美と知

 美術・教育・成長するということを考える
( by HIGASHIURA Tetsuya )

スケッチの参考本について

2006年09月01日 | スケッチのすすめ
私の住んでいる西宮にジュンク堂という大きな本屋さんがあり、そこにスケッチ関係の本がたくさんあります。(その数の多さにはびっくりします。)そして、結構そこで立ち止まっていろいろとスケッチ本をのぞいている人がたくさんおられます。

スケッチを始めたい人、何回かスケッチをしてみたがもうひとつしっくりいかない人、もっとうまくなりたいと思っている人・・・そんな時に、自分にあった参考本が手元にあれば、技法において今まで気づかなかったことを見つけることもできるかもしれません。一番いいのは私の教室に来ていただくことですが・・・(笑)

しかし、あまりの数の多さに、その1冊を見つけるのがなかなか大変なんだろうなと思ってしまいました。先日、そこに並んでいたスケッチ本を一通り見てみました。(結構長時間、途中横のカフェで休憩をとりながら・・・)

あくまでも、私の基準で選んだものですが、「作品の品位と質」、そして、「技法的な解説」の2つのポイントにおいて、何冊かのスケッチ本をお勧めします。

◆『スケッチ・淡彩のすすめ』
網干啓四郎著、1993年、日本信用調査出版部、3000円

太い筆記具でポイントをおさえた作風。形をいかにとるかというほうに多くのページを割いており、形を見ていくポイントを作例を通してていねいに解説している点が評価出来る。多くの人が、塗ることよりも形をとることにつまづいていることを考えると非常に参考になると思いました。

◆『全国スケッチ百景 人気スポットと描くコツ』
鈴木輝實著、2005年、グラフィック社、2000円

スポットの紹介と作例が豊富で見ていても楽しいです。随所にあるワンポイントアドバイスは非常に役に立つ内容だと思います。

◆『はじめての水彩スケッチ 誰も教えてくれない基本と裏ワザ』
伊東啓一著、2005年、廣済堂出版、1600円

外にスケッチに出かけなくても、非常に身近な生活の中にたくさんスケッチの題材があり、気軽にスケッチをして上達を目指そうというねらいの本。とにかくまず描いてみたいが、どうしよう・・・という方はこれを見ればすぐにスケッチを始められそうです。

◆『水彩画 これであなたは上手くなる』
北条章著、2006年、学習研究社、1900円

さあ、これからスケッチを始めてみようと言う人には向かないかもしれないが、何回かスケッチをしてみて、ある程度形もとれるようになってきたら参考になる本だと思います。

◆『透明水彩なるほどレッスン プロが教える水とにじみの生かし方』
永山裕子著、2006年、グラフィック社、1800円

これは中級者向けである。透明水彩絵具の特徴を生かした塗り方が魅力的で参考になる。思わずやってみたくなります。ただし、かなり描きなれた人向きでしょうか。

◆『三原色で描く風景スケッチ』
野村重存著、2004年、旬報社、1600円

この本は評価が分かれるところだが、自分でスケッチをやってきて使う色数もどんどん増えていってどうしよう・・・と言う人には目からうろこの本であろう。
使う色数が多くて、かえって絵の中で色がゴチャゴチャになってしまっているという方はよくいる。シアン(青)、マゼンダ(赤紫)、イエロー(黄)の三原色だけでこうやって色が生み出せるんですよと混色の基本が描かれており、本当に自分にとって必要な色はなんだろうと考える参考になります。

◆『7色の花の水彩画 ポケットに絵筆を』
黒岩多喜子著、2006年、日貿出版、1500円

これは風景スケッチではなく、花のスケッチの本である。花をクローズアップしてどうやって描いたら特徴がつかめるだろうかという解説本も多いが、この本は優しく花をみつめて、ポイントをおさえた下書きの作り方と、多くの図版が掲載されていて、私にも描けそうかなと思わず花屋さんに行きたくなるような本です。

◆『季節の花を描こう かんたん墨彩画』
中津宜子著、2006年、山海堂、1600円

これは墨彩の分野の本であるので、絵具も違うが、運筆やちょっとしたにじみやかすれの作り方などスケッチに応用できる技法も多くあり参考になります。絵を描くという点では同じです。


スケッチの道具についてはこちらをご覧ください。
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