雷座の部屋

私の思っている事、思い出などの部屋です。

ラスト・シーンのない映画

2010-06-03 22:48:55 | 社会科
大林宣彦監督。

1977年劇場用映画「HOUSE」で監督デビュー。
それはとても凄いことだった。

だってね、70年代の日本映画って新しい監督がデビュー
出来る時代じゃなかったものね。

長谷川和彦監督が1976年に「青春の殺人者」で監督デビュー
した時も「久々の大型新人監督の誕生」みたいに大騒ぎだった
よね。
まあ、水谷豊と原田美枝子主演の映画「青春の殺人者」自体も
良かった、ってのあるけどね。

この時代、何年助監督やったって監督になれる保証なんてない
時代。
それがやった現れた大型新人だったからなぁ~

一応映画業界にいたし、シナリオ書いたり助監督やったりは
していたけど、デビュー作を作ったのはATGだったからなぁ~

それに比べCMディレクターとしては活躍していたけど、いきなり
東宝からの劇映画監督デビューだったから、大林監督はとても凄か
った、って言えるよね。

そんな大林監督、有名な作品は尾道三部作と呼ばれる
「転校生」
「時をかける少女」
「さびしんぼう」
の3作品。

それ以外にも
「ねらわれた学園」
「彼のオートバイ、彼女の島」
「漂流教室」
なんてヒット作もあるよね。

で、そんな大林監督作品でラスト・シーンのない映画がある。
それは1989年に製作された映画
「北京的西瓜」

この映画についてはちょっとだけブログに書いている。
雷座の部屋
昔観た
2005年10月

日本人の八百屋夫婦と中国人留学生の交流を描いた作品。
お話は日本で進むんだけど、ラスト・シーンの撮影は中国で行われる
予定だった。
普通の商業映画ならありえない展開。
確か主役のベンガルだったと思うけど、スクリーン上に登場して話始める。
「ラスト・シーンの撮影のために中国に行く予定でしたが、それが
出来なくなりました」
というような事を観客に向かって語りかけてくるのである。
なぜなら…

21年前、1989年。
6月4日。
中国は北京の「天安門広場」って場所で大事件が起こった。
そしてその事件の影響でラスト・シーンは撮影される事が困難になって
しまったのだ。






YTBBC News - June 4, 1989, Tiananmen Square Massacre

ウィキペディア六四天安門事件


つい先日も香港で弾圧があったようですね。
YT香港六四記念デモ 弾圧に抗議=一国二制度は所詮人騙し

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