江花和郎@ブログ

2005~2011年連合新潟会長を務める間書いたブログをその後も時々更新しています。

安全のコスト

2007年07月08日 | 食料・農業
ミートホープの偽装ミンチ事件は氷山の一角なのでしょうね。

今度は、マルハの子会社がネギトロ用のマグロに賞味期限切れの原料を混ぜていたことが報じられました。
食品の製造情報表示が信用できなくなります。

なぜこんなことになるのか。
結局は競争です。

消費者は1円でも安いものを買おうとします。
とくに近年は貧困化が進み、庶民の間では品質よりは価格が選択の基準になっているように思えます。

ミートホープの社長が、小売店や消費者も悪いと言っていましたが、彼が言うと問題ですが、必ずしも間違いだともいえません。

価格を下げるために犠牲になるのが、働いている人と安全性です。
適正な労働条件を割り込んで、不払い残業や過労死、違法派遣やワーキングプアのような問題が生じていますし、食品の安全も脅かされることになるのです。

安全のコストを払わないで私たちはかつて「公害」という痛い目にあいました。

中国産の食品の有毒性が問題になっていますが、現地での日本企業の生産指導と輸入買い付けに問題がないのか、原因をきちんと究明する必要があります。

食糧を海外からの輸入に頼る日本、安全保障から見ても食糧自給率の向上にむけて抜本的に政策転換をはかる時期に来ているようです。

物にもサービスにも適正なコストに応じた価格があるはずです。
適正なコストを割り込んだときに、歪みが生じます。
適正なコストを割り込ませないような、公正な社会的ルールを合意によって作るのが政治の役割です。

自民党が推進してきた行き過ぎた競争至上主義を見直し、安全のコストをみんなが負担する仕組みを早急に作らなければなりません。

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