25時間目  日々を哲学する

著者 本木周一 小説、詩、音楽 映画、ドラマ、経済、日々を哲学する

小説を読んで語る会

2018年11月20日 | 
 今日は「よもやま話の会」でテーマは「西遊記」だった。話は中国の古代から現代まであちこちに飛んでいく。ウィグル新疆自治区の人たちはまるで西洋人である、とか漢民族はどうして漢民族としてありえたか、と言えば、それは漢字を筆頭にして優れた文化を持っていたからだ、と誰かが言う。すると、江戸時代の公文書もすべて漢字だった、と言う。女性の一人が中国高級ホテルでの掃除の事件をテレビで見たらしく、あんな国には行きとうないよと顔を歪めて中国人のマナーの悪さを言う。ひとしきり女性たちはそれを嫌そうな顔して言う。ぼくも言った。言わしてもらうけど、日本人もそんな時期があったで。モスクワからロンドンへの飛行機に乗ったとき、日本人はうるさく、ステテコ一枚で酔っぱらい、喧しかった。まだ22歳だったぼくはその先輩日本人たちにふざけんなよ、と言いたかった、と。あの頃日本人が言われていたことを今、そのままそっくり日本人が中国人に言っている、と。えらそうなこと言えんよ。
「豊かさが底上げしてきたら、だんだんとマナーも良くなってくんやで」と誰かが言うと、その通りだと、みな頷く。

 この会は昭和27年からあるらしい。「あんた入ってくれて、会も元気出てきたよ」とずっと会を引っ張ってきたMさんは言った。「文学」を入口として社会、経済、個人について語り合う、またはそんな語りを聞きたい人はいると思いますよ。
 ということで、地元新聞に会員募集の記事を書いてもらおう、と記事の内容を検討した。
 次はぼくが担当なので、「千年の愉楽」の中の第一番目「半蔵の鳥」をテーマにすることにした。
 どんな感想をもつものなのか知りたい。ぼくは荒くれた男、白い肌から出る汗に酒が混じっているような匂い立つ若衆がもつ死との親近感が醸し出す美しさに魅了されたのだった。このような美しさを描ける中上健次はすごかった。 


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