あらすじ
[剣を旅]に置き換えて、天下無双を狙う現代の剣豪[プロフェッショナル デューク東城]
その背中にはいつでも[天下一旅行者(てんかいちツーリストもの)]の旗竿が翻っていた!!
そして今日この日、また一歩天下無双に近付くべくベネズエラはメリダに到着したデューク東城に...
何故か予期出来なかった[セマナサンタ]の壁が厚く立ち塞がる!!
はたしてこの壁を無事に乗り越え、また一歩天下無双への道程に迫ることが出来るのか??
どうする!ゴルコサーティーワン!!
第1章 序章
男としてこの世に生を受けたからには...
誰しもが一度は憧れる想いがある。
そう[天下無双]の男になることだ!!
かくいうこの[プロフェッショナル]・・・
2004年の12月に...ファーストミッションを始めてから...
ただひたすらに追い求めてきたのは[自分こそが天下無双のツーリスト]となることだけであったのだ!!
だからこそ「愛する者」も修行の邪魔になると別れを告げ・・・
いやっ!待て・・・愛する者はおろか・・・誰も愛してくれなかったので別れを告げる必要はなかったが・・・
頼む、誰でもいいから愛してくれぇ~・・・!!
・・・
・・・・・
あっ!話が横道にそれたので元に戻そう・・・
勿論その当時から旅行界に勇名を馳せている旅行者は腐るほどいたが...
やつらとこの俺の違いは・・・
「ただひたすらに斬りまくった国の数」
だけだ....
そして私はこう考えた...
「一つ一つの国を...斬り倒していったら...」
「最後には俺が天下無双である」
と...
今迄の私のこの一途なツーリストとしての姿は・・・
私の旅行の砥ぎ師「光悦殿」の言葉をかりるとこういう表現になるだろう・・・
「人は旅行に生きるといいながらも、本当に旅行の為だけに生きているものは稀である...、その旅行に賭ける想いが一途で在ればあるほど、そういった人は余計な贅肉がつく事を拒むし、その想いが純であれば在るほどその姿は美しい...」
「そしてその姿が美しくさえあれば・・・"人を殺めてしまっても良い"と思っているのもこれまた事実」
と・・・
第2章 戦いの場へ・・・
2008.03.17(月)
何かに導かれるかのようにしてカラカスから夜行バスでメリダに到着したのは0800時。
旅を続けることはや4年、
私の旅行は完成の域に近づき、最早"達人"といっていいレベルに到達しているのだ。
そう、俺の旅行の行先は・・・
いつでも体が知っている・・・
勿論体の命じるままに「首都狙撃手」たる私が一地方都市であるここメリダを訪れたのには理由がある。
ここでの標的は「テレフェリコ(ロープウエイ)」に乗る事なのだ。
なんでもこのテレフェリコは1577mの地点から出発して最終地点は4765m!
高低差3km以上、そして距離にして12.5kmをロープウエイを4回乗り継いで到達するという世界一の・・・言い換えれば『天下無双のテレフェリコ』なのだ!!
それもただ乗ってるだけで富士山以上の地点に簡単に到達できると言う「他力本願」を旨とするこのプロフェッショナルにはもってこいの物なのだ!!
この俺が天下無双を狙うなら....
ここは斬捨てておかねばならない標的だろう!!
世界最高落差を誇るエンジェルフォールこそ値段が高いのであっさりと断念したが...
ここは何としてでも落とさねばならないターゲットだ!!
ここでの私の考えはもう決まっている。まあ上手くいけば今日テレフェリコに乗って明日出発。駄目でも明日乗って明後日出発。今日は月曜日なので出発は遅くとも水曜日になり、こうすればサンデーゲリラ(普段働いている人が週末のみ強盗に変身して人を襲う事)も避けれるという実に合理的な考え方である。
そう、これがこれこそが・・・
「旅行の理(り)」
というやつなのだ!!
これを意識せずに行っている私は
「旅行の理に出会っているツーリスト」
と言って良いだろう!!
今回も今迄のミッションの他聞に漏れず・・・
この「理にのっとって」難なくこなしてしまうに違いない・・・
何故なら私のみが「現代の剣豪」なのだから・・・
しかし・・・
メリダに到着と同時に・・・
予期せぬ[不安]が私を襲ってきた・・・
直ぐに訪れたバスターミナルの中にあるツーリストインフォで・・・
彼女の口から恐るべき事実が告げられたのだ!!
「あら~、今はハイシーズンだからホテルも簡単には見つからないわよ!!それにテレフェリコも今週1杯はフルだから乗れないわよ!!」
『???』
(どういう事だ・・・??別に3月のなんてことない普通の週で・・・幾ら春休みのシーズンだからといってそんな事がありえるのか??)
彼女の言葉が真実かどうかはわからない。ブラフ(はったり)という可能性もある。私は彼女の言葉に驚きはしたものの・・・
事実は行って確かめるしかないだろう...
取り敢えず市の中心にいくバスの乗場を聞き、そして何故かバスに乗らずに3km歩いて市の中心まで行ってしまった!!
到着したメリダのバスターミナル
街の中心まで1時間ぐらいはかかったのだろうか??
これが中心のプラザ・ボリバル。ついでに夜景も
そしてその近辺で真っ先にあたったのはロンプラに載っている最安のポサダ(安宿の事)。ここは難なく部屋はあるが・・・トイレシャワー別なのでもう数軒あたってみることにする。
バス停では宿泊は無いといっていたが、そんなに悪くない感触だ。
結局一番安い最初の宿にしたが・・・
今週何が忙しいのか良く分からないままだ。
そしてホテルを1100時頃出てテレフェリコのチケット売り場に向かう。歩き方には予約することが好ましいと書いてあるので用心してのことだし、乗れるものなら今日でもやぶさかではない・・・
そして辿り着いたチケットオフィスは・・・
まだ人は居たものの今日は販売終了だった・・・
一応確認すると、「また明日来てね」
ということだ!!
明日のチケットを今売ってくれないのはちょっと意地悪だが・・・
まあこれまでは計算済みだ・・・
ホテルに戻り明日も宿に泊まれるかと聞くとそれは問題ないらしい。
しかしここでまた一つの新事実が!!
明後日以降は今泊まっている宿には泊まれなくなると!!
なんでも予約で満タンらしいが・・・何故???
「うーん・・・」
まあいい、全ては明日だ。明日早く行ってチケットを買ってその日の内に乗ればいいだけの事だ・・・
その夜、一人の英語のしゃべれる同宿のドイツ人との話で大体の謎が解明されてきた・・・
なんでも今は「セマナサンタ(キリスト教の聖週間)」という祭りの時期で、この時期はみんなお休みになるから観光地はラッシュになる・・・
ということだ・・・
しかし・・・
私は「プロフェッショナル・・・」
セマナサンタ如きに・・・
負けるわけには行かない・・・
第3章 コウキラレル・・・
2008.03.18(火)
翌18日、朝早く・・・と言っても早過ぎない時間に起きてテレフェリコのチケットオフィスへ向かう。
昨日あったドイツ人からは「0700時から並んだほうがいいよ」と言われていたが、所詮相手はラテンの末裔ベネズエラ人、彼らが朝早くから勤勉に並ぶなど考えられないし・・・まあ0800時に着けば十分だろう・・・
いずれにしてもテレフェリコには今日乗る、そして出発は明日だ!!
乗れなかったら・・・まあそのときに考えればいい事だが・・・
そして・・・
到着と同時に見たものは・・・
長蛇の列・・・
・・・
・・・・・・
甘かった・・・
この"プロフェッショナル"としたことが・・・
ラテン系がゆえに娯楽にかける彼等の情熱が半端でないことを・・・
無視してしまっていたのだ・・・!!
しかし・・・
ここは並ぶしかない・・・
そして・・・
1時間たって・・・
まだ辿り着かない自分が居た・・・
ようやく敷地内の回廊に辿り着いた所
そしてさらに一時間・・・
大分接近はしたものの・・・
放送が入る度に人が三々五々と列から抜けていく・・・
私には放送で「明日、明後日のチケットをいまから売ります」といっている様に聞こえているのだが・・・
周りの人間に確認したところ・・・「日曜日以降のチケットを売っている」と言っている・・・
このとき、"達人である私"の中に・・・あるイメージが浮かんできていた・・・
(『明日のチケットは??』・・・「もう売り切れなのよ・・・!!」
ズバババッ!!
斬られた!!
『じゃあ明後日は??』・・・ 「それも・・・ないのよ・・・!!」
ズババババババッ!!
こう斬られた!!
『えっ?じゃあ一体いつなら???・・・「日曜日以降になるわねぇ・・・!!」
ズバババババババババババババッ!!!
あぅぅぅぅぅ・・・・
何をやってもコウキラレルのか・・・!! )
・・・
・・・・・
ハッ!!
悪いイメージしか・・・浮かんでこない・・・
しかし・・・真実は???
そして待つこともう30分・・・
一向にチケットオフィスに辿り着けず・・・
しょうがなしに列から出て、そしてチケットオフィスの近くに居る制服を着た係りに確認することにする。
毎度思うがこういうときに一人は辛い・・・列から出ると同じ場所に戻れずまた後ろから並びなおすケースが多いからだ・・・
そして確認したところ・・・
みんなの言うように「日曜日以降のチケット」を売っていると・・・!!
な・・・なんという事だ・・・
セマナサンタを・・・
セマナサンタを・・・
知らなかったとはいえ・・・
甘く見過ぎていた・・・
私は「旅行の理」に出会えていた筈なのに・・・
こうもその「理」から遠いところに事実が在るとは・・・!!
何だ??
一体何がこの俺を"理"から遠ざけていたのだ??
(「なーに簡単にチケットなんて手に入るよ・・・」、「ベネズエラ人がチケットのために並ぶわけなんてないぜ・・・」、「今日のテレフェリコにのって明日この街ともおさらばだぜ・・・」、「ホテル?なんの心配がいるんだ??」・・・等々・・・)
そうか・・・
俺が・・・俺自身が・・・
自分自身の愚かな考えに縛られて・・・
「旅行の"理"から・・・」
「俺を遠ざけていたのか・・・!!」
そしてその時・・・
このプロフェッショナルの耳には・・・
童顔ながらもやけに低い、そのチケットの有無を聞いた男の声が・・・
残っていた・・・
「ノ~・・・ア~・・・イ~・・・(No Hay:スペイン語で「ないよ~!!」の意味)」
結局チケットオフィスに直接聞くまでもないと判断し・・・
ホテルに戻ったのは昼前。
テレフェリコのチケットを今日入手できなかったので・・・
どうするか悩んだが・・・
私の脳裏に一つの情景が浮かんできて離れなくなっていた・・・
下から見上げたテレフェリコの情景・・・
「見っ見たい・・・!!この先に一体どんな景色が待ち受けているのか・・・???その為だけに・・・旅行を続けてきた・・・気がする・・・」
そう、この時、私はすでにテレフェリコに・・・いくら待つことになっても・・・乗りたいと思ってしまっていたのだ・・・
その為に・・・旅行最速の看板を一時捨てることになっても・・・
今はこのテレフェリコに・・・テレフェリコにとらわれてしまっているのだ・・・!!
覚悟は決まった。
そして今のホテルはもう明日から泊まれないということなのでもう今日から動くことにした。
聞くホテル軒並み明日からは分からない、もしくは予約済みと言われたが、何とか、それも今泊まっていたポサダから一番近いポサダが明後日までは大丈夫だし、明後日以降は部屋をシェアするなど聞いて考えてくれると好意的にいってくれたのでそこに移ることにした。
これで明日また・・・テレフェリコのチケットオフィスへ・・・
これはメリダでみた壁絵、自由の女神がミサイルを持っているとシュールなもの!!
でも他人事ながらそんなしょぼい装備では倒せんぞ!!
[剣を旅]に置き換えて、天下無双を狙う現代の剣豪[プロフェッショナル デューク東城]
その背中にはいつでも[天下一旅行者(てんかいちツーリストもの)]の旗竿が翻っていた!!
そして今日この日、また一歩天下無双に近付くべくベネズエラはメリダに到着したデューク東城に...
何故か予期出来なかった[セマナサンタ]の壁が厚く立ち塞がる!!
はたしてこの壁を無事に乗り越え、また一歩天下無双への道程に迫ることが出来るのか??
どうする!ゴルコサーティーワン!!
第1章 序章
男としてこの世に生を受けたからには...
誰しもが一度は憧れる想いがある。
そう[天下無双]の男になることだ!!
かくいうこの[プロフェッショナル]・・・
2004年の12月に...ファーストミッションを始めてから...
ただひたすらに追い求めてきたのは[自分こそが天下無双のツーリスト]となることだけであったのだ!!
だからこそ「愛する者」も修行の邪魔になると別れを告げ・・・
いやっ!待て・・・愛する者はおろか・・・誰も愛してくれなかったので別れを告げる必要はなかったが・・・
頼む、誰でもいいから愛してくれぇ~・・・!!
・・・
・・・・・
あっ!話が横道にそれたので元に戻そう・・・
勿論その当時から旅行界に勇名を馳せている旅行者は腐るほどいたが...
やつらとこの俺の違いは・・・
「ただひたすらに斬りまくった国の数」
だけだ....
そして私はこう考えた...
「一つ一つの国を...斬り倒していったら...」
「最後には俺が天下無双である」
と...
今迄の私のこの一途なツーリストとしての姿は・・・
私の旅行の砥ぎ師「光悦殿」の言葉をかりるとこういう表現になるだろう・・・
「人は旅行に生きるといいながらも、本当に旅行の為だけに生きているものは稀である...、その旅行に賭ける想いが一途で在ればあるほど、そういった人は余計な贅肉がつく事を拒むし、その想いが純であれば在るほどその姿は美しい...」
「そしてその姿が美しくさえあれば・・・"人を殺めてしまっても良い"と思っているのもこれまた事実」
と・・・
第2章 戦いの場へ・・・
2008.03.17(月)
何かに導かれるかのようにしてカラカスから夜行バスでメリダに到着したのは0800時。
旅を続けることはや4年、
私の旅行は完成の域に近づき、最早"達人"といっていいレベルに到達しているのだ。
そう、俺の旅行の行先は・・・
いつでも体が知っている・・・
勿論体の命じるままに「首都狙撃手」たる私が一地方都市であるここメリダを訪れたのには理由がある。
ここでの標的は「テレフェリコ(ロープウエイ)」に乗る事なのだ。
なんでもこのテレフェリコは1577mの地点から出発して最終地点は4765m!
高低差3km以上、そして距離にして12.5kmをロープウエイを4回乗り継いで到達するという世界一の・・・言い換えれば『天下無双のテレフェリコ』なのだ!!
それもただ乗ってるだけで富士山以上の地点に簡単に到達できると言う「他力本願」を旨とするこのプロフェッショナルにはもってこいの物なのだ!!
この俺が天下無双を狙うなら....
ここは斬捨てておかねばならない標的だろう!!
世界最高落差を誇るエンジェルフォールこそ値段が高いのであっさりと断念したが...
ここは何としてでも落とさねばならないターゲットだ!!
ここでの私の考えはもう決まっている。まあ上手くいけば今日テレフェリコに乗って明日出発。駄目でも明日乗って明後日出発。今日は月曜日なので出発は遅くとも水曜日になり、こうすればサンデーゲリラ(普段働いている人が週末のみ強盗に変身して人を襲う事)も避けれるという実に合理的な考え方である。
そう、これがこれこそが・・・
「旅行の理(り)」
というやつなのだ!!
これを意識せずに行っている私は
「旅行の理に出会っているツーリスト」
と言って良いだろう!!
今回も今迄のミッションの他聞に漏れず・・・
この「理にのっとって」難なくこなしてしまうに違いない・・・
何故なら私のみが「現代の剣豪」なのだから・・・
しかし・・・
メリダに到着と同時に・・・
予期せぬ[不安]が私を襲ってきた・・・
直ぐに訪れたバスターミナルの中にあるツーリストインフォで・・・
彼女の口から恐るべき事実が告げられたのだ!!
「あら~、今はハイシーズンだからホテルも簡単には見つからないわよ!!それにテレフェリコも今週1杯はフルだから乗れないわよ!!」
『???』
(どういう事だ・・・??別に3月のなんてことない普通の週で・・・幾ら春休みのシーズンだからといってそんな事がありえるのか??)
彼女の言葉が真実かどうかはわからない。ブラフ(はったり)という可能性もある。私は彼女の言葉に驚きはしたものの・・・
事実は行って確かめるしかないだろう...
取り敢えず市の中心にいくバスの乗場を聞き、そして何故かバスに乗らずに3km歩いて市の中心まで行ってしまった!!
到着したメリダのバスターミナル
街の中心まで1時間ぐらいはかかったのだろうか??
これが中心のプラザ・ボリバル。ついでに夜景も
そしてその近辺で真っ先にあたったのはロンプラに載っている最安のポサダ(安宿の事)。ここは難なく部屋はあるが・・・トイレシャワー別なのでもう数軒あたってみることにする。
バス停では宿泊は無いといっていたが、そんなに悪くない感触だ。
結局一番安い最初の宿にしたが・・・
今週何が忙しいのか良く分からないままだ。
そしてホテルを1100時頃出てテレフェリコのチケット売り場に向かう。歩き方には予約することが好ましいと書いてあるので用心してのことだし、乗れるものなら今日でもやぶさかではない・・・
そして辿り着いたチケットオフィスは・・・
まだ人は居たものの今日は販売終了だった・・・
一応確認すると、「また明日来てね」
ということだ!!
明日のチケットを今売ってくれないのはちょっと意地悪だが・・・
まあこれまでは計算済みだ・・・
ホテルに戻り明日も宿に泊まれるかと聞くとそれは問題ないらしい。
しかしここでまた一つの新事実が!!
明後日以降は今泊まっている宿には泊まれなくなると!!
なんでも予約で満タンらしいが・・・何故???
「うーん・・・」
まあいい、全ては明日だ。明日早く行ってチケットを買ってその日の内に乗ればいいだけの事だ・・・
その夜、一人の英語のしゃべれる同宿のドイツ人との話で大体の謎が解明されてきた・・・
なんでも今は「セマナサンタ(キリスト教の聖週間)」という祭りの時期で、この時期はみんなお休みになるから観光地はラッシュになる・・・
ということだ・・・
しかし・・・
私は「プロフェッショナル・・・」
セマナサンタ如きに・・・
負けるわけには行かない・・・
第3章 コウキラレル・・・
2008.03.18(火)
翌18日、朝早く・・・と言っても早過ぎない時間に起きてテレフェリコのチケットオフィスへ向かう。
昨日あったドイツ人からは「0700時から並んだほうがいいよ」と言われていたが、所詮相手はラテンの末裔ベネズエラ人、彼らが朝早くから勤勉に並ぶなど考えられないし・・・まあ0800時に着けば十分だろう・・・
いずれにしてもテレフェリコには今日乗る、そして出発は明日だ!!
乗れなかったら・・・まあそのときに考えればいい事だが・・・
そして・・・
到着と同時に見たものは・・・
長蛇の列・・・
・・・
・・・・・・
甘かった・・・
この"プロフェッショナル"としたことが・・・
ラテン系がゆえに娯楽にかける彼等の情熱が半端でないことを・・・
無視してしまっていたのだ・・・!!
しかし・・・
ここは並ぶしかない・・・
そして・・・
1時間たって・・・
まだ辿り着かない自分が居た・・・
ようやく敷地内の回廊に辿り着いた所
そしてさらに一時間・・・
大分接近はしたものの・・・
放送が入る度に人が三々五々と列から抜けていく・・・
私には放送で「明日、明後日のチケットをいまから売ります」といっている様に聞こえているのだが・・・
周りの人間に確認したところ・・・「日曜日以降のチケットを売っている」と言っている・・・
このとき、"達人である私"の中に・・・あるイメージが浮かんできていた・・・
(『明日のチケットは??』・・・「もう売り切れなのよ・・・!!」
ズバババッ!!
斬られた!!
『じゃあ明後日は??』・・・ 「それも・・・ないのよ・・・!!」
ズババババババッ!!
こう斬られた!!
『えっ?じゃあ一体いつなら???・・・「日曜日以降になるわねぇ・・・!!」
ズバババババババババババババッ!!!
あぅぅぅぅぅ・・・・
何をやってもコウキラレルのか・・・!! )
・・・
・・・・・
ハッ!!
悪いイメージしか・・・浮かんでこない・・・
しかし・・・真実は???
そして待つこともう30分・・・
一向にチケットオフィスに辿り着けず・・・
しょうがなしに列から出て、そしてチケットオフィスの近くに居る制服を着た係りに確認することにする。
毎度思うがこういうときに一人は辛い・・・列から出ると同じ場所に戻れずまた後ろから並びなおすケースが多いからだ・・・
そして確認したところ・・・
みんなの言うように「日曜日以降のチケット」を売っていると・・・!!
な・・・なんという事だ・・・
セマナサンタを・・・
セマナサンタを・・・
知らなかったとはいえ・・・
甘く見過ぎていた・・・
私は「旅行の理」に出会えていた筈なのに・・・
こうもその「理」から遠いところに事実が在るとは・・・!!
何だ??
一体何がこの俺を"理"から遠ざけていたのだ??
(「なーに簡単にチケットなんて手に入るよ・・・」、「ベネズエラ人がチケットのために並ぶわけなんてないぜ・・・」、「今日のテレフェリコにのって明日この街ともおさらばだぜ・・・」、「ホテル?なんの心配がいるんだ??」・・・等々・・・)
そうか・・・
俺が・・・俺自身が・・・
自分自身の愚かな考えに縛られて・・・
「旅行の"理"から・・・」
「俺を遠ざけていたのか・・・!!」
そしてその時・・・
このプロフェッショナルの耳には・・・
童顔ながらもやけに低い、そのチケットの有無を聞いた男の声が・・・
残っていた・・・
「ノ~・・・ア~・・・イ~・・・(No Hay:スペイン語で「ないよ~!!」の意味)」
結局チケットオフィスに直接聞くまでもないと判断し・・・
ホテルに戻ったのは昼前。
テレフェリコのチケットを今日入手できなかったので・・・
どうするか悩んだが・・・
私の脳裏に一つの情景が浮かんできて離れなくなっていた・・・
下から見上げたテレフェリコの情景・・・
「見っ見たい・・・!!この先に一体どんな景色が待ち受けているのか・・・???その為だけに・・・旅行を続けてきた・・・気がする・・・」
そう、この時、私はすでにテレフェリコに・・・いくら待つことになっても・・・乗りたいと思ってしまっていたのだ・・・
その為に・・・旅行最速の看板を一時捨てることになっても・・・
今はこのテレフェリコに・・・テレフェリコにとらわれてしまっているのだ・・・!!
覚悟は決まった。
そして今のホテルはもう明日から泊まれないということなのでもう今日から動くことにした。
聞くホテル軒並み明日からは分からない、もしくは予約済みと言われたが、何とか、それも今泊まっていたポサダから一番近いポサダが明後日までは大丈夫だし、明後日以降は部屋をシェアするなど聞いて考えてくれると好意的にいってくれたのでそこに移ることにした。
これで明日また・・・テレフェリコのチケットオフィスへ・・・
これはメリダでみた壁絵、自由の女神がミサイルを持っているとシュールなもの!!
でも他人事ながらそんなしょぼい装備では倒せんぞ!!