しゃべる魚
2012年3月、秋田県の社会福祉法人久盛会・あまさぎ園(由利本荘市岩城富田字根本9-3)で、いのちについてお話しする機会をいただきました。
約60人の方々が仕事の終わりに集まってくださり、つたない話しでしたが、慈悲のあたたかさ、確かさということについて、共有していただけたと思います。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/3a/e7/6200e7ae1039315a03a4b1bde90f937e.jpg)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/6c/9d/85039f872b45605f03ae3a293f7739f9.jpg)
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さて本題は、そのあまさぎ園には「しゃべる魚がいる」ということです。
同園の理事長さんは、施設を利用する高齢者の方々や地域社会にとって喜びを生み出すには何をするべきか、ということを常に考えておられる方だそうで、その熱意は、施設内にある料亭(料亭の店内を再現した食堂で、食べる楽しみ、交流する楽しみを取り戻していくといった感性を刺激する)。滝のある庭園(無機質な施設ではなく、情緒豊かな生活を取り戻していく一助となる)。かやぶき屋根の研修所(施設の方々、職員さんだけでなく、地域社会にも開放されている)。など様々な設備に現れています。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/59/3f/3d24cbc7d167467939ab37c112c9e5e8.jpg)
そのアイディアのひとつとして、フロアに大きな海水魚のための水槽があります。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/0c/67/ff2cafdd5ba7440444d4a5b0b3e2352c.jpg)
十数匹の魚がおり、最も大きな魚が50センチはくだらないであろう鯛。水槽の中を悠々と泳いでいます。一目で水槽のボスだと分かる鯛です。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/5d/ed/4465bb30186296d6bfc26580d2250ce5.jpg)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/3d/b4/f2286e215cbc7f19442b95fb87f2b80a.jpg)
実は、このボスが、人と「話」をします。
水槽を見つけて近寄り、中を覗き込んでいたらこのボスだけが近寄ってきて、離れようとしません。巨大な水槽のどこに移動してもついてくる。そして、人の顔の高さまで来てじっとこちらの眼を見て何かを待っている。
餌づけをしている水槽などで良くある光景かと思ったのですが、そうではありません。介護施設で利用者さんがこの巨大な水槽をのぼって餌をやるはずがないのですから。
その何かを待つ態度が不思議でじっと見ていましたが、ふと、このボスが「話」をしているのだと気付きました。
あまさぎ園通所リハビリテーション管理者の渡辺洋子氏にそのことを尋ねてみると、
「あら、あなたは外部の人なのに、よく気付きましたね」とのこと。
聞けば、施設を利用する高齢者の方たちが、この水槽の前で魚に話しかけているのだそうです。
いろんな人たちが魚に話しかけていた。
ボスは、水槽のそばに人が来ると、「人は、自分に話かける」ということがわかっているから、自分の方からも近寄っていく。
長い時間の中で、その関係が築かれていった。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/6e/5b/5e389229ebb1ec8c7d147e780d443fcc.jpg)
注意しないと見えて来ない所に、介護施設だからこそ生まれた不思議なドラマがありました。
2012年3月、秋田県の社会福祉法人久盛会・あまさぎ園(由利本荘市岩城富田字根本9-3)で、いのちについてお話しする機会をいただきました。
約60人の方々が仕事の終わりに集まってくださり、つたない話しでしたが、慈悲のあたたかさ、確かさということについて、共有していただけたと思います。
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さて本題は、そのあまさぎ園には「しゃべる魚がいる」ということです。
同園の理事長さんは、施設を利用する高齢者の方々や地域社会にとって喜びを生み出すには何をするべきか、ということを常に考えておられる方だそうで、その熱意は、施設内にある料亭(料亭の店内を再現した食堂で、食べる楽しみ、交流する楽しみを取り戻していくといった感性を刺激する)。滝のある庭園(無機質な施設ではなく、情緒豊かな生活を取り戻していく一助となる)。かやぶき屋根の研修所(施設の方々、職員さんだけでなく、地域社会にも開放されている)。など様々な設備に現れています。
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そのアイディアのひとつとして、フロアに大きな海水魚のための水槽があります。
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十数匹の魚がおり、最も大きな魚が50センチはくだらないであろう鯛。水槽の中を悠々と泳いでいます。一目で水槽のボスだと分かる鯛です。
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実は、このボスが、人と「話」をします。
水槽を見つけて近寄り、中を覗き込んでいたらこのボスだけが近寄ってきて、離れようとしません。巨大な水槽のどこに移動してもついてくる。そして、人の顔の高さまで来てじっとこちらの眼を見て何かを待っている。
餌づけをしている水槽などで良くある光景かと思ったのですが、そうではありません。介護施設で利用者さんがこの巨大な水槽をのぼって餌をやるはずがないのですから。
その何かを待つ態度が不思議でじっと見ていましたが、ふと、このボスが「話」をしているのだと気付きました。
あまさぎ園通所リハビリテーション管理者の渡辺洋子氏にそのことを尋ねてみると、
「あら、あなたは外部の人なのに、よく気付きましたね」とのこと。
聞けば、施設を利用する高齢者の方たちが、この水槽の前で魚に話しかけているのだそうです。
いろんな人たちが魚に話しかけていた。
ボスは、水槽のそばに人が来ると、「人は、自分に話かける」ということがわかっているから、自分の方からも近寄っていく。
長い時間の中で、その関係が築かれていった。
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注意しないと見えて来ない所に、介護施設だからこそ生まれた不思議なドラマがありました。