せっかくの中秋の名月も日本列島を縦断するように北上している台風17号の前線が雨を引き連れているためすっかり雲の中。
南風の影響で、気温は高く空はどんより。いつ雨に変わるか見通せない状況では畑仕事は不安だし、ウオーキングもできない。
こんな日には、回顧を込めて温泉めぐりシリーズNO.3丸駒温泉旅館をここに投稿する。
平成14年1月5日(土)~6日(日)
丸駒温泉旅館〔千歳市幌美内(ポロピナイ)番外地〕
泉 質 弱食塩泉
泉 温 53℃
効 能 リウマチ、冷え症など
宿泊料金 ¥12,000
娘の会社の手配で、新春早々この温泉に投宿した。
まだ松の内で、料理も三の膳つきだ。名物のチップ刺しや、姿焼きを供してくれる。二階の窓から、湖畔一帯に広がる雪原を見渡せば、さえずりながら木々の小枝を飛び交っているアカゲラ、ヒヨドリ、シジュウカラ、カケスなど、いろいろな野鳥が観察できる。
丸駒の名の由来は、そのむかし、あたり一面が原生林で原木を切り倒し、馬にひかせて搬出したとき、馬が急斜面や雪中で転倒し傷を負い、それを癒すために、古来からあった湯に浸からせたことから、駒の湯、丸駒…となったという説もある。…が、
どうやらそうではないらしい。
大正四年、先代の佐々木初太郎氏がアイヌの古老に、支笏湖畔に湧くお湯のことを聞き及び、ここで開湯したのが始まりらしい。
いまでこそ、札幌オリンピックの滑降競技開催のため開通した道路があるが、当時は対岸の支笏湖温泉街からの船に頼っていた。
一階には、湯温と湯色が少し異なる内湯が二槽あり、引き戸を開ければ、やや高いところから見下ろせる支笏湖と、風不死岳や、多古峰山を遠望できる露天風呂がある。
しかし、この温泉の名物は、開湯以来かわらず守られている天然の露天風呂だ。
一階の浴場からさらに廊下を進み、その先の階段を下っていくと、昔からの地面を掘り込んだ露天風呂がある。
知らずに、内風呂の脱衣所でスッポンポンになって行ったのが悲劇だった。
足はかじかみ、身体は鳥肌。
なんのことはない、よく見ると天然露天風呂にも脱衣所があるではないか…
この天然風呂の湯温は、支笏湖の水位で微妙に変化するらしい。
槽底に敷き詰められた砂利のあいだから湧いてくる温泉だ。
運とは、いままでを引っ張っていくのではなく、その日、その瞬間に与えられるものなのか?
きょうの湯温は低く、上がるに上がれない。
さりとて、いつまでもお湯に浸かっていても温まらない。
30分待ってから思い切って一階の内風呂まで走り込んだ。蘇った。
足の指先は、コンパスの軸針か画鋲を刺したように痛い。
丸駒温泉は、札幌からも近距離にあるためか、積極的な宣伝効果のためか、湖畔の風情を楽しむには俗化されてしまったようだ。
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