ゴルコサーティーワン!その激闘の記録!

この世界は・・・
”チキン”だけが”生き残る資格”
を持っている・・・

第3話 獣達の宴 前編

2005-02-01 07:57:06 | 第3話 獣達の宴
あらすじ:

舞台国 ジブチ  エチオピア


 エチオピアを脱出してエリトリアへいく為に「暑い、高い、何も無い」と3拍子そろっている国「ジブチ」に入国を果たした「デューク東城」、彼を待っていたものは... 「想像を超える獣(けだもの)達であった...」
 

     果たして無事にジブチでの任務を遂行する事は出来るのか?

         どうする!ゴルコサーティーワン!!


舞台マップ
 



第1章:エチオピア脱出編(2005年1月16日)


 エチオピア


 それにしてもアディスにはちょっと長居しすぎた。最初に3日間動きが取れずよやく動けるようになってから4日間、さらに列車の出発曜日も決まっていたので合計8日間もいた事になる。もうこんなところに用はない、と言いたい所だがジブチに入国した所で又ここに戻って今度はケニアに向かわなくてはいけない、まあそんなこんながあって「重くなった腰」を持ち上げて出国を決めた。

 取りあえずは「東に向かう」。下調べはプロフェッショナルとして完璧だ。鉄道の出発は朝の0930、これでディレダワというエチオピア東部の街に行き、そこから鉄道、もしくはバスと腹案は決めてある。これだけ事前に考えていれば「万が一」にも抜かり様は無い。

 朝、ホテルを0830にチェックアウトして鉄道駅に向かう、歩いて10分位の所だ、独立を守り通した国エチオピアなどと言った所で「所詮はアフリカ」、1時間前ぐらいに鉄道駅に行ってそれから実際の出発には2-3時間ぐらい待つのが「セオリー」だろう・・・。

 駅にはすぐ到着、鉄道はまだ来ていない、まあ予測の範囲内だ。じっくりここは「待ち」の態勢にでも入ろうか・・・

 横に立っていた警察官がこの「プロフェッショナル」に話しかけてくる・・・

 「あんた、列車を待っているのかい?」

 (そりゃそうだろう、それ以外にこんなところに何の用事があるというんだ?)

 「ずいぶん早くから待ってるけどここで待ってたら駄目だぜ!」

 (おいおいそりゃねえだろう。列車が勝手に来てないだけで出発は0930の筈だ。いくら遅れてるっからってここで待つしかないだろうよ。)と思い、

 『おーい、あんたら!列車は0930に出発予定だぜ!到着がまだだからってここで待っちゃ駄目とは随分と無理を行ってくるもんだな!』


 と、言い放つ、

 どうだ
 
 「ギャフン」

 とでも言いやがれ

 「おっ、そりゃああんた”エチオピアタイム”だぜ!!”インターナショナル”なら1530が出発だぞ!これから列車が来るし、出発はまだ6時間以上も後だからお前さんはどっかで休んでな!」

 『・・・』

 『・・・・・・!』


 『ギャフン!!!』




 この「プロフェッショナルデューク東城」としたことが.・・・、こいつは予想外だった。まさか・・・まさか聞いていた時間が『エチオピア時間(エチオピアは独自の暦と時間を採用していてバスや鉄道はこの時間で運用されている。大雑把に言って我々が日常使う時間と6時間ずれが生じる)』だったとは・・・!

 『エチオピア侮りがたし・・・』

 せめて1度くらいはどっかに征服されていれば・・・、無念!


※写真は私を見事にだましたアディスアベバの中央駅



 これでドッと疲れてしまった...、今から6時間も駅で待つ気はしない、宿泊していたホテルに戻って1300ぐらいまで休ませてくれといったらしっかり「半日分の料金」として「1泊分の8割ぐらい」を請求された...、やはり

 「エチオピア侮りがたし...」

 それまで9泊もしていたのに....、

 いまからでも植民地になって遅くは無いぞ!!!くそったれめ...!





第2章:エチオピア脱出編「アゲイン」(2005年1月16日)



 今度こそは「東に向かう」。下調べはプロフェッショナルとして完璧だ。鉄道の出発は『インターナショナルタイム』で1530、これでディレダワというエチオピア東部の街に行き、そこから鉄道、もしくはバスと腹案は決めてある。これだけ事前に考えていれば「万が一」にも抜かり様は無い。

 さっきは微妙に抜かった様な気もしないではないが・・・??


 昼過ぎ、ホテルを1430にチェックアウトして鉄道駅に向かう、歩いて10分位の所だ。独立を守り通した国エチオピアなどと言った所で「所詮はアフリカ」、1時間前ぐらいに鉄道駅に行ってそれから実際の出発には2-3時間ぐらい待つのが「セオリー」だろう・・・。

 駅にすぐ到着、鉄道はもう来ている、そう言えば朝、到着するところまでは見ていたような気がする。

 横に立っていた警察官がこの「プロフェッショナル」に話しかけてくる...

 「おっ!又来たな、今度は出発するぜ、切符はまだだから待っててな!」

 (そりゃそうだろう、列車はもう来ている。とっとと切符を買わせてくれ!)

 「しかしあんたは”ドジ”な男だな、乗り遅れないようにしろよ!」

 (おいおいそりゃねえだろう。こっちはアムハラ語(エチオピアの公用語)何か喋れるわけねえし一目見て観光客ってわかっているのに『腐れエオピアンタイム』で俺に教えた奴にこそ『親切心のかけらもない糞野郎』だろうよ!人を『ドジ』扱いしやがって...)

 とは当然思ったがここはチケットを手にしないことには出発ができん、適当に相手をしてチケット売り場のすぐ近くで待機して発売と同時に購入!勿論「1等」である。

 この「プロフェッショナル・デューク東城」、仮にもツーリスト界で『プロ』を名乗っているからには、「移動は優雅に1等」なのである・・・、まあ値段も200円ぐらいしか変わらなかったし・・・、まあいいでしょう!このくらいの贅沢は。2等に乗ってもしきつかったら1等に乗っていればと後悔するし、1等できついのなら「何をやっても駄目!」と諦めがつくだろう・・・

 どうだ!これが・・・これこそが

 「『プロ』の思考である・・・」


 列車は意外なことに1時間も遅れず1630前には出発、又吃驚する事に途中で故障したり、不可解に長時間停車することもなくディレダワまで順調に走る。


※写真はアディスアベバで撮影したエチオピアの鉄道!中々良いルックス!!



 この「デューク東城」の予測では

 (途中で故障して2-3時間程度はロス、不可解に合計3時間ぐらいは駅で停車するので合わせて6時間は予定時刻よりは遅れるだろう)

 と考えていたのだが、ディレダワに到着して時計を見ると朝の0400、順調すぎるが却って迷惑だ!朝1000頃に到着という予想通りならホテルを見つけるのも簡単だし何よりも「暗闇で見知らぬ街に到着する」という危険を冒す必要が無い。

 仕方なく駅前の広場で大の字になって寝る・・・現地人もやっているから大丈夫だろう・・・

 しかし、これからどうしようか?鉄道のジブチ行きは無いと言われたし・・・




第3章:エチオピア脱出編 其の2 (2005年1月17日)


 うーんやっぱり大の字になって疲れているところで寝れやしない、そもそもこのデューク・東城、”チキンNo.1”といわれるほどの『豪の臆病者』である...

 『よし!決めた!!このままジブチ行きのバスを探して乗ろう!!』

 と決意して準備に取り掛かる。

 まあ出発を決めた理由は(せっかくだからこのままの流れで)という他にも

 『今日は月曜日、このまま入国すれば火曜日からエリトリアのビザ取りや、シングル(1回入国可能)しか取得できなかったジブチの再入国の許可を取ることも可能だろう・・・』

 という“奥の深い”考えもあった・・・

 アフリカを舐めてはいけない、エチオピアでも経験したばかりだ、日本なら半日で終わることもここでは朝早く動いても丸一日、場合によっては一週間かかるとみなければいけないだろう。

 今の計画ではやる事は4つ、

1.ジブチの再入国の許可を取得
2.エリトリアのビザの取得
3.ジブチ-エリトリアの往復航空券の購入
4.ソマリランド入国の可能性の調査

 が挙げられている。
 
 今日の夜到着して明日の朝一番から動く、ジブチがムスリム国家(イスラム教の国)という事も忘れてはいけない要素の一つだ。木曜日は良くて半ドン、金曜日は完全休業だろう。そうすると火、水、木の3日間、こいつがこの私に与えられた勝負の時間でこの3日間に全てをかけて上記の4項目をこなさないといけないのだろう.、「ここはアフリカ」ということを考えると十分に余裕がある時間設定とは言えないのかも知れないが、まあ「採り得る限りの最良の方針」であることは間違いない!

 流石に「プロフェッショナル」である、まさに「完璧」な計画!「水をも漏らさぬ構え!」とはこういった思考過程の事をさして言うのである・・・


 少々前置きが長くなったが朝の0530、準備が終わり出発しようとすると昨夜何かれなく私を気にかけてくれた少年が

 「どこにいくの?」

 と聞いてきたので

 『ジブチにいくのさ』

 と答えて立ち去ろうとする。少年は親切にも私の手助けをしてくれて最初はタクシーを捕まえて値段を聞いてくれた。

 「10ブル(120円ぐらい)」

 と言われ反射的に

 『ぼってやがる、それなら歩く』

 と言ってしまった。

 彼はそんな私に愛想を尽かすわけでも無く丁寧に案内してくれてバス乗り場まで連れて行ってくれた。

 彼は親切だったが、私がタクシーを断った時に私に悲しそうな顔で

 「お金が無いの???」

 と言ったことが忘れられない。

 まさか「アフリカ最貧国」と言われるエチオピアで世界でも有数の「高所得国家」のパスポートを所持しているこの「プロフェッショナル」に年端も行かないような「子供金が無い」と思われてしまい同情をされてしまうとは・・・

 『ごめんよ~!金が無いわけじゃないんだよ~!!ただ“セコイ”だけなんだよ~」

 と心の中で懺悔した。

 本当に親切だったその少年はバス停まで案内して、「金を持ってない(セコイ)旅行者」のこの私に同情してを『激励』までしてくれてから別れる事となった...

 エチオピアにも『人間』はしっかりと存在していた...、

 うーむ、待てよ...、今回はこっちのほうが『外道』かも知れん...

 まあ、いいかっ!そんな事どうでも・・・



第4章 ジブチ入国編 (2005年1月17)

 ディレダワのバス停に到着したらちょうど出発するところ!値段は2通りあって不可解にも1社はもう一社の半額くらい、見た所バスには差がない。ここは当然「安い方のチケット」を購入して飛び乗る。

 バスは日本で言うところの「スクールバス」タイプの中型でちょっと狭苦しいが順調に進む、

 国境に到着!いよいよジブチのお出ましだ!荷物検査のためにバスから荷物を降ろしてイミグレーションやカスタムによっているとバスが来た方向に戻っていく。

 『・・・???』

 『おーいちょっと待ちやがれ!!こっちは金払ってんだぞ!!』

 と怒鳴るがもうバスはいない。不可解な私に同乗していた客が

 「おいあんた!あれは国境までだぜ!チケット安かったろう!!」

 と、教えてくれる。

 『そんな事は最初に言ってくれよ・・・!!』

 やっぱりエチオピアン!碌な者じゃありゃしねえ...せめて俺がジブチから帰ってくるときまでに

 どっかに占領されてくれていれば・・・


ここがそのボーダー
 


 ジブチ


 まあそんなこんなで入国を果たす、同乗客が私を案内してくれて一緒のジブチシティ-行のバスに乗る。

 両替は市内に到着してからと考えていたのでバス代分だけ両替、しかしレートは
 「70ブル→1000ジブチフラン」

 このレートが正しいのか良くは分からないが現地人もこのレートで両替しているから間違いないのだろう。エチオピアでのレートから計算すると1ドルが110ジブチフランちょっとの計算になる。(注、エチオピアで1US$→8.9ブルちょっとだった)

 
 バスは2時間ぐらい国境で待ってから出発、ジブチシティ-には1630に到着した。市の中心から少し離れていたのでミニバスに乗っけてもらい唯一知っている「メネリック広場」を目指していく。ここには私設両替商があって金が替えられるはずだろう..




第5章:ジブチシティーファーストナイト(2005年1月17日)

 夕方の1700前には何とかメネリック広場に到着。ラッキーなことに観光案内所もそこにあってすぐに地図を貰い、エリトリアとソマリランド大使館の位置を聞く、エリトリアはあるらしいが、ソマリランドの大使館は無いらしい...、古い情報では観光案内所のすぐ傍にあったのに撤退しているようだ...、まあ、まだ良いだろう。今日はもう店じまいだから明日の朝来てゆっくり聞こう。こちらも移動が終わったばかりでホテルも金もまだだ。まずはお金だ!その足で近くの両替商に入るとトラベラーズチェックが両替できる...

 ジブチも中々やるじゃない!

 ただレートは1㌦=175ジブチフラン! 国境では1㌦=110ジブチフランだったのに...!!

 『国境の奴等はどうやらボリ過ぎていたようだ・・・』

 さっきの国境でのレート、この私だけでなく他の現地人もボラれていた・・・足元見た嫌な商売しやがる。


 まあ金も入ったのでマーケットの中のホテルへ行く。

 ホテルに行く途中に早速親切そうな現地人がお助けに現れ、フレンドリーな雰囲気を出しつつ私に案内を始める

 ホテルに行くまで通常5分で済むところをこいつのせいで迷いながら30分ぐらいかかってしまった挙句に予測はしていたことだが当たり前のように「案内金」を請求してくる。当然ながら払うわけなどないが・・・それにしても・・・

 『エチオピアもそんなにいい国とは思わなかったが・・・ここはもうちょっと性質(タチ)が悪そうだ・・・』

 ホテルには何とか到着、無駄な回り道になったので疲れてしまった。さらに酷い事には、決して清潔とは言えないしエアコンこそあるものの共同シャワートイレのくせに5000ジブチフラン(以下フランと略称する:約30㌦)もしやがる。

 これよりレベルを下げたらどんなホテルになるか分かったもんじゃない。ジブチの売りである
 「暑い、高い、何も無い」
 の内の一つ
 「高い」
 に関しては早速納得させられてしまう。

 何日いなきゃいけないのか分からないが、まあ明日ゆっくり調べよう。

 それにしてもお腹が空いている。ホテルの近くにスパゲッティ-の屋台があるので値段を聞くと200フラン、こいつなら安い、早速注文して食べてみる...


  『マ、マズイ・・・!!』


 どうやらこのプロフェッショナルの好みには合わないようだ・・・



 しかし初日からこれでは先が思いやられる。


 明日から金曜までは4日、勝負を早めに賭けてかないと・・・!