25時間目  日々を哲学する

著者 本木周一 小説、詩、音楽 映画、ドラマ、経済、日々を哲学する

不可解

2017年03月03日 | 文学 思想

 日本会議には国会議員懇談会と地方議員連盟などの政治家団体がある。目指すことを天皇を元首とする国家であり、そのためには剣法を改正するというものである。この団体が気になって昨年いくつかの本を読んだ。

 4割ほどの国会議員が会員となっている。賽銭程度の付き合いというひともいるのだろうが、小池百合子も、石原慎太郎もメンバーである。

 椛島有三が事務総長であり、元成長の家学生運動の出身である。彼は日本青年協議会のボスでもある。同じビルの同じフロアに「日本政策研究センター」がある。ここの代表は元成長の家広宣部長であった伊藤哲夫である。彼も元成長の家の政治活動員であった。この日本政策研究センターが安部首相の政策シンクタンクである。

「生長の家」はいつの間にか、せんぜんの国家神道支配の軍事警察、家父長的家族制度への回帰を目指す窮極の保守反動となったが、近年政治運動から撤退している。成長の家は教祖谷口雅春が亡くなってから谷口の子供が引き継ぐ穏健な現在の成長の家と「原理主義派」に分かれた。この原理主義派がこまめに活動をして今日の政権中枢に入るまでに至っているのである。

  日本会議のスローガンは、
1.憲法改正
2.教育基本法改正
3.靖国公式参拝の定着
4.夫婦別姓法案反対
5.より良い教科書を子供たちに
6.日本会議の主張の発信

 これでもって国民運動と称して活動を行っている。スローガンを見ればわかるように、経済的なスローガンはない。思想・信条的な団体である。ということで、村山談話とか戦後70年安倍談話などの談話内容にはこだわりを見せる。ときには参議院の議長室にまで押し入りり、圧力をかける。僕には日本は侵略戦争されたと認めても侵略戦争をしたという勇気や潔さがないように見える。

 現在揉めている森友学園の籠池理事長日本会議ものメンバーである。日本会議国会議員懇談会では安倍晋三と麻生太郎が特別顧問である。第二次安倍改造内閣ではでは、日本会議国会議員懇談会会員の中から15人が入閣した。第三次安倍第1次改造内閣でも会員が12人入閣している。

 1969年学園紛争が各地の大学に広がり、70年安保改正時を頂点として全共闘運動が盛ん立ったころ、長崎大学では右派の青年たちが学園正常化に取り組み、学生自治会を右派が運営することになり、この運動は九州、四国の各大学に広がった。また全国でも賛同する若者もいた。その中核的な存在は「成長の家」であったことは言うまでもない。

 彼らは地方議会には請願書提出を議員に請い、偏った報道と思えば圧力をかけ、テレビ局にはこまめに抗議の電話をするという手法を使う。朝日新聞がどうやら大嫌いらしい。

 天皇が元首となり、靖国神社を参拝させ、ファシズムにつながった教育勅語、家父長制などの復活など僕にはとんでもないと思うのだが、本気でそんなことを思って日本会議に名を連ねる人がいるとは僕には俄かに信じがたい。舞の海も入っている。

 ちなみに神社本庁統理、神宮大宮司、神社本庁総長、東京都神社庁庁長、神宮少宮司、靖国神社宮司、明治神宮宮司などが役員として名を連ねているが、無名の地方の神社の宮司のブログを読むと、政治にかかわる宮司というのは1%ほどのことだという。彼らは伝統的なことを政治的にではなく粛々と日常の中で行っているだけのことである。

 民進党の前原誠司、松原仁、長嶋昭久も入っている。仏教界もモラロジーなども入っている。緩やかな団体であるように見える。

 森友学園の籠池理事長のやり方は椛島のやり方とよく似ている。しつこさ、押しの強さ、狭い世界観、差別。

 いくら有名人や団体の長を冠においても、日本の沈黙している庶民は復古主義を望んでいないと思う。天皇とて不快なのではないかと思う。今回の森友学園国有地払下げ事件からいろいろな人脈が明らかになってくるように思う。おそらく安倍首相とマスコミと食事会などというのはやめるべきで、メディアはこういうときこそ、取材に必死にならなければならない。

 



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