美と知

 美術・教育・成長するということを考える
( by HIGASHIURA Tetsuya )

クラス通信 2009年9月29日

2009年09月29日 | クラス通信Ⅲ(高1)
◆ 感性、そして本物の力について

「残念なことに、私たちの多くは大人になるまえに澄みきった洞察力や、美しいもの、畏敬すべきものへの直観力をにぶらせ、あるときはまったく失ってしまいます・・・」(レイチェル・カーソン『センス・オブ・ワンダー』)

知識が豊かでも、感性の乏しい人と何かについて話しをしていても根本のところではわかりあうことはできません。「知」と「感性」の両方の交信があって初めて物事を真に語り合い、共有し、平和な社会を生み出すことができるのです。
多くの知識を持って、多くの言葉を振りかざしている人でも、何か一つ「深いもの」を持っていないと、すべてが上っ面の知識で終わってしまいます。自分の底の浅さに気づくことすらできません。
知が深まることによって感性が深まり、感じることによって知の活動もさらに大きくなるような相互的な関係が大切です。
高校時代多くの事柄、知識を学びます。そのことによってばらばらにある情報と情報の関係性を理解し、結び付けていくことができます。「感性」によって「論理」と「イメージ力」の両方を深いところで結びつけるのです。

「感性」によって裏づけされた「知」は行動を伴います。

頭でわかっているけど行動に移せない・・・知識だけの人間では値打ちがありません。事に当たってこれを解決しようという時に、「こうしたらどうだろうか・・・」とか、「こうあらねば・・・」と考えることのできる判断力、そしてそれを実際の形にしていく行動力を持つことが本物の力です。そんな力を育む生きた学びを考えてほしいと願います。

「・・・せっかく見識をもっていてもそれを実現する力がなければ役に立たない。いかなる抵抗があっても、いかなる困難があっても、信ずるところを敢然として断行し得る実行力、度胸を伴った見識が胆識であり、胆識というものがあって初めて本当の知識人である。」(安岡正篤)
* 胆:はら、たん、肝っ玉(魂)、大胆、胆力(たんりょく)


豊かな「感性」を持った人のみが獲得できる「本物の力」があるのです。
「感性」を深め、鍛えるためのレシピを持ってますか?

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