落書き帳

あまり触れられないことに触れる
内容は備忘録のため、誤解等含め随時改変

エンジン技術_8 アクセル開度~エンジントルクマップ作成

2014年05月01日 | エンジン・自動車

スロットルバルブの「機能」だけに着目し

・WOTトルクカーブ

・スロットルバルブ仕様

・その他最小限のデータ

を用いて、アクセル開度~エンジントルクマップを作成する。

公表された実機データは見当たらないが「〇〇の売り文句」だけは豊富。

 

計算の根本は

「スロットル開口面積と吸気管(インマニ)負圧が決まれば、スロットル通過空気量=定常状態のエンジン吸入空気量が決まる」

だけ。

物理的にはこの順番で確定するワケではないが、↑を使うのが簡単。

「スロットル開口面積」には派閥がありそうだが、管路の中心軸に対する垂直投影面積を計算するだけ。「管路の中心軸に対する垂直投影面積では正しくない 流線に垂直な面積が正しいのだ」とかのヘリクツこねたければお好きにドーゾだが面倒になるだけで有効性ゼロ。CADでやりたければお好きにドーゾだが、スロットル形状をテキトーに単純化すれば電卓で十分。

 

前提条件 スッピンガソリンエンジン

・可変動弁なし

・EGRなし

・メカスロットル (スロットル+ISCV) 

電子スロットルの場合は、「アクセル直結特性」に相当

・回転一定の時、吸入空気量とトルクは線形とする 

高負荷でMBTがとれないことによる仮想MBTトルクからのトルクダウンは無視、λ>1(リーン)領域は無しとして空燃比の影響は無視する。理由は「それらしい似顔絵」を描くことが目的だから。

・回転一定の時、吸入空気量と吸気管絶対圧は線形とする

・暖機後、標準大気状態(100kPa,300K) ←半端数字は面倒なので「俺標準」 アバウトな事しかやらないのでこれで十分

 

等ブースト線が実際にどんな感じか?は

http://glanze.sakura.ne.jp/drive_chr.html

WOTトルクに対してほぼ等間隔で入る。イマドキの可変動弁、大量EGRはこうならない「独自形状」

「独自形状」の例

 

結果 

【無添加天然物】 好みの分かれる「味付け」一切無し

排気量2L 

スロットルΦ50mm* イマドキはいくつなのか知らないがバカデカイのはキライなので計算上の数字は小さ目にする 

スロットル開度=アクセル開度~トルク特性 

中間開度(10~70°)は、最小限の脳内データを用いた机上計算値

最大値80°、最小値0°、燃料カットはテキトーな値

実機のマップは忘れたが大きな違和感はない。「似顔絵」「相似形」を描いているのであって写真を撮っているのではないので勘違いしないように。「写真」の細部にこだわったところで何も得るモノはなく〇〇の餌食になるだけ。

 

*オマケ

むかしむかし、2L無過給でΦ60mmがゴロゴロあった。僅かなカタログ馬力に目がくらんだ+早開きで発進だけのドカーンがお好きな方がいた+大排気量仕様と部品共用化。排気量(吸気量)に見合わない大径は自動的に早開き特性になる。可変動弁標準化はず~っと後で低中速スカスカ、早開きで発進の瞬間だけオラオラするが高開度はスカスカ。

① リキがないものは何をやってもダメ 

② フツウにしておく

で終わり。電スロが一般化する10年も前の検討結果→自技会885209 

騙される人はアクセル=スイッチのオラオラ発進。オラオラできるのは発進の一瞬だけで車重に対して非力(パワー不足)なら発進後の先が伸びるワケがない。トルコンの「魔法」で「非力エンジンで無限に続く高加速」が可能なら永久機関が可能になる。

高開度スカスカに対して、非線形リンク式という手段があるが、スロットルにはリターンスプリングが必須で、リンク、ドラム形状等で開度特性を変えるとアクセルペダル踏力が変わる。遅開きにすると踏み始めが軽く、後半は重くなる。早開きの場合は逆。開度特性「だけ」を変えることはできず決して万能ではない。ここは電スロにしないと解決不可能。電スロにしても今度はISCVの機能を兼ねるので、クソ馬力狙いの大径にするとアイドルの分解能が落ちる=制御性が悪くなる。賢者は最大kW、排気量相応のほどほどの径にする。

無過給の定常開度~トルク特性をいじくり倒しても何も出てこない。技術的に意味がありそうなのは

・車重に対して大排気量車の遅開き こうしないとフツウの排気量に対して低開度域の駆動力操作性が悪化しすぎる 

・低開度域の駆動力操作性を向上させるための遅開き 雪道等

ぐらいでは。

高過給大型ディーゼル(フル電制コモンレール コレもDBW)では、発進性担保のため発進時(過給の立ち上がり回転以下の極低回転)は小開度で全負荷にする模様だが、ココで叩いているのは「ガソリンオラオラ発進推奨装置」で話の筋が違う。

「好み」「癖」「個人差」がかかわるので不特定多数による長時間の官能評価でもしないと評価はできない。「無過給定常の開度特性イジリは不毛である」をここにブチマケる。

万人向け最大公約数は↑ イジリたければスイッチ入力でドライバーが選べるようにするしかない。これに対して¥を払ってくれるかは人それぞれ。誰かがある評価条件で100点をつけても、

・何か変わったような気がするが結局慣れてしまう 元に戻しても結局慣れてしまう

・0点をつける ウゼーからイラネ イラネから¥返せ

・フツウに走るようにしてフツウに自分の足で調整すればいいじゃん

の人は必ず存在する。

「正解」は存在しないが、アナタが感じる「正解」がアナタの「正解」 他人は全て0点をつけるかも。「達人」を名乗る人が存在したとしても、安易に鵜呑みにするべからず。

 

好みは分かれる+DBWならタダでできるのでいじくり回しは続く。コレが「お仕事」の方は全OEMに存在して、専業で¥出せるようなモノではないから何かのついでにやっているが「リニアリティ」「制御性」の基本はお忘れなく。ecoモードと称して定常駆動力の立ち上がりを極端に寝かして結果的に車両応答を極端に落とすものがあるようだが、ecoモードは結果的にオラオラ発進推奨装置(発進だけドカーンの早開き)と同質な事をやっている。と書いたがecoモードレスオプションはないので客は買わされる。ケチりたければじんわり踏むだけの話だが、ecoモードでは不可能で、

「¥スイッチ+¥電線+¥入力回路+¥開発費返せ!」 

ATCVTの変速でも同じで、状態判定とかでアクティブに動かすと必ず違和感が出るシーンがある。例えばスロットルスピードでダウンシフト→ハイギヤのままスパっと(変速線をまたぐほどガバっとではない)開けて加速するのが好きな人には邪魔者で、しばらくブンブン吹け残ったまま。ウザイ+ウルサイからマニュアルでアップシフト連打。すぽーてぃ?にダウンシフトしろ??低回転高負荷が苦手で過渡応答の悪いキャブレーター+機械進角+こもり音対策不十分時代の遺物。あの程度のスロットルスピードにエンジンが追従できなければクズ!とのヲタ病で普遍性はない。

自動エンブレ(アクセル全閉で加速すれば下り坂と判定してダウンシフト)とかも然りで、知っていれば介入は誰でもすぐわかる。ウザイ+ウルサイからマニュアルでアップシフト連打。

燃料カットの上のスロットル=0°の青線は、アクセル開度=0 で燃料を吹いている状態で、1000rpm付近以外は現実にはあまりないが、下り坂でごくわずかにアクセルに踏んでいる状態がほぼ相当する。普段は、アクセル放し⇔踏み込みの際、一瞬通過するだけ。0°の青線(燃料噴射中の最小トルク)はもっと下げたいところだが、このへんは燃焼限界に近い。(空気量過小+残留ガス率過多)。空気量を下げると失火しやすくなる、

アイドル・負トルク域拡大図

ATCVTでは関係ないが、エンジン回転を上げて極低アクセル開度で渋滞走行をするとギクシャクするのは「燃料カット⇔再噴射」のトルク段差による。二輪車はわかりやすい。

トルク=0Nmの線は、エアコン発電ATオイルポンプ等エンジン外部負荷無しの、空ぶかし、アイドルに相当。現実には外部負荷は常時あるが、上図は単純化するため「エンジン単体」の特性で書いている。

0°の青線を0Nmに合わせてしまうと(制御的には可能)空ぶかし回転不定になる。

「制御的には可能」の意味は、大昔からISCVでも電スロでも「各エンジン回転での最低空気量」を割り付けてあるから。1000rpmアクセル全閉で吸入空気量(大気圧換算)100L/minなら、何もしなければ2000rpmでも100L/minのままで、サイクルあたり空気量は半分になり失火する。何もしない代表がキャブレターの二輪車で、減速燃料カットがないのでスロットル全閉の減速中は失火でHC垂れ流し。失火しているからアイドル相当の燃料を消費しているのにエンブレがフツウに効く。

オマケ

エンジン外部負荷がある場合は、ISCVでアイドル空気量を持ち上げる。電スロの場合は電スロで実行。アイドルで例えばエアコン負荷が15Nm(@エンジン軸)あるから全回転全負荷トルク15Nm落ちと早とちりしないこと。負荷の形態は色々だが、発電、エアコンは定パワー要求に近い。アイドルで持ち上げた空気量(より正確には「開口面積」)はアイドル域の外(走行中)でもそのまま保持。略定パワーで補正がかかるので理にかなっている。負荷がある場合のアクセル開度~トルク特性は面倒なので止めておくが「形」が大きく崩れることはない。要求に応じて最も効率のよいrpmで使えと言ったところで、実現する機構自身の効率、銭効率、スペース効率、重量効率が論外なので誰もやらない。

  

最近は%表示流行だが、deg表示なのは、スロットルは約80°回転するので10°区切りが切りがいい。90°回したければ回すのは勝手だが、スロットル全閉は流路に対し垂直ではなく若干寝ているから(某社は6°)90°回すのは無意味でクソ馬力で損する+全開付近の不感帯が増える。全閉を若干寝かすのは噛みこみ防止のため。

メカワイヤー式ならペダルストローク(≒ペダル回転角度)=スロットル回転角度(非線形リンク式は違うが)だから、80°→アクセル100%と読み替えればよい。業界用語で、アクセル1/8とかの表現があるが、1/10ではなく1/8なのは、スロットル10°区切りだから。米欧の「半端分数で表現する文化」(1/12=1ダースあたりが特にお好み)の影響もあるかも?inch寸法材になると1/8単位表示が顔を出して、異文化人には計算がヤヤコシイだけで理解不能ではある。

 

・左下低パワー域は、何故定パワー特性に近いか?

「チョーク」が関係する。略1/3負荷以下では、流量が吸気管圧力と無関係になる。負圧を増やしても流量は増えない。大気圧=100kPaとすれば、臨界圧力比0.528を掛けて、吸気管絶対圧52.8kPa以下の領域。定開度=定空気量≒定パワー。1/3負荷以上では、例えば空気量を2倍にするには、開口面積を2倍にしても負圧が減るのでさらに開口面積を大きくしなければならない。

・中間開度では、上記の負圧~スロットル開口面積~流量特性と、

スロットル開度~スロットル開口面積(最初ゆるやかで3次曲線的に立ち上がる)

の掛け算。どちらも非線形。

・負荷が上がると、最大トルクの縮小コピー形に近くなる。絞りが弱くなるので、全開の形が反映されてくる。

・ざっくり言えば、全負荷空気量は回転数比例。20°の線を見ると絞られ方が回転によって違い、(結果だけを見れば)ほぼ直線で右下がりに入る。これより高開度は、30°では1000rmに対して全く絞りにならないが他の回転では絞りになっている。開度を上げていくと、「全く絞りにならない回転」が高回転側に移る。

 

これが自動車用原動機として「最適形」か?の議論は他所でどうぞ。議論の相手はガソリン屋は不適格でディーゼル屋とやるべき。機械式ディーゼル燃料噴射ポンプに関しては無知だが、

アクセル開度(噴射ポンプレバー開度)=1サイクルの燃料噴射量 エンジン回転は無関係

という極めて率直な特性にすると

アクセル開度≒エンジントルク エンジン回転は無関係

という率直な特性になる。率直でイイじゃないか!

とはならないのが現実世界で、等アクセル開度線がエンジントルクマップ上で全域平らになる。ガソリンの「天然物」の等アクセル開度線は部分負荷では右下がり。1サイクルの噴射量=トルクなのはガソリンもディーゼルも変わらないが、ガソリンは「アクセル=スロットルで吸入空気量を制御 1サイクルの噴射量は1サイクルの吸入空気量に応じて決まる」ところが異なる。

発進とかアイドリングとか空ぶかしの話を除外して走行中の話だけに限定しても

「加速が鈍い・車速調整がしづらい」←フツウの加速でも一度ベタ踏みして戻す必要がある

ものになるはずで、ガバナーどうのこうのが大昔からディーゼルにはついて回る。ジドウシャ用ディーゼルのアクセル開度~エンジントルク特性は大昔から人工物なのだ。フル電子制御(DBW)のコモンレールではどうとでもできる。

 

ガソリンの話に戻る。

開度≒車両要求パワーが基本で騙し小細工は「ハイソウデスカ~」 

ガソリンは「作りこみ」一切無しの天然モノがこうなっている。

ディーゼルはメカガバナー、最近はフル電制コモンレールで、類似特性を作っているらしい。天然物=良いと考えるのは、そもそもが100%人工物だから無意味だが、この特性に慣らされている。

 

大量EGR、可変動弁、リーンバーンとかが入ると、スロットル~トルク特性が↑の「天然物」から崩れる。電スロが当たり前になったから話は簡単で、アクセル~トルク特性を「天然物」相当に置き換える。制御ロジックはごく単純に考えると

1 [アクセル開度、エンジン回転]→アクセル要求トルク マップを参照

2 電スロ、VVT、EGR、(空燃比)への指令 ()はリーン領域がある場合

 

kW表現

離れて眺めれば、低開度域は 開度≒パワー 

「写真」の細部にここでは意味はない。

変速機込で見れば、アクセル開度≒車両要求パワー。こうするのが、マトモに走行できるための基本。いじくって「味」とか語るのは他所でどうぞ。素材をぶち壊す激マズ料理は簡単に作れるが、いじくり倒して素材を越える料理はできるのかな?

エンジン1000rpmで走行→20°も踏めばパワー(=トルク)頭打ち)→2000rpmにダウンシフト 30°も踏めば頭打ち→以下同様

低回転では30°以上はトルク感度がなく、高回転も40°以上はトルク感度が小さい。MTならダウンシフト要求サイン、ATCVTなら変速用が主用途。ダウンシフトして、高いrpmのkW線に乗り換える。

 

******必要spec データ*******

やり方はいろいろ考えられるが、脳内最小限データで済ませる。技術的には大昔から既知公知。

spec

・排気量 2L

・スロットルボア径 Φ50mm

・全開トルクカーブ

 

データ

・アイドル燃費 0.6L/h @700rpm   

←記憶あいまいだが結果オーライ アイドル空気量算出に必要 アイドル空気量が必要なのは、性能マップの「原点」にするため

・軸トルク0Nm(空ぶかし=無負荷)の吸気管絶対圧 27kPa  0次近似として、回転数によらず一定とする

ISCV(or電スロ)による各エンジン回転での最低空気量保持制御は、高回転ほどアクセル全閉時空気量(最低空気量)を大きくして吸気管絶対圧を所定(〇〇kPa)以上に保つ。〇〇kPa<27kPa(空ぶかし0Nm吸気管絶対圧)として空ぶかし0Nm吸入空気量>アクセル全閉吸入空気量にしないと空ぶかし回転が不定になりアクセルで空ぶかし回転が制御できなくなる。〇〇kPaは燃焼限界、オイル消費等で決まる。

・アイドル回転付近、例えば1000rpmの、無負荷全負荷の空気量比 6倍

・スロットル流量係数 0.8    (実流量=机上値*0.8 とする意) 「0.8」はテキトーな数字なので鵜呑みにするべからず。実スロットルで定常流試験(開度=開口面積と負圧を振る)をやらなければ定量値は出ないが実際にいくつなのかは知らん。この種の話は昔からサプライヤー様丸投げと思われる。ここが合っていないとマップ全体が過大/過小側にずれる。

あとは計算 ここは煩雑+読む気にならない+面白くないので省略。実データ(マップ)があれば終わりだが、なくてもソレっぽく逆算はできた。

単気筒エンジンでは、定性的にはともかく、定量的には合わないはずである。エンジン回転&スロットル開度一定でも、吸気管負圧の変動が大きく、スロットル部が定常絞り流れの前提条件が成り立たない。

 

後日memo アイドル燃費相場 

記憶があいまいでテキトーに書いたが、1985年の記事を見つけた。イマドキは数字の明記された記事は発見困難で、小細工をやり出すのは1990年前後。これ以前では、↓ 程度の定量データはいくらでも見つかる。数字無し目盛り無しは珍しかったはずである。

1985年 L4 1.5L  0.55~0.60L/h

              2L換算 0.73~0.80L/h 

可変動弁が標準になってアイドルのゼロオーバーラップ化による燃焼変動(最悪は失火)減+フリクション減で、20%削減(こんなもんじゃね?の脊髄反射がソース)と仮定

2L換算 0.58~0.64L/h

BSFCマップから推定する方法があって↓の0kW着地点がアイドル燃費。

エンジン技術_6 燃費の目玉(6) VC-T

排気量2Lイマドキ相場は0.6L/hとして、そう外れてはいない。 

 

オマケ

本質的には、定常条件でも

ピストン移動→シリンダ内圧力変化→吸排気弁前後圧力差変化→空気移動・・・

あたりから吸気管内圧力を求めてスロットル流量を出すべきなのだろうが、(注 オマケ)

・メンドクサイ 延々とステップ計算を続ける必要あり 流体力学+モデリング+プログラミングがお好きな方はどうぞ

・目的とするデータが簡単に(相応の精度で)計算できるとは限らない

・ある程度既知のデータを使えば面倒なことをしなくても目的は達成できる。ピストン~シリンダーは単なる負圧発生用ポンプ、吸気管内圧力は一定、スロットル部の流れは圧縮性定常流れとして扱う。具体的に(スロットル開度、エンジン回転で)負圧がいくつになるかは計算しないで「軸トルク~吸気管内絶対圧は線形で近似できる」既知の関係を使う。

ピストンの動きに遡って考えないと答えが得られない問題(イロイロある)になれば話は別。

 

注 オマケ

日常用語では、流体を「吸う 吸い込む」「吐き出す 押し込む」というように別の言葉で表現する。物理現象として別物なのではなく、動きが逆なだけである。流れの源は?「圧力差」以外になく、圧力差の源は?通常は体積変化。

「ストローで吸う」と言わず「口内その他の体積を小さくし同時に口内空気を他所へ移動させ口内の圧力を減少せしめストロー経由で大気圧で押し込む」とか口走るとタダのキモイ人なので言わないが吉。こんなことを考えながらでは、無意識でできることもできなくなる。

過給機付なら、圧力差が過給機により予め用意されているから、無過給でよくやる「とにかく吸気弁デカクしろ!」は無意味になり、吸気を小さくしても排気を大きくして排気抜けに回せ!との主張は定性的に理にかなっている。bestバランスがどこか?は詳細検討が必要。

オマケ

某社某ガソリンエンジンは、吸気弁デカク!の挙句のブロックリセス。ピストンリセスの誤記ではない。ブロックと干渉するからリセスで逃げる。ヘッドガスケット径も一回り大きい頭でっかち仕様。今でもやっているモノがあるかは知らない。

オマケ

某社1.8Lエンジン(2Lとボア径違い)はシリンダヘッドとヘッドガスケットは2L流用の頭でっかち仕様であった。フツウは燃焼室径をボア径と合わせるが共用化徹底。ブロックリセスはなかったと記憶。今でも同じことをやっているのかは知らない。

 

 

オマケ キャブレター仕様の開度~トルク特性

1969年小細工デフォルメ一切無しと思われるデータ

自技会 695185 自動車エンジンの過渡状態をシミュレートするダイナモメータ・システムの開発  より

お題は↑なので、開度~トルク特性はお題の説明用に過ぎないが、「この時期にこんなことやっていたの?」と実はビックリする。

エンジン仕様は不明だが当然キャブレター。

キャブレターについては無知だが、燃料噴射仕様に対し高回転側のトルク感度が大きく見える。2バレル式と思われるが、排気量に対しスロットル面積が小さいことが主因と思われ。実スペックがどんなものだったのかは相場感もなく知らない。

エンジントルク=0kgmとなるスロットル開度に着目する。5000rpmで20°=2/8開度は、燃料噴射仕様の2倍程度。エンジンフリクションを無視すれば、スロットルボア径が小さい+ISCVがないため。

グラフ上の「スロットル開度」は、アクセルワイヤーとつながるスロットルドラム軸の回転角度の意味。バタフライ弁は小さなモノが2個あって(1st スロー系 2nd パワー系)踏み始めはスロー系だけ開きソレが全開付近になるとパワー系が開きだす。スロットルドラム軸はリンク等で2個のバッタフライ弁とつながっている。グラフ上の「スロットル開度」は「バタフライ弁の開度」ではない。スロットルドラム軸80°= 全開 になるので、燃料噴射仕様と同じ土俵で比較できる。

むかしむかし「キャブレターの乗り味ガー」と語るオジサンがチラホラいた。間もなく全てがPFIになり絶滅したが、空燃比と点火時期の過渡的挙動にからんでのことと思われる。当方はいろいろ排気対策用の付加物がついた末期のチョイ乗りしか記憶にないが、

「不具合が多い」

定常的にフツウに動かすだけなら最適最安の機構だが、気筒内空燃比応答性と柔軟性を欠くから器用なことをやるには向かない。排気とドラビリの泥沼末期には「クランク角センサ+ブーストセンサ付きで点火時期はECUによるマップ制御」というモノがあった。風変わりな企画は直接かかわりはなくても記憶に残る。誰でも「ここまでやるなら燃料噴射にしろ」と後知恵的に思うだろうが、目先の¥を優先して結局高くついた模様。

「乗り味」の一部に開度特性も含まれていたと思われるが、大筋ではイマドキ燃料噴射と同じ。キャブレターの流速確保の制約でこうなっていたとも思われ。普遍性・客観性のある「成果」は疑問だが、「味ガー」をやりたい方は燃料噴射仕様と重ね書きすべし。

 

 

オマケ 減速側駆動力制御 ワンペダルドライブ

電動車(いわゆるジドウシャに限定しない)では大昔からいくらでも例がある。

慣れと使い勝手とドラビリの話は他所でどうぞ。

某HEVは

協調回生ブレーキ無し(コストダウンでコンベと同じブレーキシステム)でブレーキペダルで減速するとネンピが悪くなる+ブレーキブースター負圧がなくなると勝手にエンジンが始動してウルサイ&ネンピが悪くなる

の対策の側面がある。

コンベ車減速G 車両諸元はテキトー

Dレンジでは弱いエンブレのみで、低車速ロックアップOFFでは空走に近い。エンブレ(fuel cut)~駆動力=0 の間のアクセル開度幅は非常に狭い+マイナストルク領域は燃料カット⇔燃料噴射の空白域がほとんどを占める。アクセル操作のみでは減速度コントロールは不可能でダウンシフト要。

自技会誌2018/09より引用

減速パワーを計算

減速側は電車の電気ブレーキと類似にせざるを得ないというか必然的にそうなる。約40km/hまでは等アクセルなら等減速G。駆動力=0ラインはコンベ車に対し高アクセル開度になり、車速に関係なく等アクセル開度に近くなる。(極低車速は除く)。コンベ車の等アクセル開度線は、駆動力=0のラインを右下がりに横切るが、この特性を放棄しないと減速側の駆動力制御は不可能、というかアクセル開度を割り付けようがない。中~高車速はバッテリー入力パワーの制限を受ける+空気抵抗分が増えるるので減速度を減らす。駆動力=0ラインより上はコンベ車と類似。

と書いてからググると、こんな特許図面がある。ワンペダルドライブとは関係ない特許で、説明に関係ない部分は消した。上段のアクセル駆動力と下段のブレーキ制動力を合成してワンペダルドライブ完成。必然的に駆動力=0 のラインは車速に関係ない等アクセル開度になり、下図で水平に入る。

5→0km/hで-0.15Gを保持するのは【原理的には】可能なはず。これをやらないのは

「ここは減速度イラネ」「パワー(運動エネルギー)回収がゴミ」 

で終わらないのが落書きで

モーター負トルクを維持したままにすると、減速して0km/h→後退方向に勝手に走り出す。

 

オマケmemo

「停止寸前まで回生」なる文言に?を感じるのがフツウの人で、電動機は永久磁石式同期モーター(インバーター駆動)+電源はバッテリーとする。「何が?なのか」を書くと長くなる+的確に表現できるか?が自信ゼロなので書かない。

「停止寸前まで回生」を成立させるには前提条件があるはず。「ベクトル線図でこうだから」はここでは説明とは言えない。ベクトル線図は専門家用の道具に過ぎない。ベクトル線図を成立させる(バッテリー解放電圧以上の起電力でバッテリーに電流を返す)条件は、

①インバータのスイッチング周波数が十分大きい。

②固定子(電機子 armature)コイルのLが十分大きい。

電機子→電気代、パワー(符号付)と関連 

界磁→ここでは永久磁石だが、電磁石でも銅損等がゼロなら電気代不要

③スイッチングの「切れ」が十分に速い

現実品がどれだけこの条件を満たしていて?rpmまで回生可能なのかは知らない。現実に「停止寸前まで回生」しているから、?に数字を入れても興味本位の話になるが。