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1980年以前の中学に家庭科、未必修の男性諸氏に医療従事者を含め必要かも。

[黴:かび] 食生活について語ろう

2021年06月24日 | 美容ダイエット

・黴Mold かび

  六月から七月中旬にかけて、北海道を除く日本列島に見られる雨期です。旧暦の五月は新暦の六月ごろであり五月雨(さみだれ)ともいい梅雨の時期とも言われています。
そもそもは、「バイウ」で、中国から伝わってきた言葉です。中国は揚子江流域で、梅の実が熟す時期に雨期があり、それを梅雨と呼んでいます。
それでは、「梅雨」を「ツユ」と呼ぶようになったのは、江戸時代の頃からです。               
語源については諸説がありますが木の葉などに降りる「露」から梅の実が熟してつぶれる時期であることから、「つぶれる」を意味する「潰ゆ(ついゆ、つゆ)」からともいいます。
さらに「梅」のつくりになっている「毎」は、毎度とか毎日とか、連続して雨が降るこの時期に梅雨という漢字が当てられたともしています。
昔中国では黴雨という字が当てられていました。カビの雨と書いてバイウなのですが、たしかにカビの季節とはいえ語感が悪いので、梅雨という字に改められたという説もあります。
恵みの雨が降る時期でもありますが、湿気が多く蒸し蒸しする暑いこの時期は家の中や食品等にカビが生えやすいのも事実です。
やはり、昔も今もツユの時期は、カビに悩まされているようです。             

カビやダニなどの雑菌は、温度が20℃~30℃、湿度が70~90%になると、繁殖が活発になります。
発生には酸素、温度、水分15%以上、栄養分4つの条件が揃うと発生しやすくなります。細菌が蛋白質の多い肉や卵を好むのに対し、カビは炭水化物や糖を含んだ穀類、豆類、いも類に好み繁殖する傾向があります。
糸状菌とも呼ばれ、基質に密着しまたその内部に入りこんで栄養を摂取するもの、空中に向かい成長するものに分けられます。

カビの菌糸の成長は、先端部分が分裂をおこなって伸びていき最初は、無色透明ですが成育するに従い灰色ががかって肉眼で見ることができます。
時にはマイコトキシンと呼ばれ食中毒やアレルギーの原因となることもありますがその一方で、発酵食品や薬品(ペニシリンなど)を作るのに重要な役割を果たすものも存在しています。

真菌類に属し黴の種類は、10万近くも確認しています。
人に有用として利用しているものは、リゾープスRhizopus(クモノスカビ属:穀類、果物 至適温度30~40℃)、アスペルギルスオリゼAspergillus oryzae(米、大麦、大豆:至適温度25~35℃、強い糖化、たん白分解力がある)、ペニシリウムPenicillium(アオカビ属、チーズ製造)、モナスカスMonascus(ベニコウジカビ属、中国、マレー半島で紅酒[こうしゅ]の製造)、ノイロスポラNeuros pora(テンペ[大豆]、オンチョーム[落花生])などせいぜい10種程度に留(とど)まります。
 カビはpHが下がると増殖しにくくなるので発酵の仕方を調整することによって生地内に有機酸が生まれるようにする場合もあります。


家の中でよく見かけるカビの種類としては
◇クロカビ
お風呂場、便器、台所、加湿器等の水周りに発生する、クラドスポリウム・クラドスポリオイデスCladosporium cladosporioides・クラドスポリウム スフェロスパーマムCladosporium sphaerospermum の2種のクラドスポリウム属のカビです。
結露の多いところに生えるカビとしては代表的な菌種で黒色のカビを見つけたら、このカビだと言ってもいいほど多いカビです。このカビは最も多く空気中に浮遊しているカビで、汚染、劣化の代表的な原因カビで アレルギー、喘息の原因にもなります。
クロカビは、アルコールなどの消毒剤に弱く、耐熱性もあまりなく、カビの中では比較的除菌しやすい種類の方です。こまめに掃除することが大切です。


◇アオカビ(ペニシリウム・Penicillium)
ペニシリウム・クリソゲナムPenicillium chrysogenumはペニシリンという抗生物質を分泌することで知られています。
ペニシリウム・グラーカムのブルーチーズの1種ゴルゴンゾーラを作るのやペニシリウム・カマンベルティPenicillium camembertiはカマンベールチーズの製造に使われるもので、色は白いのですが、ペニシリウム属(青カビ)の一種です。
カビには酸素が必要なのでチーズの表面に生えますが、このカビから生み出される酵素がチーズを外側からたんぱく質分解して内側に向かって熟成させていき、カマンベールチーズ特有の風味が作られるというわけです。
種類によっては、家具やハウスダスト、押し入れ、畳、パンやミカン、農産収穫物等に発生するペニシリウム・イタリカムPenicillium italicum、ぺニシリウム属に属するカビです。150種類以上あり、食品から特によく検出される菌です。
また、ペニシリウム・シトリナムPenicillium citrinumはお米を黄色に変色させるカビで、このカビが作り出すシトリニンというカビ毒は腎細尿管上皮変性を引き起こし腎臓に病気をもたらすことが分かっています。


◇コウジカビ
 菌の酵素力が強く、日本では昔から多くの分野で活用しており、味噌・醤油・清酒・焼酎・鰹節等に使われてきました。150種類ほど存在し、一般的には粉状で胞子は無色のものが多く、乾いたところでも繁殖します。有用なカビをすべて麹菌と呼ぶ例もあります。
日本の麹に最も多く使われている麹菌は、「黄麹菌」またはアスペルギルス・オリゼAspergillus oryzaeと呼ばれるカビです。
有毒物質のアフラトキシンAflatoxinというパンやケーキ、ナッツ類、さらにはホコリなどに発生する、アスペルギルス属に属するカビもあります。
自然に最も多く存在しますが、輸入食品から検出したアスペルギルス・フラバスAspergillus flavusが産生するアフラトキシンB1は天然物の中では最強の肝臓がんの発ガン性物質と言われています。
恐ろしい毒を作るカビと美味しい食べ物を作るカビが同じ分類に属しているとは驚きです。

その他にも、ジャム、佃煮等の糖、塩分濃度の高い食品や、干物等の乾燥食品に発生するユーロチウムEurotium属、チョコレート等の糖度の高い食品、絨毯や畳等に発生する強い好乾性、好塩性菌のワレミア属Wallemia、リンゴや柑橘類の腐敗の原因となるアルタナリアAlternaria属等、数多くのカビがあります。


カビを完璧に防ぐことはかなり難しいと言えますが、梅雨のこの時期、少しでも発生を抑えるためには、こまめに掃除することが大切です。
発生してしまったカビへの対処として、次亜塩素酸ナトリウムと水酸化ナトリウムが有効です。この2成分は、市販の塩素系カビ取り剤に含まれています。
次亜塩素酸はアルカリ性では化学的に安定するため、水酸化ナトリウムでアルカリ性に保たれています。さらに、水酸化ナトリウム(重曹)はタンパク質を変性する作用があり、細胞壁を壊して次亜塩素酸が細胞内に入りやすくします。
細部内に入った次亜塩素酸は、細胞内で組織や酵素を壊すことで、カビを死滅させます。また、次亜塩素酸は色素を分解する働きもあるので、カビによる色素汚れも除去できます。

カビが美味しい食品を作り出したり命を守る医薬品になる場合もあれば、健康を脅(おびや)かす存在にもなります。これからの梅雨の時期、いやなカビの発生を防いで、快適に過ごしましょう。

 

 

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