さっぽろ・ふるさと文化百選
2013.05.07撮影/2013.05.21投稿
No.099 恵迪寮歌「都ぞ弥生」(北17西9)
恵迪寮は、札幌農学校が現在の時計台の地にあった頃、その近くに建てられた。
明治38年(1905年)移築、明治40年(1907年)「恵迪寮」と名付けられ、昭和6年(1931年)第二農場西側の移転、
昭和58年(1983年)老朽化のため解体。現在は、構内北西の一角にある。留学生の外国人を含め、500人が寄宿し
ている。寮歌だけで100有余曲にも及ぶ。
都ぞ弥生(明治四十五年寮歌)
横山芳介作歌
赤木顕次作曲
一
都ぞ弥生の雲紫に 花の香漂ふ宴遊(うたげ)の筵(むしろ)
尽きせぬ奢に濃き紅や その春暮れては移らふ色の
夢こそ一時青き繁みに 燃えなん我胸想いを載せて
星影冴かに光れる北を
人の世の 清き国ぞあこがれぬ
二
豊かに稔れる石狩の野に 雁(かりがね)遥々(はるばる)沈みてゆけば
羊群声なく牧舎に帰り 手稲の巓(いただき)黄昏(たそがれ)こめぬ
雄々しき聳ゆる楡の梢 打振る野分(のわき)に破壊(はゑ)の葉音の
さめゆく甍(いらか)に久遠(くをん)の光り
おごそかに 北極星を仰ぐ哉
三
寒月懸(かか)れる針葉樹林 橇の音(ね)凍りて物皆寒く
野もせに乱るる清白の雪 沈黙(しじま)の暁霏々(ひび)として舞ふ
ああその朔風飄々(ひょうひょう)として 荒(すさ)ぶる吹雪の逆巻くを見よ
ああその蒼空(そうくう)梢聨(つら)ねて
樹氷咲く 壮麗の地をここに見よ
四
牧場(まきば)の若草陽炎燃えて 森に桂の新緑萌(きざ)し
雲ゆく雲雀に延齢草の 真白(ましろ)の花影さゆらぎて立つ
今こそ溢れぬ清和の陽光(ひかり) 小河の潯(ほとり)をさまよいゆけば
うつくしからずや咲く水芭蕉
春の日の この北の国幸多し
五
朝雲流れて金色(こんじき)に照り 平原果てなき東(ひんがし)の際(きわ)
連なる山脈(やまなみ)玲瓏として 今しも輝く紫紺の雪に
自然の藝術(たくみ)を懐(なつかし)みつつ 高鳴る血潮ほとばしりもて
貴(たふ)とき野心の訓(をし)へ培い
栄え行く 我等が寮を誇らずや
解体された旧、恵迪寮跡に建つ寮歌の歌碑
現、恵迪寮
巣立っていった旧寮生の碑か?
バーベキューでもやったのであろう残骸
雑然とした自転車置き場
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