〔プロローグ〕
〔第1週〕第1話~第5話「初めてのエール」
第1話 3月30日 1964年(昭和39年)10月10日「東京オリンピック」開会式。
「東京オリンピック」開会式で、古山裕一(古関裕而) が作曲した『オリンピックマーチ』が演奏されるが…。
裕一は、その緊張に耐えかねて、トイレに籠もってしまう。妻が励ますが、それでも尻込みする裕一に、原爆で親兄弟全てを失ったという長崎出身の警備員が「生きる希望を与えてくれたのは先生の『長崎の鐘』です。先生の曲は人の心を励まし、応援してくれます。先生の晴れ舞台です。どうか会場で!」と、声を掛けた。その言葉に押され、裕一は大観衆が溢れる会場へと向かう。
『オリンピックマーチ』昭和39年2月に依頼があり、6月に曲が完成。
考えている時間が長く、ふさわしいマーチがどんどん浮かんできて一気に書き上げた。入場行進のマーチを聴きながら、愛用の8㎜カメラで撮影していた。(息子さん:古関正裕氏)
『長崎の鐘』長崎だけでなく、この戦災の受難者全体に通じる歌。
長崎医大・永井 隆博士が書いた著書などからヒントを得て、サトウハチロー氏が作詞。曲調は、打ちひしがれて人々のために再起を願って、「なぐさめ」の部分から長調に転じて力強くした。
1949・昭和24「長崎の鐘」ここよなく晴れた 青空を 悲しと思う (藤山 一郎・サトウ ハチロー・古関 裕而)
同年3月に、藤山一郎の歌唱で録音した。この時、藤山は風邪で高熱を出していたが、無理を押しての録音だった。しかし、「楷書の歌手」といわれるだけあり、体調不良を感じさせない歌声だった。
「長崎の鐘」は、東京大衆歌謡楽団が歌うレパートリーの1曲です。
〔参考文献〕「エール」NHK出版・「鐘よ鳴り響け」集英社・「古関裕而~流行作曲家と激動の昭和」中公新書
30日スタートのNHK連続テレビ小説にも未発表ですが出演が決まっていた、タレント・志村けんさんが死去。驚きと共に、謹んでご冥福をお祈りします。
なお、既に数回の収録が済んでいて、その分は、放送されるそうです。
第2話 3月31日 長男として、裕一が誕生。小学生になり、吃音や運動が苦手で…。
いじめに遭う。或る時、父親が掛けている蓄音機の音色に吸い寄せられる。
第3話 4月1日 出会い「将来の作詞者」と、理解者の「先生」。
ケンカを遠巻きに見ていると、転校生から声を掛けられる。(後の、作詞者となる)
運動の不得手を教師から責められ制裁を受けている時、新任の教師が止めに入り、理解者となる。
村を挙げての運動会で、転倒するも、新任の教師が指揮するハーモニカの演奏に励まされ、ゴールを目指す。
会場は裕一への声援に包まれる。裕一にとって初めての「エール」になる。
第4話 4月2日 裕一、五年生となり、理解者の先生が担任となる。
母親の実家に行った時、賛美歌を歌う少女に見とれ、運命の出会いとなる。
先生から「作曲」の宿題が出る。やがて、黒板に描かれた楽譜を見て、先生が驚く。
第5話 4月3日 先生が裕一の家を訪ね、類い希な音楽の才能を告げる。
第一次世界大戦が終わり、不況の波が呉服店の経営にも及び出す。
その中でも、父は、裕一に高価な楽譜を買い与える。
〔第2週〕第6話~第10話「運命のかぐや姫」
第6話 4月6日 心が通い始めた同級生の家が夜逃げ。
同級生が詩を書くことを知り、裕一が曲を付けると約束した矢先の夜逃げだった。
不況のあおりは、裕一の家の呉服店にも影を落とし、父親が金策に走る。
第7話 4月7日 裕一、運命の少女(後の妻・音)と出会う。
少女は、父親と教会で聖歌隊と共に賛美歌を歌い、後々、裕一との出会いとなる。
また、少女は、その教会で歌った世界的ソプラノ歌手の歌に感動する。
第8話 4月8日 父親に後押しされ、歌手と挨拶を交わす。
レコードをプレゼントされ、歌手になりたいと話す。心構えを諭される。
第9話 4月9日 音の父親が、鉄道事故に巻き込まれて急死。
仕事先で、子供を助けようとした事故だった。馬具製造の家業にも、暗雲。
第10話 4月10日 馬具製造の契約書により、職人も戻る。
音は、学芸会「竹取物語」で、主役の子の心情を知り、自ら主役になり、
交代した子も帝の役を無事に演じる。劇中、音の「朧月夜」独唱が感動を呼ぶ。
〔第3週〕第11話~第15話「いばらの道」
第11話 4月13日 時が経ち、裕一は家業を継ぐため、商業学校に入学。
裕一が福島商業学校に入学したのは、大正12年「関東大震災」の前年だった。
当時、大流行していた「ハーモニカ倶楽部」のメンバーになる。
第12話 4月14日 裕一の曲が「定期演奏会」の曲に選ばれる。
選曲投票はハーモニカ倶楽部会長との競合になるが、会長の配慮で、裕一の曲に決まる。
退任する会長から、裕一の才能を見込み、時季の会長の指名を受ける。
家業では、次男が家業を継ぐ決心をするも、父親が呉服販売で、詐欺に遭う。
第13話 4月15日「定期演奏会」で、自らの曲の指揮を任されるも…。
呉服店の窮地を救うため、叔父の銀行から融資を受ける。その条件として、裕一は養子に出る。
ハーモニカ倶楽部を辞め、暗い気持ちになる。着任した行員の底抜けの明るさが救いとなるか。
第14話 4月16日 行員達の勧めで、社会勉強として、ダンスホールに行くが…。
思いもかけず、ホールNO1の踊り子と踊れる事になる。
第15話 4月17日 行員が、裕一に恋愛指南をするも…。
NO1の踊り子は、実は、裕一の同級生だった。裕一が想いを伝えるも、恋は破れる。
その時、第6話で夜逃げした同級生・鉄夫が、新聞記者となり裕一と再開する。
鉄夫は、裕一に励まされ今でも「詩」作っていた。裕一は「音楽の夢はどうした」と問われる。
〔第4週〕第16話~第20話「君はるか」
第16話 4月20日 恋に破れた裕一に、行員や、記者となった鉄夫が励ます…。
銀行の職務に励むように見えても、周囲には本来の裕一の姿ではないと案じる。
周囲に、国際的歌手のコンサートや、国際作曲コンクールへの勧めを受けて、心が動き始める。
一方、第7話で出会った運命の少女(音)も成長し、声楽家を目指していた。再会の予感。
第17話 4月21日 音に、お見合いの話しも。裕一には朗報が…。
音は、「女の幸せより、夢を取る」と、お見合いを断る。裕一は、作曲コンクールへの作曲に苦しみながらも、周囲の励ましの中で、満月を見上げた時インスピレーションが湧き、交響曲「竹取物語」を描き上げる。やがて、イギリスから「入賞」の手紙が届く。
(第10話で、音が学芸会で「竹取物語」の主役・かぐや姫を演じている)
第18話 4月22日 養子先への遠慮から、作曲コンクール入賞を秘匿にするも…。
新聞に報じられ、周囲が慌ただしくなる。養子先当主の急死により、養子入籍と転居を迫られる。
養子先からの借財が有る父親にも報が伝わり、苦境の想いが有るも、裕一の快挙を喜ぶ。
音も知る事となり、ファンレターを書く。多くの手紙の中から、音の手紙が裕一の心に響く。
第19話 4月23日 裕一は、音へ「あなたの為に作曲したい」との返信をする…。
音は、心待ちにしていた裕一からの手紙に大いに喜び、「君はるか」の詩を寄せる。
「入賞」の副賞・海外留学と、養子縁組の狭間で悩む。そんな中、呉服店に驚愕の知らせが舞い込む。
第20話 4月24日 急転、裕一の留学が認められるも、音からの手紙が途絶える…。
音は、裕一の勉学の邪魔になってはいけないと別れの手紙出す。裕一は、会いに行くと飛び出す。
〔第6週〕第26話~第30話「ふたりの決意」第6週〕第26話~第30話「ふたりの決意」第5週〕第21話~第25話「愛の狂騒曲」
第21話 4月27日 家を飛び出した裕一は、音の居る豊橋の家を訪ね当てるが…。
裕一は、暫くの間、身を置かせてもらうように頼み込む。音は、協会・海岸などを案内する。
第22話 4月28日 音の母からは、身を引くように勧められる一方…。
裕一に、「演奏会」の興行の話しが舞い込む。二人は、手筒花火の見物に出かける。
戻ると、裕一の父親が待っていた。
第23話 4月29日 二人と両親を交えて話し合いを持つが…。
裕一は突然、音にプロポーズ。当初は反対だった音の母は、二人の心情をくみ、賛成に回る。
音の母は、裕一の父親に、親族への説得を訴える。父親は、思わず「任せとけ」と云ったが…。
第24話 4月30日 演奏会の準備に、周囲の協力も…。
裕一は、音の音楽の先生の身の上を知り「人に力を与える曲を作って欲しい」と励まされる。
音の妹は、音から作詞の手伝いをする。裕一は「外に目を向けたら」と助言する。
裕一の父から、安心を覗わせる「スグカエレ」の電報が入るが…。
第25話 5月1日 豊橋の演奏会では、裕一のオリジナル曲が喝采を浴びる…。
オリジナル曲は、妹・梅が、亡き父に捧げる歌を作詞、裕一が指揮、音が歌唱した。
演奏会は、裕一の尊敬する小山田耕三の耳に届くことになる。
小山田耕三のモデルは、作曲界の重鎮・山田耕作であり、故・志村けんさんが演じています。
〔第6週〕第26話~第30話「ふたりの決意」第6週〕第26話~第30話「ふたりの決意」
第26話 5月4日 裕一は、家族との話し合いを持つが…。
裕一は、実家に戻り、音との結婚と、音楽留学に就いて相談するが、反対を受ける。
第27話 5月5日 裕一は、音へ「別れて下さい、夢を選びます」との手紙を出す…。
裕一は、恩師にも相談して別れの手紙を出し、その後も届く音からの便りには目を通さなかった。
そんな折、「音楽留学取り消し」の報が届く、荒む裕一を見かねて、父親が音の実家宛に手紙を出す。
第28話 5月6日 音は、福島の裕一の元へ行くも、裕一は別れの気持ちを崩さず…。
音は、裕一の後を追い、教会へ。子供の頃二人が初めて出会った時の事を互いに覚えていた。
それでも裕一は別れを告げる。去る裕一に、音は「絶対に諦めない」と言葉を投げる。
音は、母に励まされながら、独自に裕一をレコード会社に売り込むが、どこにも断り続けられる。
そんな中、小山田耕三(山田耕作)は、レコード会社の担当者に、裕一と契約をするように告げる。
小山田耕三役で、故・志村けんさんが二度目の出演。
第29話 5月7日 音は、再びレコードを訪ね、契約を果たし、裕一の元へ…。
音は、実家を訪ね母親に会うも「音楽でこれ以上傷付く姿を見たくない」と、契約を断る。
あきらめ切れない音は、裕一のいる教会に向かい、説得をする。報を聞いた鉄夫も加わり
説得をするも、裕一は二人に背を向け教会を後にする。悩む時が続く…。
第30話 5月8日 裕一は、「跡取りさえ作ってくれれば」との話しを聞いてしまう…。
婿入り先で、心ない話しを聞いた裕一は、実家に戻り、東京に行く決意を告げる。
父親は、裕一の見送りで、東京の音の住所を渡し励ます。裕一は東京で、音との再会を果たす。
レコード会社に出向き、契約を交わし、音と住むための借家を捜す中、ふと訪れた喫茶店で、借家を紹介される。
当初、東京での住まいは、阿佐ヶ谷に住む姉の家の部屋でした。その後、妻になった金子(音)が、帝国音楽学校に入学すると、通学の便を考慮して、世田谷代田へ引っ越しました。(阿佐ヶ谷と云えば、北新宿の我が家からJR総武線で、三つ目ほどの近さで、より親近感を覚えます)
(編集中です)