エルエルの部屋(エルエルのむふふなひみつ)

美少女マスクととフィメールマスクのブログです。


数え年で58歳のおじさんがマスクをつけて女装をしています。

黒ドレス06

2019-12-12 21:56:16 | 日記




凍えそうに寒い山の中、一人の少女が火にあたりながらただただ死の訪れを待っていました。その少女はこの数日食事をとっていなかったのです。表情には死の影が浮かんでいました。

木陰から、その様子をそっと見ていた小熊がいました。

小熊が心配になってそばに近づいていくと、その少女は、自分のこともかまわずに、子熊を抱き上げて頭をなでながら「お前も寒いの?さあ、火に当たりなさい」とやさしく言いました。

小熊はその少女から溢れるような慈悲の波動が自分に向かって流れてくるのを感じました。子熊はうれしくてたまりませんでした。

少女は、小熊に微笑みながら言いました。
「ありがとう、本当にありがとう、わたしを元気づけてくれようとしているんだね、でも、わたしはもう長くは生きられない。お前に会えてうれしかったよ」

もちろん小熊には意味は分かりません。しかし感謝の気持ちは、小熊の身体全体から波動となって小熊に伝わっていきました。その時小熊は思いました。

「このままではこの人が死んでしまう。助けなくては、どうにかして助けなくては、寒い冬には、木の実が実っているわけはない。どうしよう。どうしよう・・・」
そして小熊は、ひらめきました。それは目の前の火に飛び込むことでした。

「自分の身をこの人のために与えてしまおう」そう思った時、小熊は、命を失う悲しさではなくこの人のために命を捧げる喜びでいっぱいになりました。

そして小熊は一気に火の中に飛び込んでしまいました。

少女は、余りに急な出来事にびっくりしました。
・・・しばらくして、そのウサギが飛び込んだ意味がわかってきました。少女の眼は涙でいっぱいになりました。

 

・・・・・・・・・

 

「これって素敵なお話だよね。私も目を涙にいっぱいにする感動体験をしてみたいよ」とエルエルが言いました。
「ええええ、これって普通はウサギが主人公のお話だよね」とプー太郎ちゃんが返事をしました。


どこかで誰かが舌打ちをしました。

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