江花和郎@ブログ

2005~2011年連合新潟会長を務める間書いたブログをその後も時々更新しています。

フッ素洗口は中止を

2011年02月18日 | 主張
日弁連(日本弁護士連合会)は今月「集団フッ素洗口・塗布の中止を求める意見書」を政府に提出しました。
新潟県は全国でも稀なフッ素推進県で、「フッ素洗口」といえば何のことか分かると思いますが、全国的には保育所・幼稚園・小中学校での実施人数は6%程度でしかありません。
フッ素洗口・塗布のむし歯予防における有効性は実は議論のあるところです。
安全性については、急性中毒やアレルギー症状など副作用の危険性も指摘され、激論が交わされてきました。
しかし一部推進派が政治力も使って一部地域(新潟県も)で推進してきたものです。
県内の歯科医では治療のあとに本人の同意も得ずに当然のようにフッ素を使用する例も見られます。
私のつれあいはそれで一度気分が悪くなったことがあります。
使用しないように医師には話してあったのですが初めての衛生士が知らずに使用したもので、つれあいがすぐに気づき医師が飛んできたということがありました。
もちろん自分の子どもたちにはフッ素洗口も塗布もさせませんでした。

私は最初からこの問題は安全性や有効性の問題ではないと思っていました。
これは人権問題です。
幼児や小学生に学校などで集団で実施するフッ素洗口は、拒否したことによる不利益取扱や差別の事例も報告され、事実上の強制になっているのが実態です。
学会でも社会でも意見が分かれる薬物使用を事実上強制するなどということがあってよいでしょうか。
ごく少数の歯科医と市民団体、教職員組合などが反対してきましたが、その声はなかなか広がりませんでした。
今回の日弁連の意見書は大変素晴らしい取り組みだと思います。
これを機に政府も関係自治体も見直しをはかるべきでしょう。
新潟県にもそれを求めたいと思います。

<日弁連意見書の趣旨>
むし歯予防のために、保育所、幼稚園、小学校、中学校、特別支援学校等で実施されるフッ素洗口・塗布には、安全性、有効性、必要性・相当性、使用薬剤・安全管理、追跡調査、環境汚染に関して、さまざまな問題点が認められる。

このような問題点を踏まえると、集団フッ素洗口・塗布の必要性・合理性には重大な疑問があるにもかかわらず、行政等の組織的な推進施策の下、学校等で集団的に実施されている。これによって、個々人の自由な意思決定が阻害され、安全性・有効性、必要性等に関する否定的見解も情報提供されず、プライバシーも保護されないなど、自己決定権、知る権利及びプライバシー権が侵害されており、日本における集団によるフッ素洗口・塗布に関する施策遂行には違法の疑いがある。

よって、当連合会は、医薬品・化学物質に関する予防原則及び基本的人権の尊重の観点を踏まえ、厚生労働省、文部科学省、各地方自治体及び各学校等の長に対し、学校等で集団的に実施されているフッ素洗口・塗布を中止するよう求める。

詳しくは日弁連のHPをご覧ください。
http://www.nichibenren.or.jp/ja/opinion/report/110121.html

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1 コメント

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疑わしきから・・・ (すずきせいこ)
2011-02-20 21:49:20
江花会長のフッ素問題への丁寧な書き込みを嬉しく受けとめました。
思えば会長との出会いは、20数年前の新潟県の異常なフッ素推進が始まった頃からですね。
今回の日弁連の意見書は、3年3ヶ月に及ぶ調査のもので「フッ素を考える新潟連絡会」でも去る16日に泉田県知事宛に中止を求める申し入れを行いました。
もはやフッ素は“疑わしきもの”ではない危険な化学物質ですが、日弁連がその安全性や有効性、さらには環境汚染であることも指摘した素晴らしい意見書でしたね。
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