江花和郎@ブログ

2005~2011年連合新潟会長を務める間書いたブログをその後も時々更新しています。

産経抄

2011年03月09日 | マスコミ・報道
3月9日産経新聞の1面コラム「産経抄」は結局のところ沖縄県民を愚弄していると思うのですが、皆さんはどう思われますか。
産経新聞の宣伝を兼ねて、全文を転載します。

「拝啓 沖縄のみなさまへ。東京は弥生に入っても雪が降りましたが、やんばるのつつじは、もう見ごろでしょうねえ。寒がりの抄子にとってうらやましい限りです ▼さて、メアという米国務省の偉い人がひどいことを言ったようですね。「沖縄の人々は怠惰でゴーヤーも育てられない」と間違った情報を学生に教え、「沖縄の人々は日本政府に対するごまかし、ゆすりの名人だ」と罵(ののし)ったとか ▼「ウチナー時間」といわれるほど時間に大らかでも、離婚率が日本一でも怠惰といわれる筋合いはありません。第一、和名でツルレイシというゴーヤーは、宮崎などでも盛んに栽培されていますが、沖縄が出荷量日本一なのは変わりません ▼「ごまかし、ゆすりの名人」に至っては、何を指しているのかわかりません。まさか、政府が北部振興策や基地対策と称し、湯水のごとく札束をばらまいていることではないはずです。メアという人は何にも知らない素人ですね ▼と思っていたら、20年近くも日本に住み、沖縄で総領事を3年務め、かりゆしまで着ていたとか。沖縄でよほどいやな経験をしたか正直者かのどちらかでしょう。でも、もっと重要なのは「改憲されていたら、米国の国益を増進するため日本の土地を使うことができなくなっていた」という発言です ▼彼の理屈では、日本には戦力と交戦権を否定した憲法9条があるので、自衛隊だけで国を守れず、米軍に頼らざるを得ない、というわけです。悔しいけれど当たっています。地元紙には書いてありませんが、米軍基地をなくす早道は憲法改正しかありません。さあ、沖縄から憲法を変えましょう。デモもできない隣の国が変な気を起こさぬ前に。敬具」

米国務省ケビン・メア日本部長が「正直者」かもしれないというのは、どういう意味でしょう。
「正直者」が認識している沖縄観を産経新聞は正しいと考えるのかどうか、産経抄子は巧みに逃げています。

改憲と米軍駐留問題では「彼の理屈」は「当たっている」と書いていますから、産経新聞はこの点でメア氏と考えが一致します。
産経抄子の勇み足は「米軍基地をなくす」方向を支持している点です。
米軍基地をなくすために憲法改正を沖縄県民に呼び掛けた以上、もしそうなった時には産経新聞は米軍が沖縄から出ていくことを主張するわけでしょうね。
もっとも、日米同盟を捨てて日本単独で軍事大国を目指すのが産経新聞の立場なのかもしれません。

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