Dream-Speaker

有縁の方々のインタビューを通じて、共感と共有の種を播き、育てたい。

最先端の技術を使って実現したいことは、もっともアナログなこと。

2012年05月03日 | コラム
インド出身のムスリムの友人は、スマートフォンで、非常に考えさせられるアプリを愛用している。

メッカの方向を指すコンパスと『クルアーン』を読誦(どくじゅ)してくれるアプリだ。





彼自身はウルドゥー語圏で育っているが、アラビア語の読めない文字でも音で記憶しており、発音はできるそうだ。

毎日定時の礼拝時にはこれが起動し、目覚まし時計のようにその時を知らせてくれている。

はじめて見たときは面白さ、興味本位でこのアプリの説明を聞いたが、実はアプリそのものが大切なのではなく、これを使う意識の方が重要なのだということに気づかされた。彼がこのアプリを愛用する習慣は、日本人の生活について大きな問題提起をしてくれている。

彼にとってはスマートフォンであったり、インターネットでつながったコミュニティーであったり、あるいはそういったデジタルのインフラや道具を便利にさせるソフトといったものは、どこまでいっても「礼拝を続けて行くという自分の生活」を大切にするために使いこなすべきものだ。

デジタルの世界の中に、今の社会を置き変えようとするのでもなく、新しい世界を見いだそうとするのでもない。

最先端の技術を使って、彼が何をしたいのか。

ただ、礼拝をしたい。

そのシンプルでアナログで鮮烈な印象が大切だ。

そしてその明確な意思は、「ところであなたは何を大切にしているのですか?」という問いでもある。


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