新釈いろは歌留多「さ」5
『猿も木から落ちる』
「猿も木から落ちる」・・・見たんかい!
「河童の川流れ」・・・見たんかい!
「弘法も筆の誤り」・・・わかるんかい!
まあそう突っかかるものではない。
想像すると、どことなく可笑しいだろう?
猿が木の枝を掴み損ねて尻餅を搗く、
河童が川の流れを読み間違えてアップアップする、
かの弘法大師が筆順を間違えて坊主頭を掻く、
その道の名人達人でさえ間違いはあるという喩えじゃ。
だから我々が時に間違いや失敗を仕出かすことに、
いちいち目くじらを立てる訳ではないが、・・・がね、
あんたらかりそめにも専門家・プロといわれる者たちがさ、
なんでまあそう何遍も何遍も、ペコペコと頭を下げるかな。
土下座して謝っても、どうも愛嬌がないのね。
頭の上の嵐が過ぎていく間だけの辛抱って、
頭を下げながら舌を出してるように見えるわけですよ。
「あってはならないことと、深く反省しております。
今後このようなことのないよう、真摯に検討してまいります。
多大なご迷惑をお掛けいたしましたこと、
心よりお詫び申し上げます。」
おエライさんが連れションよろしく雁首揃え、薄い頭を見せて謝ってもね・・・
”お騒がせした世間の皆様”の中にわたしは入ってないしさ・・・
謝った人が、今の地位から滑り落ちたって話も滅多にないどころか、
会社では”責任の所在をハッキリさせる”とかいって、
部下を叱り飛ばしているんだろうね。
エライ人はいいよね。