お金がなくて行く所がないんで、私のところに遊びに来た女性のボヤキ。
「この秋、結婚式3ッですよ!!超ビンボー!!
「ああ、結婚疲労炎だね。
「何ですかソレ?
「一般的ではないけど、一部識者の間で話題になってる病気でね・・・
説明しましょうか?
大きく3つのタイプがある。
まづA型疲労炎。これは結婚生活の中で発病するタイプ。
B型疲労炎。あなたのように、結婚式に出た人に多い急性型。
C型疲労炎。結婚式をコーディネートする人が罹るタイプ。
A型はさらにα型とβ型に分かれる。
α型というのは、結婚に甘い幻想を抱いている若い女性に多く、
発病に至る潜伏期間が短く、進行も早いため手遅れになりやすい。
β型は逆に、じわじわと進行していく慢性型で、
貯めに貯めたものが一気に噴出すので、手の施しようがない。
「どっちにしても手遅れで手の施しようがないんですか?
何か特効薬はないんですか?
「ビタミンIとビタミンHが有効だということはわかっているんだけどね、
精製抽出が困難を極める上に、個々の微妙な症例に合わせて
IとHの調合の匙加減がムズカシイのです。
最大の問題は、ビタミンIとHを、素人判断で
他所(ヨソ)から手に入れようとして、
かえって取り返しのつかなくなる場合が多々あるってことです。
わかるでしょ?
「そんな、私の顔まじまじみて言わないでください。
「次のB型、あなたのようなケースね。
特に、余り気乗りしない友人の結婚式なんだけど
”もしかすると思い掛けない出会いがあるかもしれない”
なんでスケベ心で出掛けたのが大ハズレで
”あんたのダンナの友達って、この程度のしかいないの!!”って、
八つ当たりしたいのを隠して”シアワセにねっ!!”なんて
引き攣るほどの笑顔で言ったあとの疲労感。
「ホントまったく、金返せっ!!ですよ。
こういう結婚疲労炎に効く薬はないんですか?
「ビタミンIとHが処方できない場合ですね。
一番陥りやすいのが、アルコールと炭水化物の摂りすぎです。
これはかえって病を悪化させますからね。
「打つ手はないんですか?
「ないね。
そのふたりが別れた、って聞いたとたん全快する症例は報告されてます。
「第3のC型というのは、まあ特殊な職業病ともいえますが・・・
どんなカップルといえどもお客様ですから、
常識はずれの相談やら訳のワカラン”アイデア”やらに
精一杯の笑顔と誠意を見せつつ、
上手に儲かる方向へ誘導することに疲れてくると、
独身の場合”結婚する気がしなくなってくる”
既婚の場合”結婚すなわちシアワセと言う後ろめたさから、
自己欺瞞に苦しむようになる。
「仕事を止めるしかないんですか?
「その解消法として、社内不倫が多いという報告も聞きますが・・・
「そういえば、最近の合コンで×いちの女性がモテモテなんですよ!
「どうして?・・結婚疲労炎の免疫ができているからってことかな?
「男にとって気が楽なんですって・・・
ってことは、私も一度は結婚して、免疫作っておくほうがいいかも・・・
「免疫を作るためだったら、誰でもいいじゃん・・
「そ、それもねえ・・・・