第７話

夏目さんを投入後、訳もわからずBIGBONUSを手に入れ勝手に勝った気でいる私

その後も強気に打ち続ける

『元気があれば…』

と台から聞こえてくれば

【元気ありまくりじゃい!!】

と完全に上から目線で機械にツッコミ入れる
（もちろん頭の中でね）


初めてのスロットとの戦いだったので止めるタイミングがわからずその後も打ち続ける



これが、また

よ～く当たる

対決演出に発展すれば液晶内の猪木さん、敵をばったばったと倒しまくりのやりたい放題

サメ演出では出てくる数匹のサメを空中で蹴りまくりラストのサメには空中バックドロップかまして再起不能にさせる

掛け声演出ではあの名言を大声で叫ぶ
『いくぞー!!』

『いぃ～ち！』
『にぃ～！』
『さ～ん！』…



【ダァーッ!!!!】
↑で大当り確定


BIG！BIG！！BIG！！！
の嵐。
みるみるうちにコインが出てくる下皿はコインでパンパンになった


怒涛の連続BIG終了後…

タバコに火をつけ大好きなジョージアエメラルドマウンテンを飲みながら考える




【ハァ、疲れた…

洗濯するためにここ（パチンコ屋）に来たはずなのに

何を楽しんでんだ俺は】

ここにきて理性を取り戻す

そして兄のもとへ向かう。


すると

絶好調な兄は、どんどん出玉を増やしていて、その数カチ盛り３箱＋下皿パンパンというお祭り状態に。

ご機嫌な兄が言ってくる

兄『いや～こりゃ～10万コースですわ。ひゃっひゃっひゃっ』

私『なんやそれ』


後に知る事になる…

自分も何度か経験がある



『10万コース』
ギャンブラーがパチ屋に入る前に抱く夢
その日パチ屋から帰る時、財布に10枚の新しい福沢さんを手に入れる事
そのミッションが成功した際には、その日は８割近い確率で焼肉屋で自分自身にご褒美をする
もしくは居酒屋or風俗に直行できる夢のような体験のこと
ちなみに私パチ屋の扉を開くときは毎回抱いている




まさか私のスロット初体験時に兄の10万コースを見るとは。
そんな兄の大フィーバーを見てなぜか疲れてたはずなのに、やる気が出る。


【こりゃあ、アッシも負けてられまへんなぁ】


そして第２ラウンドのゴングが鳴る

そしてこの第２ラウンドも私が一方的に猪木さんを圧倒する。



しかし



当たるのは当たるが黒い奴ばかり




黒い奴の正体…


『BAR』である
別名おばけ


当たり→おばけ
当たり→おばけ
当たり→おばけ


の３連続


オルテガ・マッシュ・もう１人忘れたけど黒い３連星である。

【まさか機動戦士ガンダムとコラボしているとは…】
と変な事を考えていると、いよいよ悪い癖が出てきはじめる。




飽きたのだ




燃える闘魂,アントニオ猪木氏との対決を堪能
まさかのワタクシの一方的な勝利


もはや続ける理由はなくなった

猪木に勝った！
これだけでお腹いっぱいになったので呼び出しボタンを押して店員を呼ぶ。
かわいい姉ちゃん店員が来た

私『やめで』
かわいかったので、カッコつけて手をクロスし店員に言う

店員『はい？』

私『いや、やめます』

店員『あ、でしたらコインを箱に移して計数機までお持ちください』

と言われる。

どうやらスロットはパチンコと違い自分で持って行くみたいで、そんなの知らず普通に呼び出しボタン押して、カッコつけた手前ものすごく恥ずかしくなる…

私『うい』

と何事もなかったようにコインを箱に移して計数機に持って行く。


計数機には、あのかわいい姉ちゃん店員が待ち構えていてコインを流してくれた


ジャラジャラジャラ～

音を立て流れていくコイン


正確な数字は覚えてなかったが『1000枚』は超えていた。

換金すると２万はあった
投資は夏目さんの１枚のみ

少ない投資での理想の展開な闘いであった

洗濯するために出かけたはずが気づいたら新しい福沢さんを２枚手に入れ上機嫌でパチンコ屋さんを後にした。



そう、この日から『スロッターまつもと』の数々の伝説が始まった


笑いあり悔しさあり涙ありの激闘の日々が



続く。


※もちろんこの日も超上機嫌な兄に焼肉をおごってもらい堪能しました