試行錯誤の末にたどり着いたガラス技法については10月のAPAT大会から公開する予定です。いつか、お許しがあれば大先輩のガラス技法についても教えて頂ける機会がありましたら大変光栄であると思っています。



ミシガンの春ふたたび

2013-05-04 19:55:00 | 日記
4月14日から2週間、昨年と同じく米国ミシガン州を訪問致しました。最初の一週間は師であり友人でもあるメアリー・シーハーゲンの家に滞在し風景画を習い、その後、地元の絵付クラブ『ギャロウェイクラブ』で3日間のセミナーを致しました。残りの一週間はコロンビアと言う町の研修施設で開催された絵付けスクール『ミシガンスクール』に移動しシェリル・メグとアルゾ―ラ・ザレンバのクラスに参加いたしました。

成田からおよそ12時間弱、デトロイトに飛ぶのも4回目でやっと空港内の地理が頭に入ってきました。ローカル線に乗り換えて45分程のフライトでSaginawという空港に到着しました。今回もメアリーはご主人のルーディーとともに空港に出迎えてくれました。昨年訪れた際の空港はいかにも地方空港という素朴なたたずまいでしたが、今回は隣に新しい空港を作って引っ越したばかりとのことで真新しいモダンな建物になっていました。日本のように「建て替え」ではなく、いくら地方とはいえ「隣に作る」という選択肢があることがいかにもアメリカ的で面白いと思いました。メアリーは空き家になっている隣の古い空港を見て「税金の無駄」と言っていましたが、、、。
昨年同じ時期に訪れた際には木々が芽吹き満開のライラックが町を彩り春爛漫の風景を満喫できたのですが、今年はまだ木々の芽吹きは見られず灰色の平原のあちこちに雪が消え残り、冬が大地にしぶとく踏ん張っている気配でした。今年が特別寒いわけではなく、昨年の春が特別早かったのだそうです。
空港から30分ほどのドライブでメアリーの住むCaroという町に到着しました。フランス系かドイツ系の農民を祖先をもつ住民が殆どという比較的保守的な土地柄のようです。町の主産業は『トウモロコシ産業』ということで、農産物のトウモロコシを筆頭に、それから造るエタノール工場や砂糖精製工場が住民の主な職場になっているとのことでした。
メアリーは数日前までノースカロライナで2週間近く教えていて久しぶりに家に帰ったばかりで春先の庭仕事や家の片付けで大変忙しそうでしたが、私を暖かく歓迎してくれる様子は変わらず、いろいろを気を使って親切にしてくれました。昨年同様、食事は朝から3食手作りし朝から晩まで規則正しくくるくると家事をこなし、その合間に私に課題作品の風景画を教えてくれました。私も滞在中はできることはお手伝いするつもりでいましたのでせめて食後の皿洗いはやらせてもらいました。
メアリーの家に滞在中、出された食事は可能な限り残さない習慣なので、ビーフ、ポーク、チキンと毎日の主食の肉を規則正しく平らげているうちに、最近気になっていた爪の割れがすっかり治ってしまったのは驚きでした。自分ではコーヒーの飲みすぎが原因であると思い込んでいたのでしたが、実は最近、子供も巣立ち夫と二人の生活になり食事が野菜と糖質中心に偏りすぎ動物性タンパク質不足になっていたたことが原因であったかと気づかされる経験でした。
メアリーのペインティングスタジオは地下室にあるのですが、窓があるので明るくこじんまりとした気持ちの良い部屋です。最初の3日間はそこで朝から晩まで絵付したりセミナーの準備をして過ごしました。その間、メアリーの生徒さんや親せきがかわるがわるやってきておしゃべりしたり、業者が窓枠を変えにきたり、バタバタしているうちにあっという間にセミナーの日になってしまいました。
今回のセミナーの課題は私の本にも掲載されている『胡蝶蘭』です。2011年にシカゴの友人宅で教えた時も同じ課題でしたのでアメリカ人にこれを教えるのは2回目ということで少し気持ちの余裕はあったかと思います。前回は個人宅でのプライベートセミナーでしたので生徒の人数は多くはありませんでしたが今回の生徒さんは満員の10人ということで、時間配分に気をつけて講習を進めました。今回講習を行ったギャロウェイクラブというのは数年前に亡くなったアメリカンチャイナペインティングの大御所の一人であるグラディス・ギャロウェイが創設した絵付クラブです。教会のホールが活動拠点になっていてセミナーもそこで行われました。メアリーの生徒さんの一人が今年のクラブの代表者になるというご縁で紹介され、昨年来た時にセミナーを頼まれたわけです。
課題作品は細かい作業が多く、アメリカのセミナーでは全員の作品に手を入れてあげなければならないので、毎日時間いっぱいになるかと思いましたが、毎朝始まりが9時ということで講習時間を思ったより長くとることができたので比較的余裕をもって教えることができました。二日目の夜には生徒さんたちが郊外のレストランを予約して食事会に招待してくれました。緯度の高いこの地ではこの時期、夜の9時頃まで戸外は明るいので、レストランからは森へと続く広大な庭が見渡せ、小雪が舞う中、野鳥や七面鳥が餌を食べにくるのを眺めながら絵付けの技術的な話やら日本の話やらよもやま話で盛り上がり楽しいひと時を過ごしました。セミナー最終日には地元のローカル紙の記者が取材に訪れインタビューされ写真も撮っていきました。ローカルな町なのでこの程度のことも記事になるのかと少し驚きましたがアメリカの新聞に載るなんて一生に一度あるかないかのことだと思いますので良い記念になりました。記事が紙面に掲載されるのは私がこの町を去った後とのことでしたので後でメアリーが送ってくれるとのことでした。
こうして無事終了したセミナー翌日はミシガンスクールへの移動日でした。スクールへは私のセミナーの生徒さんたちも半分くらい参加するとのことでしたので、私も車に分乗させていただき2時間弱のドライブでスクールが開催される研修施設へ到着いたしました。
ミシガンスクールは数年前まではPPAAという公的絵付団体の運営するスクールでしたが現在のプレジデントのGayが運営権を買い取り今年は2年目でした。昨年以上に人気の先生を大勢集めてクラスを増やしたので生徒の数は倍以上に増え、食事時のカフェテリアは大変な賑わいを見せていました。日本で言えば「青少年センター」のような施設ですので、ベットルームは6畳程度のツインでバスルームは無く共同のトイレやシャワールームを使用します。狭い部屋に慣れた日本人でもこの部屋に二人で泊まるのは苦しいと聞いていましたので、ツインルームにシングル使用で宿泊し、一つのベットに寝てもう一つのベットにスーツケースを広げればそれでいっぱいいっぱいでした。それがスクールの値段が格安な主な理由のようでしたがWiFiは部屋にも飛んでいるのでパソコンを持っていきましたのでインターネットも個室ででき、この環境でことさら不便を感じることはありませんでした。現在米国内には同様のスクールが7つ程度あり、それぞれの季節に定期的に開催されています。一部のスクールを除き不便な立地の研修施設やホテルが会場になっていることが多いのでそのようなスクールの生徒のほとんどは車で来れる米国人のようです。日本人参加者がいたとしても現地在住で自力で参加できる手段を持った人だけのようです。以前参加したアリゾナのPPPスクールは国際空港からのアクセスが大変良かったので日本人をはじめイギリス人やイスラエル人など外国からの参加者も多く、国内からも飛行機で参加する生徒が大勢いましたが、ミシガンスクールは車でやってくる米国人とカナダ人が主な参加者で、今年、外国人は日本人4人だけでした。以前別のスクールで知り合いになって私をミシガンスクールに誘って下さった大阪のKさん、昨年までミシガン在住で現在はドイツにお住いのUさん、最近ミシガンにご主人の転勤でいらっしゃったMさん、そして私です。全員が自力でスクールにたどり着く手段を持った人たちだけでした。しかし、ミシガンスクールでは生徒の人数が増えたこともあり、来年からはデトロイトからのシャトルバスを手配する計画があるそうですので、そうなれば言葉の問題がない方なら日本からの参加も容易になると思います。
米国内の絵付人口が限られている中で、スクール同士の競争もいろいろあるようで、残念ながら私が過去に2度参加したアリゾナのPPPスクールは昨年限りで経営権が譲渡されたそうです。新規の経営者となったZさんが2015年にホテルを変えて同じアリゾナで再オープンするそうです。Zさんはその準備と研究の一環か、ミシガンスクールにも参加して多くの先生方との交流を図っていました。2014年に私が講師として招待されているジョージア州の『GAセミナー』もそうした競争の中で「ユニークな外国人講師を集める」という戦略の一環として私にもお声がかかったようでした。
さて、私が今回ミシガンスクールで習ったCherrylとAlzoraのクラスの課題は両方とも『Roses』ということで思い切りアメリカンのバラを満喫する6日間でした。彼女らの作風は日本で主流のPaula Collins風の「きれいでやさしいアメリカンスタイル」ではなくワイルドで大胆でより絵画的なアメリカンスタイルです。私自身の好みとしては最近特にこのワイルドさに惹かれる気持ちが強く、心から楽しみにしていた今回のクラスでした。Cherrylのことは今年年末に日本に招待してミナーをしてもらう計画があるのでその時のための予習も兼ねていたのですが、色彩配分の理論なども大変面白くわかりやすく、これならセミナーに参加する友達や生徒さんたちも必ず喜んでくれると確信できるクラスでした。Alzoraも素晴らしかった。彼女は「歌うように教えて踊るように描く。」というのが私の感想です。彼女は根っからのアーティストで感性で描いている部分が多いのですが、その感性を歌うように説明しながらあれよあれよというまに描いていく様を見ているだけで彼女の魂に触れるような『本物に出会った感動』を味わいました。大好きで尊敬できるアーティストと時間を共にし、作品を描くという行為は私にとっては修行ではなく、心からリラックスできる休暇なのだということをしみじみ感じる豊かな時間でした。米国人の先生方は驚くような有名講師であっても互いに尊敬する仲間の講師のセミナーをプライベートやスクールできちんと有料でとって情報交換をしたり刺激を受けて学びあうということが日常的に行われているのを見聞きします。本当にうらやましい社会風土であると感じますし、自分のアーティストとしての実力に自信があるからこそ秘密主義に陥らずに正当な手段で学ぼうとする誰に対しても自分の技をオープンにできるのだと思います。
こうして米国滞在の2週間ははあっという間に過ぎて、スクール修了翌日には帰国の途に就きました。帰りの便は何事もなく無事、春日部の我が家に戻りました。




今年の陶画舎展

2013-03-16 00:36:23 | 日記
皆様お久しぶりです。今年になって初めてのブログ更新ですので明けましておめでとうと言うべきでしょうか。
あっという間に3月になり早くも陶画舎展も終わってしまいました。昨年、陶画舎大賞という名誉な賞を頂いたので今年は出品はお休みしようかと締め切り直前まで迷っていたのですが、やっぱり、可能であれば参加して皆様に作品を見てもらうことは大事であると思い出品致しました。結果、大勢の方から作品のご意見等も聞けて楽しかったです。又、来年の陶画舎展は銀座への引っ越しの時期と重なるのでおそらく開催されないと伺い、出品して良かったと思いました。分室としても出品したので、生徒さん達の力作をおほめ頂き講師としては嬉しい限りでした。
4月は昨年同様ミシガンのMaryを訪ね、ギャロウェイクラブで胡蝶蘭のセミナーをし、その後ミシガンスクールに生徒として参加してきます。帰国後、またそのご報告をしたいと思います。では皆さんもお元気で春を迎えましょう。