江花和郎@ブログ

2005~2011年連合新潟会長を務める間書いたブログをその後も時々更新しています。

SOSをキャッチする

2011年07月11日 | 労福協(労金・生協)
週末の湯浅誠さんの講演会・シンポジウムは、200人の方が参加して下さいました。
主催の「にいがた協同ネット」の関係者よりも一般市民の参加が多かった印象です。
講演はもちろんですが、シンポジウムも私には満足できる内容で、まずは成功したと思います。
以下、簡単に報告します。

東日本大震災の被災者をどう支えるかということから、湯浅さんは話を切り出しました。
印象に残ったことを書きとめると、
・避難所では高齢化が進行している
・困っていてもそれを他人に話さない人は多い
・気にしてあげることでその人の負担は軽くなる
・元々あった課題が凝縮されてあぶり出されてくる

被災地に限らず、SOSを出せずに孤立している人たちが増えていて、地域の人たちが気づきのアンテナを高く持っていること、地域に居場所があることが重要です。
SOSをキャッチできる仕組みが必要で、そこからいろんな人たちが支えながら就労までつなげていく、それがパーソナルサポートサービスです。

家族関係、社会的関係、経済的問題、精神保健をめぐる問題など、複合的な問題を抱える人は多く、それが問題を複雑・深刻化して悪循環に陥るケースは少なくありません。
抱えている問題を整理して対策の順番をつけてやるだけでも先が見えてきて本人は少し楽になります。
自分でもできることがある、そういう場所があることで前向きになれます。

自己責任を強調する人たちがいます。
甘やかすからだめなんだと。
前向きになれる人を増やすことのメリット、放置することのデメリットを社会的コストで表してやると説得力があるそうです。
ソーシャルリターンです。

私は開会の主催者挨拶で「これまでのセーフティネットでは通用しない状況が生じている。個別寄り添い型の新たなセーフティネットが必要」と説明しました。
しかし集会を終えて感じたのは、パーソナルサポートサービスは、まず地域で拾えていないSOSをキャッチする機能として重要だということです。
ですから今すでにある活動や組織を使ってでもアンテナを高くする、地域で問題を抱えている人たちを把握することにもっと力を入れていかなければならないと思いました。

労福協・地域ライフサポートセンターの活動は重要だと再認識しました。


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