ルーム・ストラト~音楽と私~

タイトル通り、筆者が好きな音楽の事を中心に自分勝手に書きます。

フォープレイの二大ギタリスト

2010-04-15 09:57:23 | 日記
お久しぶりですm(__)m


以前、私が紹介した、fourplayというバンドなんですが、このバンドはギターが二回入れ替わっています。

結成当時のメンバーだったリー・リトナー、リトナーに代わって入ったラリー・カールトン、そして今年に二回目のチェンジとなるチャック・ローブが加入しました。


今回は特にリトナー、カールトンの比較をしたいと思います。


まず、リトナー期。
1st~3rdまでが、彼の参加アルバムです。

1stはセールス的にも内容的にも最高で、フォープレイのデビューにふさわしいアルバムとなりました。
続く2ndもグラミー賞を受賞するなど、素晴らしい内容でした。
3rdも完成し、順風満帆かと思われましたが、リー・リトナーが自己のレーベルが多忙を極めているためフォープレイから脱退してしまいます。


そこで加入したのがラリー・カールトン。
70年代から、カールトンとリトナーはフュージョンギタリストの両雄と言われていたので、この交代劇はなかなか話題になりました。

新生フォープレイはカールトンを擁し、4作目を発表します。

ところが、リトナー時代に作り上げた、美しくキャッチーなメロディと緻密なアンサンブル、アレンジがカールトンの持つ即興性、ブルースフィーリングに合わないのではないかとファンの間でも議論になりました。


結局セールス的には以前のような勢いは無くなってしまいました。


だが、カールトン期のフォープレイがダメだったかと言いますと、むしろ逆ではないかと思います。


リトナー期は上記の通り、緻密なアンサンブルを作り上げる事に、その本質があります。


対して、カールトン期はあくまでインタープレイ、即興というものを大事にしていて、非常にエキサイティングなライブをします。


即興は、一つ間違えれば曲そのものをぶち壊してしまうほど、難しいものです。特にフォープレイのような完成された曲で即興性を持たせるということは、ある意味矛盾を孕んだ行為でもあります。

ここまでくると楽器、音楽を知り尽くした人間にしかできないレベルの芸当になってきます。


リトナー期は確かに美しく、幻想的なライブを行っていました。

しかし、カールトン期のライブは荒々しくエキサイティングな即興が随所にちりばめられていて、まさにライブ!という感じです。

これはジャズという音楽の本質に迫るものではないでしょうか。


もちろんリトナー期の曲は素晴らしいです。
ライブでも、カールトン期よりリトナー期の曲の方がたくさん演奏されるくらいですから。
曲はリトナー期の方がキャッチーで美しいです。


だが、カールトン期のフォープレイの音楽はそんなにシンプルにその本質に迫れるものではないと思います。
何回も聴かないと良さがわからない曲もあります。

カールトン期の曲はメロディとか、表面に出てくる部分では評価できないと思います。
もっとバンド全体のグルーヴとかメンバー個々人の技巧に注目すべきです。


こうなってしまうと、いわゆる“玄人向け”の音楽になってしまいます。
一般には受けが悪いでしょう。

でも、リトナー期より明らかにセールスが落ちた現在でもやはりライブに足を運ぶ人は多いのです。

これは依然としてフォープレイの評価が高いことを表していると思います。

私も実際にカールトン期のフォープレイのライブに行きましたが、やはり素晴らしい事この上無かったです。

特にリトナー期の曲をカールトンのアレンジでやっていのが一番感動しましたね。
リズムに大胆なアレンジを加えたり和声を変えたり構成を変えたりと、聴きどころは満載でした。


結局フォープレイの評価としては『曲はリトナー、ライブはカールトン』で落ち着いてるみたいですが、リトナー期のライブも素晴らしいし、カールトンの曲も素晴らしいものばかりです。

どちらがいいとうか、どちらも素晴らしいということですね。


新しく加入するチャック・ローブには、期待と不安がありますが、ギタリストが代わっても、あとの3人が強力なフォープレイイズムを打ち出してくれるでしょう。

カールトンのフォープレイが見れなくなるのは残念ですが、それはそれとして今はチャック・ローブに期待です。


ではまた。