インタビューの続き
6.0システムの頃にスケートを始めたのよね。新しい審査システムは貴方のスケートにどういう影響を与えた?
随分努力したよ、特にスピンをね。最初の頃は大変だった、何故かというと最初の2シーズンは規則がどんどん変わり続けたから。その後はシステムが安定してきて、従うのも楽になった。
貴方はトリプル・アクセルを成功させた最初のスウェーデン選手。初めて成功した時のことを憶えている?
憶えているよ、ストックホルム開催の2000年ナショナルだ。僕はフィリップ・スティラーの後だったんだけど、彼もとても良い演技をした。(実を言うと)それまで一度もトリプル・アクセルに成功したことはなかったんだ、練習でさえもね。でもいちかばちか賭けることにした。それが成功して、その後も完璧な演技が出来た。最高だったよ。
Igor Bobrinが貴方のプロの幾つかを振り付けしているわね。彼と仕事するのはどんな感じだった?
楽しかったよ。2つのプログラムを作ってもらった。ロシアに赴いて一週間で彼にプロを作ってもらう、で、スウェーデンに戻ってそれを練習する。問題なのは、後になってプロのどこかを変えたいことが良くあるんだけど、その時彼の助けが得られないことだった。現在はスウェーデンの振付師と仕事をしているから、いつでも好きな時に変更が出来る。
自分のプロの音楽は普通自分で決めるの?
実際には僕のチームからいくつか提案してもらって、いろいろ試してみる。が、最終決定するのはいつも僕だ。自分が快適に感じられない音楽では絶対滑らない。総体的に言えば、僕のプログラムはチームワークの産物だよ。
昨シーズンのプログラムを継続するの?
いや、新しいのをやる。もうフリーで鏡を割ることはない。
試合とエキジビションではどっちが好き?
選ぶことなど出来ないよ、だって全然違うものだしどっちも好きだから。時には試合を待ち望んでいたのに、いざその場になったら早く終わって欲しいと思うこともある。まあ巧くいってるかどうか次第だな。巧くいってる時は最高で、そういう気分はエキシでは決して味わえない。でも、試合で失敗したらいること自体が辛くなる。
また、エキジビションは本当に自由だよね、創造力を発散できるし演技に集中できる。試合から引退しても、出来る限りショーで演技し続けたいと思ってるよ、だってスケートを愛してるから。
ギターがちょっと弾けると聞いてるんだけど。演奏しながらスケートしてみたいとは思わない?
そういう類の演技をするにはかなり練習する必要があるな、もうずっと弾いてないからね。もう何年も前に友人達とバンドをやっていて、SWEのTV局がスウェーデンのフィギュアスケートを特集する際に紹介されたことがあった。その時は友人達から随分尊敬の眼で見られたよ!
これまでで一番の試合はどれ?
2007年の東京ワールドでの結果(9位)が最高だ。2008年のユーテボリ・ワールドも勿論忘れがたい。(残念ながら)失敗もあったけど、スウェーデン観衆の為に滑走出来たのはなんといっても特別な体験だった。
オリンピックも試合の規模の故に格別だ。トリノでは多くのアスレートに会えて本当に楽しかった。シーズン通して試合で出会うのはだいたい同じ人々ばかりだけど、オリンピックだけは違う。
ユーテボリでは観客からもの凄い声援を受けたわね
本当だ、僕に敬意を表して人波までやってくれたよ。あんなの未だかつてどこでも見たことがない。
つまり、自国ワールドは貴方の氷上人生における至福の時を与えてくれたってことね?
そう言っていいと思う。
談話はここで終えたい。どの選手にも人生に於ける上がり下がりはあるものだろう。だが最後に残るのは観客との繋がりであり、観客がそのスケーターを記憶に留めるかどうかだ。そして記憶されるにしても、その選手のスケートのどの部分が記憶されるかだ。
私はクリストファーがその観客を魅了する能力をもって記憶されることを望んでいる、何故ならば彼は常に観客の尊敬を勝ち取る氷上の真のアーティストだから。
ー終ー
てことで、如何でしたでしょうか。
試合で巧くいかなかった時の辛さを語ってるとこは、こっちも辛くなりますね。彼には殊更残念な記憶が多いだけに・・
でも、ふと思ったんだけど、遡って動画で昔の彼の演技を観る場合、今の基準で判断して「え、かなり失敗してるし点も出てないのに結構満足してる?」なんて不審に思うべきではないですよね。その時点ではそれが良い出来だったんだから好きなだけ喜ばせてやれよ、ちゅうか(笑)。練習でさえ一度も成功したことのなかったジャンプ(えっトリプル・アクセル?!)が本番で決まったりしたら、たとえ着氷が乱れまくったってそりゃ嬉しいだろうさ・・て、これはかなり衝撃のニュースだな、本当なのかと疑ってしまう。じゃ、そのノリで今季のナショナルではクワドにチャレンジしてみてくれまいか、なんーて
ともあれ、ナタリアさんのクリスに対する思い入れの深さは大したものですよね。ここまで言われたら、フィギュアスケーターとしてもう思い残すことないよなあ・・
写真の選択も、彼の魅力を知り尽くした者が心を込めてなしたのがよくわかると思いません?
クリス、お前ってほんとに果報者だよ
6.0システムの頃にスケートを始めたのよね。新しい審査システムは貴方のスケートにどういう影響を与えた?
随分努力したよ、特にスピンをね。最初の頃は大変だった、何故かというと最初の2シーズンは規則がどんどん変わり続けたから。その後はシステムが安定してきて、従うのも楽になった。
貴方はトリプル・アクセルを成功させた最初のスウェーデン選手。初めて成功した時のことを憶えている?
憶えているよ、ストックホルム開催の2000年ナショナルだ。僕はフィリップ・スティラーの後だったんだけど、彼もとても良い演技をした。(実を言うと)それまで一度もトリプル・アクセルに成功したことはなかったんだ、練習でさえもね。でもいちかばちか賭けることにした。それが成功して、その後も完璧な演技が出来た。最高だったよ。
Igor Bobrinが貴方のプロの幾つかを振り付けしているわね。彼と仕事するのはどんな感じだった?
楽しかったよ。2つのプログラムを作ってもらった。ロシアに赴いて一週間で彼にプロを作ってもらう、で、スウェーデンに戻ってそれを練習する。問題なのは、後になってプロのどこかを変えたいことが良くあるんだけど、その時彼の助けが得られないことだった。現在はスウェーデンの振付師と仕事をしているから、いつでも好きな時に変更が出来る。
自分のプロの音楽は普通自分で決めるの?
実際には僕のチームからいくつか提案してもらって、いろいろ試してみる。が、最終決定するのはいつも僕だ。自分が快適に感じられない音楽では絶対滑らない。総体的に言えば、僕のプログラムはチームワークの産物だよ。
昨シーズンのプログラムを継続するの?
いや、新しいのをやる。もうフリーで鏡を割ることはない。
試合とエキジビションではどっちが好き?
選ぶことなど出来ないよ、だって全然違うものだしどっちも好きだから。時には試合を待ち望んでいたのに、いざその場になったら早く終わって欲しいと思うこともある。まあ巧くいってるかどうか次第だな。巧くいってる時は最高で、そういう気分はエキシでは決して味わえない。でも、試合で失敗したらいること自体が辛くなる。
また、エキジビションは本当に自由だよね、創造力を発散できるし演技に集中できる。試合から引退しても、出来る限りショーで演技し続けたいと思ってるよ、だってスケートを愛してるから。
ギターがちょっと弾けると聞いてるんだけど。演奏しながらスケートしてみたいとは思わない?
そういう類の演技をするにはかなり練習する必要があるな、もうずっと弾いてないからね。もう何年も前に友人達とバンドをやっていて、SWEのTV局がスウェーデンのフィギュアスケートを特集する際に紹介されたことがあった。その時は友人達から随分尊敬の眼で見られたよ!
これまでで一番の試合はどれ?
2007年の東京ワールドでの結果(9位)が最高だ。2008年のユーテボリ・ワールドも勿論忘れがたい。(残念ながら)失敗もあったけど、スウェーデン観衆の為に滑走出来たのはなんといっても特別な体験だった。
オリンピックも試合の規模の故に格別だ。トリノでは多くのアスレートに会えて本当に楽しかった。シーズン通して試合で出会うのはだいたい同じ人々ばかりだけど、オリンピックだけは違う。
ユーテボリでは観客からもの凄い声援を受けたわね
本当だ、僕に敬意を表して人波までやってくれたよ。あんなの未だかつてどこでも見たことがない。
つまり、自国ワールドは貴方の氷上人生における至福の時を与えてくれたってことね?
そう言っていいと思う。
談話はここで終えたい。どの選手にも人生に於ける上がり下がりはあるものだろう。だが最後に残るのは観客との繋がりであり、観客がそのスケーターを記憶に留めるかどうかだ。そして記憶されるにしても、その選手のスケートのどの部分が記憶されるかだ。
私はクリストファーがその観客を魅了する能力をもって記憶されることを望んでいる、何故ならば彼は常に観客の尊敬を勝ち取る氷上の真のアーティストだから。
ー終ー
てことで、如何でしたでしょうか。
試合で巧くいかなかった時の辛さを語ってるとこは、こっちも辛くなりますね。彼には殊更残念な記憶が多いだけに・・
でも、ふと思ったんだけど、遡って動画で昔の彼の演技を観る場合、今の基準で判断して「え、かなり失敗してるし点も出てないのに結構満足してる?」なんて不審に思うべきではないですよね。その時点ではそれが良い出来だったんだから好きなだけ喜ばせてやれよ、ちゅうか(笑)。練習でさえ一度も成功したことのなかったジャンプ(えっトリプル・アクセル?!)が本番で決まったりしたら、たとえ着氷が乱れまくったってそりゃ嬉しいだろうさ・・て、これはかなり衝撃のニュースだな、本当なのかと疑ってしまう。じゃ、そのノリで今季のナショナルではクワドにチャレンジしてみてくれまいか、なんーて
ともあれ、ナタリアさんのクリスに対する思い入れの深さは大したものですよね。ここまで言われたら、フィギュアスケーターとしてもう思い残すことないよなあ・・
写真の選択も、彼の魅力を知り尽くした者が心を込めてなしたのがよくわかると思いません?
クリス、お前ってほんとに果報者だよ
SWEの大学はほんと自由だと思います。遠距離受講も年々増えているし。そのせいで成績平均が下がって問題にもなっていますけど。
変プロ練習の合間に専門技術書とにらめっこする・・確かになんとも言えず魅力ですね、いかにも彼らしくて(笑)
> 09/08 19:03 の方
ありがとうございます。もっと頻繁にいろいろ訳せたら良いんですけど、気ままにやったりやらなかったりで申し訳ないです。
> 09/09 01:16 の方
いろいろ深く感じていただけたようで嬉しいです。
彼のフィギュアに対するアプローチはほんと独特ですよね。純粋に上位に行くことだけを目標にするんだったら、ジャッジ受けの良いプロを専門家に作ってもらったほうがいいはずですが、彼は全て自分で手作りしないと気が済まないようです。それでいてチームワークの賜物だ、と最後に一歩下がるのも如何にも彼らしいと思います。
> ともこさん
あの後姿私も好きです。なんか異常に決まってますよね(笑)
スーデルリングってカナ振りは初めて話題にした時ヤフージャパンでチェックしたのをずっと使ってるんですけど、ソダーリングとも呼ばれているんですね。まだ定説がないのかな。エドベリ君もいろいろ呼ばれてましたしね。名前って難しいです。
有難うございます。ご返事遅くなって申し訳ありません。
かなりむらの多い更新になると思いますが、これからも宜しくお願いします。