江花和郎@ブログ

2005~2011年連合新潟会長を務める間書いたブログをその後も時々更新しています。

『汽水域』第3号

2011年04月28日 | 文化・芸術
新潟県高等学校教職員組合の文芸誌『汽水域』の第3号が今日手元に届けられました。
年1回発刊で、市販もされています(500円)。
執筆者は、ほぼ県内の高校教職員。
小説・詩・短歌・俳句・エッセイなどと、研究論文や書・イラストなども掲載されています。
私は昨年の第2号に特別寄稿の小論文を掲載してもらいました。

そのせいかどうかは分かりませんが、今年初め某編集長から「巻頭エッセイを書かないか」と依頼なのか冷やかしなのかがありまして、もちろん「私ごときが」と一度はお断りしますが、大胆というか怖いもの知らずというか、はたまた恥知らずと言うべきか、結局「巻頭に堪えないものなら遠慮なくボツにする」ことを条件に600字の原稿を引き受けてしまったのです。
でも、頼んで書かせたものをボツにもできないですよね。
「編集委員に見せたら、これでいいということです」と何と優しい言葉とともに、私の巻頭エッセイが陽の目を見る羽目になりました。

第1号から連載の松井恵子氏作『山月記』外伝は、私の大好きな作品で、あちこちに「種」が仕掛けられ、後で明かして、読者を飽きさせません。
「口も?」(第3号P.39)の一言で二人の相手への理解の仕方や感情を表現してしまう見事さに今回も感動してしまいました。
こんなすごい作品が載っている文芸誌の巻頭ですぜ。

手にとって自分の文章を読んでみると、やはり情けない。
他の作品と較べて完全な格落ちです。
いや、元々主張がない中身なので、描写で勝負するしかないのに、素人が何と浅はかなことを。
と落ち込んでいたら、名手・吉田勉氏の編集後記が救いの手を差し伸べてくれました。

日本文化の平板化を嘆いた後に「文化の一翼を担うことを標榜している本誌は、少なくとも類書がないという意味で平板化とは対極を成している」と述べています。
下手なエッセイも使ってしまう寛容さと多様性の保障を体現する役は演じたのかと、自分勝手な解釈で何とか切り抜けることにします。

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