なにぬネコ書店

詩とか、日記とか  (榎本初=えのうい)

端書き―祈り

2009-04-23 09:41:55 | 詩を書く
 あなたの頬笑む顔の輪郭だったり赤らむ頬の柔らかさだったり思い出しながら、あなたの泣く声の抑揚を雨空の向こうに尋ねながら、ひとつ一つの文字を便箋に刻んでいく。あなたの胸に届くように、わたしの耳朶に染みるように。
 達筆という訳にはいかない、決して気の利いた言葉ではないけれども、せめて耳を澄まして、心を研ぎ澄ますことに努めて、健やかであれ、幸せであれと認(したた)めよう。あなたと一つの空を見ている。