gooブログはじめました!本棚の本 片っ端からもう一度読むのだ

買ってきては読まずの積読者が一念発起!!!
読書感想文的日記を書くことにしよう。

小室直樹を読む  奇蹟の今上天皇 を読む

2010-04-09 23:12:34 | 日記
第一章 なぜ、奇蹟なのか

小室いわく日本は大東亜戦争に圧勝した、そうだ・・・・そのわけは・・・


日本はアメリカとの戦闘において、最終戦闘に負けてしまった。
だから、日本はあの戦争において敗けた。そう思っている。

戦闘=戦争だと思っているからこんな結論になる。

クラウゼヴィッツは言う「戦争は政治の延長である」

戦争は政治の延長だとすると、戦争の勝敗は戦闘の勝敗ではなく、戦争目的を達したかどうかだ。

第一次大戦以前の「戦争目的」とは講和条件であった。
大東亜戦争において、宣戦の大詔には講和条件に対して一言もない。
日本政府も講和条件について何も言っていない。

宣戦の大詔や日本政府の言明、諸般の事情を斟酌して勘案すると、日本の戦争目的の第一は
「自衛」 である。

アメリカの経済封鎖で日本は身動きが出来なくなった。特に痛かったのが、アメリカの対日石油禁輸。

1940年フランスがドイツに降伏したのをチャンスとばかりに、援蒋ルートを絶つためフランス領インドシナに進駐した。

アメリカは怒り、在米資産凍結・石油禁輸をした。イギリス、オランダも同調したのでこのままいったら、日本経済と軍事力は干上がる。

いまどき、こんな事を言ったら必ず怒られる。日本がさんざん中国を侵略し仏印で火事場泥棒みたいなことまでした結果の、身から出た錆ではないか。

だが当時の日本人はそうは思わなかった。

ABCD(アメリカ、イギリス、中国、オランダ)包囲陣を断固として突破しろ、とマスコミは大騒ぎで、これに反対する声など聞かなかった。

衆議院も、かつての自由民権闘士島田俊雄をおしたて、政府のやりかたは生温い、敢然たって国難突破。大東亜共栄圏を建設すべし、と決議した。

大東亜戦争の直接原因は、アメリカの対日経済圧迫にある。
そのアメリカの対日圧迫は、日本の中国侵略であるが、中国侵略の原因も経済的なものであった。

日本で軍部が政権を掌握するきっかけとなった一連のテロリズム、血盟団事件、五・一五事件、二・二六事件など、総て経済的原因に発する。

このように、戦争の原因は経済であった。

第一の戦争目的 経済問題の解決
第二の戦争目的 アジア諸国の解放
である。

アジア諸国の解放について宣戦の大詔には述べられていない。
しかし、日本政府と諸機関はしばしばアジア解放を宣言し、宣伝した。

特に、昭和十八年大東亜会議を開催。ここにおいて、欧米諸国に征服されたアジア諸民族を解放独立させると宣言した。
これが大東亜宣言である。

この二つが戦争目的としたら、結果はどうか。

第一の経済解決目的はどうか。解決どころではない、夢ならさめるなとほっぺたをつねりたくなる。

戦前日本人は、アメリカと日本を経済的にいえば、比較にもならない小国日本であることは知っていた。

そんな小日本帝国が、世界の支配者英米に挑戦して勝てるか。常識では勝てないが、そこが神国日本。
神風が吹き、日本は勝つ。

当時の日本人はそのように考えていた。
ところがどういうわけか、神風はまったく吹かなかった。凪いだままだった。

日本は戦闘に負け、有史以来初めて外国の軍隊に占領された。
日本は焦土と化し、国民は餓死寸前であった。


戦争中吹かなかった、神風は戦後吹いた。

戦後まもなく、米ソ関係は冷却し「鉄のカーテン」が降ろされ、1948年ベルリン封鎖。
東西対決は決定的となった。

とそこへ、1950年6月25日朝鮮戦争勃発。
アメリカは軍需物資を日本から買い付け、戦争特需発生。

アメリカは戦争直後日本を四等国にする予定であったが朝鮮戦争のおかげで、同盟国として極東第一の待遇を与え、育成することにした。

抹殺されかけた日本は甦った。
高度経済成長が発進した。

さらにベトナム戦争を契機に、日本は経済大国から超大国路線にのった。

かくて日本は、未曾有の大敗北にもかかわらず、第一の戦争目的を達した。

・・・・・

という小室論理です。強引な言いくるめもありますが、妙に納得。
次に小室は、日本の国防も完璧になったと語ります。


戦前日本は三大脅威を持っていた。米・英・ソである・・・・・・・・