日曜日にスタジオ関係でまたまたやらかして、大いに自分にがっかりしながら電車に乗っていた。
脳内では反省大会とこれからの対策をグルグルグルグルしていたから、
正確に、彼らがいつ・どのタイミングで私の斜め前に立ったのかは覚えていない。
「だってえ、タカくんはあ、そういったでショ?」
その女性の声で私は反射的に脳内反省大会を止めた。
「そうだよう〜、いったよう?」
私は座席に座っていて、カップルらしい男女が斜め前に立っている。
彼女の方が私に近い方に立っている。ジーンズとスニーカーを履いており、なかなか肉感的ないい太ももである。
彼氏の方はラフなパンツにサンダル。痩せ型、おそらく背は高い。
彼氏が何か言う。彼氏の言葉はさっきからほとんど聞こえない。
彼女が答える「え〜?そうだよう?」
「ゆるふわ」という表現がピッタリの言い回し。
「猫なで声」よりも、もう少しふんわりさせた感じの、しかし限りなく甘い、わたあめのような声。
顔が見たい!
ーーーーーーーーー
私は、もしも男だったらば「ある日部下にセクハラで訴えられて、自分では全然身に覚えがなくて呆然とする」というオヤジになっていただろうという確信がある。
だから時々政治家とかが変なことを口走って糾弾されていたりするのをニュースで聞くと「けしからん」よりもまず「はあ、よかった〜自分がやったんじゃなくて」と思う。偏見も古い価値観も、ダメだダメだと思ってもそうそう簡単には無くならない。無くならないし、それがポロリと出るのも止められない。
つまり、何が言いたいかと言うと、私にはゴリゴリの偏見があるのだ。
「かわいい行動をする女はかわいくなくてはいけない」
と思っているのだ。
ただ、それが「正しい」とは思っていない(これが話をややこやしくしている)。
いいじゃないか、かわいくない女の子がかわいい行動をしたって。
大好きな彼氏にかわいい声で喋りかけるのが何が悪いと言うのだ?
いいじゃないか!
それにしても、彼女の顔が見たい。
ーーーーーーーーーーー
はじめに「ん?」と思った瞬間にチラリと見てしまえばよかったのだ。
ただ、一瞬、それを躊躇した。
上記のようなことを一気に考えたからである。
さらに書くと「この女の子は絶対にめちゃめちゃかわいい子ではない」という確信を持ってしまったせいである。
これもまた偏見であるが、そんなこんなで見る機会を逸してしまった。
こうなると自然に目を向けるのはもはや不可能である。
金曜日に一緒だったリサちゃんのことを思い出す。
あの「ゆるふわ美人」という表現がピッタリの顔をお持ちの彼女の繰り出す、ゆるふわとは真逆の、やたらとドスの効いたスペイン語。
いやいやどんな女の子だってリサちゃんを引き合いに出してはかわいそうである。
それにしても。
それにしても!!!
ああ!!顔が見たい!
そして見る機会を逸してしまった!!!
ーーーーーーーーーーーー
隣に座っていた人が降りた。
そして、その彼女が隣に座った。「すわっちゃおっかな(ルンルン)」と言って。
いまだ!!いまだ!!!さりげなく顔を向けるチャーンス!!!
と自分にカツを入れるが、私の顔は前を向いたままである。
何かが邪魔をしている。
「いいじゃないか、美人じゃなくったっていいじゃないか。顔なんか関係ないんだよ」という正義が私の偏見と野次馬根性をたしなめているのだ。
グアー!なんだこの、クソ正義め!!!
ーーーーーーーーーーーー
「タカくん、そろえてきてって言ったのに〜」
「何が?」
「私、写真送ったのに〜、お揃いにしてきてね言ったのに、そろってないジャン(オコ)」
「え?服のこと?」
ドエー!!!
ギョワー!!!
もう爆発しそうである。
顔が見たい!
このようなことを公共の場で言えてしまう女の子の顔を見たい!
だが、見てどうするというのだ?「やっぱりかわいくない」などと言って彼女をジャッジするつもりか?そんな資格が私のどこにあるというのだ?
これはなんなんだ?もしかして私は彼女のことが羨ましいのか?ゆるふわ言動を取れなかった若い頃の自分が彼女を羨んでいるのか?!ひょっとしてひょっとして現在の私が意識の奥底では「やだあ、コビト〜、お揃いにしてきてって言ったのに〜」と言いたかったりするのか?
グアー!!死ぬ!!!
もうだめだ!!
ーーーーーーーーーーー
と、そこで、ふと前の席のおばちゃんが目に入った。
前の席のおばちゃんは、私よりも更にお年を召している様子。おばちゃんとおばあちゃんの中間地点くらいである。
そのおばちゃんは、私の隣人、つまり私が気になっている彼女を、凝視していた。
もう「見てる」なんてもんじゃない。
ジロジロ舐め回しているというくらいに見ていた。
「ガンを飛ばしている」と言ってもいいくらいであった。
私はちょっとだけひるみ、そしてちょっとだけ面白くなった。
ねえ?やっぱり気になりますよねえ??
あなたには彼女はどんな風に見えているんでしょうか?
そして他にも「同志」を探してキョロキョロしてみたが、他には彼女に注目している人はいなかった。
都会は、こういうところがいいなあと思う。
ーーーーーーーーーーーー
結局私は「席をたつ時にさりげなく後ろを振り返り、顔を確認」というラストチャンスすらモノにできず、電車を降りた。
「電車の外から窓越しに顔を確認」もしなかった。
あれから4日たって、やっぱり勇気を出して見ておけばよかったなあとか考えている。
脳内では反省大会とこれからの対策をグルグルグルグルしていたから、
正確に、彼らがいつ・どのタイミングで私の斜め前に立ったのかは覚えていない。
「だってえ、タカくんはあ、そういったでショ?」
その女性の声で私は反射的に脳内反省大会を止めた。
「そうだよう〜、いったよう?」
私は座席に座っていて、カップルらしい男女が斜め前に立っている。
彼女の方が私に近い方に立っている。ジーンズとスニーカーを履いており、なかなか肉感的ないい太ももである。
彼氏の方はラフなパンツにサンダル。痩せ型、おそらく背は高い。
彼氏が何か言う。彼氏の言葉はさっきからほとんど聞こえない。
彼女が答える「え〜?そうだよう?」
「ゆるふわ」という表現がピッタリの言い回し。
「猫なで声」よりも、もう少しふんわりさせた感じの、しかし限りなく甘い、わたあめのような声。
顔が見たい!
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私は、もしも男だったらば「ある日部下にセクハラで訴えられて、自分では全然身に覚えがなくて呆然とする」というオヤジになっていただろうという確信がある。
だから時々政治家とかが変なことを口走って糾弾されていたりするのをニュースで聞くと「けしからん」よりもまず「はあ、よかった〜自分がやったんじゃなくて」と思う。偏見も古い価値観も、ダメだダメだと思ってもそうそう簡単には無くならない。無くならないし、それがポロリと出るのも止められない。
つまり、何が言いたいかと言うと、私にはゴリゴリの偏見があるのだ。
「かわいい行動をする女はかわいくなくてはいけない」
と思っているのだ。
ただ、それが「正しい」とは思っていない(これが話をややこやしくしている)。
いいじゃないか、かわいくない女の子がかわいい行動をしたって。
大好きな彼氏にかわいい声で喋りかけるのが何が悪いと言うのだ?
いいじゃないか!
それにしても、彼女の顔が見たい。
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はじめに「ん?」と思った瞬間にチラリと見てしまえばよかったのだ。
ただ、一瞬、それを躊躇した。
上記のようなことを一気に考えたからである。
さらに書くと「この女の子は絶対にめちゃめちゃかわいい子ではない」という確信を持ってしまったせいである。
これもまた偏見であるが、そんなこんなで見る機会を逸してしまった。
こうなると自然に目を向けるのはもはや不可能である。
金曜日に一緒だったリサちゃんのことを思い出す。
あの「ゆるふわ美人」という表現がピッタリの顔をお持ちの彼女の繰り出す、ゆるふわとは真逆の、やたらとドスの効いたスペイン語。
いやいやどんな女の子だってリサちゃんを引き合いに出してはかわいそうである。
それにしても。
それにしても!!!
ああ!!顔が見たい!
そして見る機会を逸してしまった!!!
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隣に座っていた人が降りた。
そして、その彼女が隣に座った。「すわっちゃおっかな(ルンルン)」と言って。
いまだ!!いまだ!!!さりげなく顔を向けるチャーンス!!!
と自分にカツを入れるが、私の顔は前を向いたままである。
何かが邪魔をしている。
「いいじゃないか、美人じゃなくったっていいじゃないか。顔なんか関係ないんだよ」という正義が私の偏見と野次馬根性をたしなめているのだ。
グアー!なんだこの、クソ正義め!!!
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「タカくん、そろえてきてって言ったのに〜」
「何が?」
「私、写真送ったのに〜、お揃いにしてきてね言ったのに、そろってないジャン(オコ)」
「え?服のこと?」
ドエー!!!
ギョワー!!!
もう爆発しそうである。
顔が見たい!
このようなことを公共の場で言えてしまう女の子の顔を見たい!
だが、見てどうするというのだ?「やっぱりかわいくない」などと言って彼女をジャッジするつもりか?そんな資格が私のどこにあるというのだ?
これはなんなんだ?もしかして私は彼女のことが羨ましいのか?ゆるふわ言動を取れなかった若い頃の自分が彼女を羨んでいるのか?!ひょっとしてひょっとして現在の私が意識の奥底では「やだあ、コビト〜、お揃いにしてきてって言ったのに〜」と言いたかったりするのか?
グアー!!死ぬ!!!
もうだめだ!!
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と、そこで、ふと前の席のおばちゃんが目に入った。
前の席のおばちゃんは、私よりも更にお年を召している様子。おばちゃんとおばあちゃんの中間地点くらいである。
そのおばちゃんは、私の隣人、つまり私が気になっている彼女を、凝視していた。
もう「見てる」なんてもんじゃない。
ジロジロ舐め回しているというくらいに見ていた。
「ガンを飛ばしている」と言ってもいいくらいであった。
私はちょっとだけひるみ、そしてちょっとだけ面白くなった。
ねえ?やっぱり気になりますよねえ??
あなたには彼女はどんな風に見えているんでしょうか?
そして他にも「同志」を探してキョロキョロしてみたが、他には彼女に注目している人はいなかった。
都会は、こういうところがいいなあと思う。
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結局私は「席をたつ時にさりげなく後ろを振り返り、顔を確認」というラストチャンスすらモノにできず、電車を降りた。
「電車の外から窓越しに顔を確認」もしなかった。
あれから4日たって、やっぱり勇気を出して見ておけばよかったなあとか考えている。
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