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猪木氏が語る北朝鮮

2009-10-24 15:16:35 | 社会
北朝鮮の建国61周年記念行事出席のため、7日から12日まで訪朝していたアントニオ猪木。
今回のインタビューでは、現地を視察した猪木に、いまの北朝鮮を語ってもらう『北朝鮮紀行』がテーマであったが…取材が始まるや、猪木の口からとんでもない話が飛び出した。
時はいま民主党が天下を獲った、この時期に!
--1年ぶりに訪朝してみて、平壌の町並みや市民の生活に変化は見受けられましたか?
そんなに変わったわけではないけど、一つ変わってきているのが、10万所帯計画が進んでいて、5、6階くらいの建物が多く完成していましたね。
みんな新築で奇麗なんですよ。部屋も広くて全部がベランダ付きでしたね。
--平壌にIGFの事務所を置くという話もあるそうですが。
IGFのオフィスじゃないです。
プロレスとは関係ない。
今回の訪朝は要するに日朝間に風穴を開けましょうと。
いまの日本の状況を見ていて、誰が悪いとか良いとか言ってもしょうがないけど、国際感覚がズレちゃっていますからね。
俺が本当のことを言っても、北朝鮮のたいこ持ちのように思われるかもしれないけど、平壌宣言は本当に大事なこと。
--確かに平壌宣言が放置されていますね。
世論があるのは分かるけど、一国の総理(当時・小泉純一郎氏)が約束(一時帰国者の帰国)を反古にしたわけだから。
それで次に向けて発展させていくという外交のチャンネルがプツッと切れてしまった。
要するに、外交を優先せずして拉致問題が最優先事項の国なんてどこにあるんですかと。
俺も早く解決してほしいと思うけど、反面、対話の場所がなくてどうやって解決するのって。
--日本はいま北朝鮮に対して経済制裁を加えていて、対話のチャンネルをあまり有してしないようですから、北朝鮮は民間レベルで猪木さんに窓口になってほしい部分もあるのかもしれないですね。
平和的なテーマもありますからね。
みんな拉致にしか目が行っていないけど、一国のリーダーであれば、国民全体の安全保障を考えないといけない。
ミサイル問題は大事な部分。
今回、北朝鮮側は「日本にミサイルは向けません。これはアメリカとの交渉の問題ですから。アフガン、イラクを見てください。そういう力を持たなければ我々は同じような形になります」とオフィシャルの人がしゃべっているのを撮っていますからね。
それも一理あるんですよ。
--となると、対話の窓口は?
それも含めて、対話のできる窓口を作らないとおかしいじゃない。
今回、衆院選で若手の議員さんがいっぱい当選した。
何人かと選挙前に話したことがあるんだけど、決して異論を唱えるんじゃなくて、俺が本当のことを言った時に「そうですよね」と言ってくれる。
--今回、北朝鮮とは突っ込んだ話をしてきたわけですか?
今回はかなり突っ込んで話しましたよ。
確かに力道山の弟子であるということもあるけど、19回も北朝鮮に行くというのは正直大変。
でも、それだけ行っても「何も動かないじゃないか」「じゃあ俺に何を期待しているんだ」ということは今回、ハッキリと言った。
--あちらの返事はどうだったんですか?
じゃあ「動かそうとする方法をお互いに知恵を絞って考えよう」というのが今回のテーマだったからね。
それでまず事務所を開設しましょうという話になった。
向こうは「上にあげないといけないので」と言っていたけど、帰る時に「その方向で進めます」となったんだよ。
--そのほかで日本に関係のある話は?
拉致問題に関しては、向こうに一つの提案として「横田夫妻を招待してあげたほうがいい」と話したら「いつでもお迎えします。孫に会っていただけるようにします」と言っていた。
--えっ、それは大変な話ですが?
20年前だからみんな忘れていると思いますけど、イラク戦争の時に飛行機をチャーターして現地に飛んだ経験がある。
これはちょっとケースが違うにしても、拉致被害者の長い悲しみを一日でも早くすっきりした形にするのに協力できるのであれば、チャーター便を用意したい。
政府に俺が交渉するよ。
そしたらまたそこに風穴が開くはず。
政府とかを批判したってしょうがないし、後ろ向きでなく、前向きに、硬直した状態を一歩でも二歩でも進めるような時代に入っていると思う。
間違いなく扉は開きますよ。
--日本側がどんな反応をみせるかですね。それとは別に北朝鮮の後継者問題については、三男の金正雲(キム・ジョンウン)氏が有力視されていますが、現地の情勢はいかがでしたか?
そのことも聞きましたよ。
ただ、オフィシャルの人はイエスもノーも言わない。
でもぼやかしながらも「目と目を見てご理解ください」というスタンスだったね。
--三男のおじいちゃんがプロレスラーだったという噂もありますが。
それも聞いてみましたよ。でもイエス、ノーは言いませんでしたね。
◎「救う会」の反応は…
本紙は横田滋さん、早紀江さん夫妻に猪木氏提案について話を聞く必要があると判断し、「北朝鮮に拉致された日本人を救出するための全国協議会(略称・救う会)」に連絡したところ、同会事務局の担当者は「事実かどうか分からないことでは横田さん夫妻もコメントしようがないだろう。そんな報道はされていないし、何か書簡でもあるんでしょうか」と“民間人外交”への不快感をあらわにした。
本紙が猪木氏本人に直接話を聞いていると告げても対応は変わらなかった。
「ご承知のようにこの世界は謀略ですから。元参議院議員で良識も見識もある猪木さんが、本当にそんなことをおっしゃっているのか。分かっていらっしゃると思いますが北朝鮮はああいう国なんですよ」(同担当者)。


拉致問題に関して猪木氏はかなり突っ込んだ話をしたそうですが、これはこれで評価できる点と評価できない点がありますね。
まず評価できる点は、何をおいても対話の糸口となっている点。
政府がいう「対話と圧力」とはあくまでも交渉において拉致問題を進める意思の現れであり、外交の最終手段ともいえる武力による解決を目指しているわけではないのだからこうした形でも対話の糸口が広がるのはいい事だと思います。
評価できない点というのはあまりにも北朝鮮よりの視線である点。
猪木氏が言っている事はおおむね正しいのですが、その話はあくまでも北朝鮮を信頼するという前提でのお話。
今まで北朝鮮がどれほどのオフィシャル的な約束を踏みにじってきたか。
拉致はなかったはずではないのか?
核はなぜ実験段階までいけたのか?
死んだとされる拉致被害者のDNA鑑定はどうであったか?
他にも色々あるのですが、こういった状況を踏まえて一時帰国した拉致被害者をもう一度北朝鮮に行かせる事ができるかどうかは考えるまでもない事。
オフィシャルですらそなのにアンオフィシャルにおける北朝鮮の発言にどれだけ意味があるのか疑問を持たざるをえません。
いや、むしろオフィシャルで信用できないからこそアンオフィシャルに意味があるのかもしれませんが・・・。
なんにしても拉致問題を含む北朝鮮との問題が早く解決してほしいものです。