江花和郎@ブログ

2005~2011年連合新潟会長を務める間書いたブログをその後も時々更新しています。

「いのちの食べかた」

2008年02月07日 | 食料・農業
映画のタイトルです。原題は“OUR DAILY BREAD”
今日、試写会に誘われて観てきました。

92分間、食べ物の「生産現場」の映像が淡々と流れていくドキュメンタリー映画(ドイツ・オーストリア)です。
ナレーションも音楽もいっさいありません。

野菜も肉も、そこでは工業製品です。
巨大なハウスの中で、農薬自動散布機が動き、培養床に栽培されるパプリカ、キュウリ、トマト、りんご。

飛行機で薬剤散布された広大なひまわり畑での大型機械による刈取り。
キャベツ、アスパラ、木の実まで、生産・収穫方法は農業でなく工業的です。

鶏は、ヒヨコがベルトコンベアーで流れてケースに落とし込まれていき、広大な鶏舎で育てられた後はまた機械が自動的にベルトコンベアーから箱に投げ込み、あっという間に処理されて吊るされ肉になっていきます。

豚も牛も種付けから食肉処理まで、初めて見る人にはキツイ映像が次々に登場します。
魚も養殖から解体まで装置を使った流れ作業。

機械も道具もシステムもここまで来ていることに改めて驚きました。

最大利益を求めて効率のよい大量生産システムを開発してきた企業の論理からすれば、そこに例外はありません。
「生命」までも同様のシステムで生産しているのです。
しかし映画を観ている者には、一様に「これでいいのか」という疑問が湧いてきます。

人間はどこまでごう慢になれるのでしょうか。
知らないでは済まされない状況です。
この映画、3月1日からシネ・ウィンドで上映されます。

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