美と知

 美術・教育・成長するということを考える
( by HIGASHIURA Tetsuya )

MAHALIA JACKSON  マヘリア・ジャクソン

2007年09月06日 | 私の本棚Ⅱ
もう20年以上前、FM放送でタモリさんがジャズの番組をされていた時、偶然その歌に出会いました。
マヘリア・ジャクソンの「ディープ・リバー(深い河)」です。

その頃はジャズに浸っていた頃で、東京国分寺のジャズ喫茶「モダン」や「きりきりぶらうん」によく出入りしていた事を思い出します。
マヘリア・ジャクソンの「ディープ・リバー」のことを話しても、意外と聞いたことがないという人が多く、その後私もマヘリア・ジャクソンの「ディープ・リバー」をLPやCDで機会あるごとに探していましたが、手に入らぬままに今になりました。

ところが、この夏、久しぶりにインターネットで探してみると「ディープ・リバー」の入ったマヘリア・ジャクソンのCDがあることがわかり・・・手に入れるためには会員登録してからと・・・少し時間はかかりましたが、今私の手元に届いたのがこのCDです。




『ALL About MAHALIA JACKSON 』(ソニー・ミュージックダイレクト)

全19曲の中に、ディープ・リバー、マイ・フェイス、主の祈り・・・など素晴らしい音源が収められています。
マヘリア・ジャクソンの「ディープ・リバー(深い河)」との20数年ぶりの出会いは、この夏の大きな収穫でした。


「深い河(聖書にあるヨルダン河のこと)
この河の向こうに、すべてが平和で自由な、幸福の場所があります。
神様、私は約束の地(天国)に渡りたいです・・・」
と歌い上げます。

アメリカ南部でひどい人種差別を受けていた黒人の心からの祈りをこの歌から感じ取れます。
黒人達の自由と平等を求める運動に対して、白人過激派による暴力や、南部の州政府による弾圧がありました。黒人たちの公民権獲得を求める運動が盛り上がり、そのリーダー的存在が、マーティン・ルーサー・キング牧師です。彼自身がひどい迫害と暴力にさらされながらも、彼は「暴力には魂の力で応えるのだ」と人々を指導していったといわれます。
 こうしたキング牧師を中心とする黒人公民権運動の大きな山場として、1963年8月28日,「ワシントン大行進」が計画され、そこには白人も黒人も分け隔てなく25万にもの人々が参加し、その大群衆を前に、マヘリア・ジャクソンが歌い、マーティン・ルーサー・キング牧師による “I have a dream.” 「われわれは今日も明日も困難に直面しているが、それでも私には夢がある。・・・」と人種差別に対する非暴力抵抗を訴えた歴史的な演説があり、歴史が動いていくこととなります。

マヘリア・ジャクソンの歌は、差別に苦しむ黒人達の「祈り」そのものです。
このCDを聴いてそのことを改めて強く思いました。
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