落書き帳

あまり触れられないことに触れる
内容は備忘録のため、誤解等含め随時改変

エンジン技術_6 燃費の目玉(7) 2018年EPA投下データ SKY-G 

2019年02月03日 | エンジン・自動車

2018年、EPAがデータを大量投下した模様  

 

手始めはこのページの コレ↓

SAE 2018-01-1412 Constructing Engine Maps - Presentation at the April 2018 World Congress (PDF)

simulation用のEngine Maps をConstructする方法で、各社のやる「小細工」ではなく技術の話。

エンジン性能MAPはConstructなんぞ無用で定常データをそのまま使うだけじゃん!

がむかしむかしの見聞だが、EPA(の技術者)は凝ったテクニックが要ると主張する。

 

お次にこのページ    お題 Combining Data into Complete Engine ALPHA Maps

まず↓のmapが出てくる。

Sample Complete Engine Map for Fuel Consumption (BSFC)

SKY-G は最高出力点λ=1   !?  

最高出力点で250g/kWhまで落とすにはλ=1が必須だが、ビミョーに解像度が低いような?排気損失が激増する増量をやったら250g/kWhになるワケがない。

エンジン技術_6 燃費の目玉 過去の総括

 

芸達者のM社の絵は↓(2017年 SKY-Xプレス 赤線とg/kWhは勝手に記入)

 

SKY-Gの最高出力点は白ヌキ=悪い=リッチになっていて珍しくこの点では正直である。

と書いたあと↓を拾った。

Process for Generating Engine Fuel Consumption Map: Mazda SKYACTIV 2.0L engine using Tier 2 fuel (PDF)

4500rpm超の実データはなく推定で、最高出力点は盛りすぎ。250g/kWhの等高線を高回転側に伸ばし過ぎている。

T社2.5Lをメーカー公表熱効率マップ(左半分だけ部分負荷だけ)から推定したのが↓

Toyota 2.5L TNGA Prototype Engine from 2016 Aachen Paper - ALPHA Map Package - Dated 04-11-18 (ZIP)

250g/kWh等高線はこの程度なら違和感はない。低中回転の全負荷増量は「やっていない」ことになっているようだが、増量については

「推定有罪の原則」

を適用する。「やっていない」が実データで示されない限りやっている。口先の「やっていない」に対しては、

「このkW/L、BEMP で何故λ=1にできたのか?技術内容・データを示せ」

「無過給ではタッタ数%のトルクアップのためにドカンと大盤振る舞いの全負荷増量をするのが常識だが、常識打破のストーリーを述べよ」

「最高排気温度は?」

がお決まりの尋問。

T社2.5Lも高回転の高出力域は盛り過ぎだろ~と言いたいが、証拠はないのでここまで。

 

目的のブツはその下のEPA取得の実データ(取得には相応の¥と労力と脳力を要する)が入った

Complete Engine "ALPHA Maps" (based on benchmarking data)

 

とりあげるのは

SKY-G US2014(ε=13 レギュラー仕様) 使用燃料=USハイオクE0

2014 Mazda 2.0L Skyactiv Engine Tier 2 Fuel - ALPHA Map Package - Dated 03-29-18 (ZIP)

 SKY-G US2014(ε=13 レギュラー仕様) 使用燃料=USレギュラーE10

2014 Mazda 2.0L Skyactiv Engine LEV III Fuel - ALPHA Map Package - Dated 03-29-18 (ZIP)

 

その下の

Complete Engine "ALPHA Maps" (based on modeled, published or simulation data)

には数個のリンク先があるが全てsimulationの模様。メーカー公表BSFCマップから全域BSFCを推定している。

ここでの関心事は「生データ」と「事実」のみ。

 

 

ようやく本題へ

***** SKY-G 1500rpm BEMP の真実? *****

 

SKY-G→SKY-X で8年間引っ張った高負荷BSFCネタ。 引っ張り芸人の勝利か?!

EPAデータは4500rpmが上限で、それ以上のデータはない。

 

ハイオクE0使用のBSFCマップに追記

 

レギュラーE10使用のBSFCマップに追記

黒点は定常データ

上部の点線は 800rpm→4500rpm WOT_SWEEP  

40rpm/sec でエンジンrpm上昇なので、全体所要時間92.5sec→準定常とみなせる

下部の点線は 800rpm→4500rpm 全閉SWEEP  10rpm/sec でエンジンrpm上昇→準定常とみなせる

 

関心事は

WOT_SWEEPデータはそれなりに出ているが、1500rpm以下の定常トルクが低い理由は?

  

定常データ、SWEEPデータは全点全項目Excelファイルにある。

定常データは30秒間(←資料のどこかにあった)の時間平均値と思われる。

SWEEPデータはExcel中にはエンジン回転100rpm毎にトルクが記録されているが

[そのrpmの瞬時トルク計測値]  なのか [生値に対しなんらかの平均化・平滑化をしたトルク](移動平均等)

なのかは不明。 

 

WOT 公称値、定常データの各rpmでの最大トルク、WOT_SWEEPデータ をグラフ化

 

EXCELの定常データを眺めると↓の特徴が判明する

1500rpm以下は最大トルクのデータもλ=1で、1500rpm以下はWOT(アクセル全開)データを採っていない(採れていない)のでは?

吸気管圧力だけから言えば大気圧近傍で「全開近傍」だがこの先はアクセル開度でいろいろやりたくなる領域。低回転ではスロットル半開き以下でも吸気管圧力≒大気圧。

エンジン技術_8 アクセル開度~エンジントルクマップ作成

アクセル開度はデータがなく不明。法規上、汎用ツールでのモニター義務化項目で出力することは容易。

 

EPA定常マップデータに増量域を赤丸で追記

EPAのデーターシートの Exhaust Lambda<0.95 を「増量域」とした。

いわゆる「λ=1 F/B領域」でも Exhaust Lambda はピッタリ「1」になるワケではなく、いくつから「増量域」とするかは法律で決まっているワケでもない。制御系の挙動で見るならば

①触媒前O2センサの場合 前O2センサがリッチ⇔リーンのF/Bを停止してリッチに張り付く

②触媒前A/Fセンサ+触媒後ろO2センサの場合 後ろO2センサがビタ一文リーン側に振れなくなりリッチ張り付きになる(後ろO2センサのF/B停止) 触媒前A/Fセンサでもわかるはず

どちらの場合でも、制御マップ・制御ロジック上は「増量域」は明確に定義&設定されている。

EPAのデーターシートの Exhaust Lambda

は、A/Fセンサによる測定値で排気分析計による測定値(排気成分%からの計算値)ではない。といちいち書くのは排気の「状態」によっては両者は=にならないと考えるのがフツウだから。

 

 RDE対応で、消滅の方向にあるらしい

大オーバーラップのド派手掃気領域は、

「λ=1」 「増量」 「空燃比」

に関するビミョーな問題がある。↓は過給エンジンの例だが、無過給にもあてはまる。新気がスカスカ排気に抜けるのだから【空燃比】の定義自体が問題になる。

エンジン技術_11 過給エンジンの吸排気弁オーバーラップ中の掃気

は「マジメにやるとすればこうなる」の仕様(排気で見た空燃比がλ=1)を書いたが、

「マジメにやっていないorできない」

「新気がスカスカ排気に抜けるから、マジメにやっても新気抜け無しに対し排気性能がダメ」

が真実の模様。ド派手掃気の「実務」は知らないが、フツウに考えればここに行き着く。排気の状態としては(アバウトに離れて眺めれば)二次空気を入れるのと同じだが、大昔の「低負荷、低パワー域の冷機HC、COだけでEや~」とは要求が違い、高負荷NOx処理が前提。

 

本題SKY-Gに戻る。

ハイオクE0

レギュラーE10

4500rpmは排気温度が苦しいのでWOT手前からアクセル開度ではなく吸入空気量で増量する常識的な結果。どのカイシャも基本の制御仕様(データ設定ではない)は同じ。やりたいこと(要求)、やっていること(現実)が同じだから外から眺めれば同じになる。

λ=1限界kW/Lをガン見すると、イマドキ基準なら常識的数字でフツウ。「リッチもリタードもやっていない」はウソ。

WOT_SWEEPデータと定常マップデータを比較

1500rpm以下の最大トルクデータはWOTに非ずと思われる。EPAがデータ取得をWOT手前で打ち切っている理由を推定すると

① 定常データの安定性がない(ノックリタード等)

② 燃焼変動、トルク変動が大きく安定したデータが採れない ←低rpmのねじり振動共振点も関係する

 このへんのココロは冒頭のSAE Paperにあるので一部を引用

 1500rpm 定常データを拾うと↓

WOT_SWEEPデータはほぼ公称値に届いていること、残りの絞り出し

【増量】+【O/L=90°】

でなんとか届きそうに見えなくもない。

 

mazda技報2012によると、1500rpm WOT はO/L=90° US2014の量産仕様は不明

この種のモノは、「成立するか?」を見極めるのは面倒だが、「ヤーメタ」は一瞬で完了する。

VVTの作動は届出項目ではなく、ECUのROMを書き換えるだけ。

BSFCの傾向線から外れたデータを便宜上「ノックリタード」とした。黒縦線2本で挟んだ領域(データは5点)はバルタイは同じで吸入空気量/スロットル開度が違うだけなので固定バルタイと同じ。モノは言いようで「周囲のデータがノック制御によりトレースノック点火時期に対して過進角」とも言えるが別のEPAレポートに「全域ノック音無し」は明記されていたので「過進角」とはしない。

スロットル開度のデータは無い(法規上、汎用ツールでのモニター義務化項目で出力することは容易)が吸入空気量と吸気管圧力とバルタイから動作の想像はつく。

別の見方「仮想MBT線延長法」で眺めると

① 仮想MBT線上の下側にいる(トルクが低い)データは「MBTがとれていない」と解釈

② 吸入空気量~トルク特性は、中負荷まではハイオク、レギュラー共仮想MBT線上にいる=MBTがとれていると解釈

③ 高負荷はMBTがとれないが、ハイオク、レギュラー各々「この辺がトレースノックでの吸入空気量~トルク特性の中央値のはず」の線が引ける。データ点数が少ない+トレースノック点はわからないので(ノック制御が介入した点火時期になっている)各自が好きに引くしかない。その傾向線から外れた点を「何らの原因でトレースノック点火時期に対してノック制御による(誤)リタード量が多い」と解釈。

④ ↑を眺めると、ノック制御による過リタード点と決めつけた2点は吸入空気量がほぼ同じ。負荷率=吸入空気量/エンジン回転は点火時期を決める基本パラメーターで、ノック制御分=0としたときの「ベース点火時期」が進み過ぎの疑いあり。「ベース点火時期」に「角」「過進角ポイント」があってノック制御で過大なリタードが入っているように見える。勝手な脳内イメージを誇張した表現をすると「針が1本飛び出した過進角ポイントがあって、ノック制御で必死に逃げている」

「ベース点火時期」は昔の [ エンジン回転、負荷率 (=Qa/rpm) ] 単純マップ方式だけではダメで、VVT位置情報が必須になる。シツコク言うと「目標位置」ではなく「現在位置」の情報。VVTが動くと等吸入空気量(負荷率)でも実圧縮比、残ガス率が変わりトレースノック点火時期が変わる。何らかの「モデル演算方式」と思われるが、傍から眺める限りでは攻め切れていないように見える。←等吸入空気量かつ等バルタイのポイントでハイオク/レギュラー共「過リタード」に見えるところが引っかかる

他に想像できることは、吸気脈動の影響でAFMの計測誤差が大きく「過リタード」ポイントでは吸入空気量を実空気量に対し少ない側に誤計測→「ベース点火時期」が過進角→ノック制御で必死に逃げる 空燃比はF/Bで合わせている 「AFM空気量学習」とか言い出すと

「何を信用するか」

の無限ループに入るのでやった例は知らない。「空燃比学習」は(程度の差はあるにしろ)100%やっているが、

メリット>リスクだからやっている

と誰も書かないので書いておく。と書くとこの辺の専門家風だが、「イマ思えばそーゆーコトだったのね」

AFMが実空気量に対して多い側に誤計測すると、「ベース点火時期」が高負荷側にずれて過リタード。「ノック制御」はリスクがメリットに見合わないのでフツウは「ベース点火時期」(マップ値)に対してリタード側にしか動かさない。AFMがどちら側にずれても結局リタードする。

「ノック制御」は点火時期マップが「滑らかに凹凸なく」トレースノック点をなぞっているコトが大前提で、デタラメ凹凸を吸収するような能力は持っていない。デタラメ凹凸を「学習」で吸収とか言い出すのは大バカで、何をやっているのかワケがわからなくなる。

 

 

EPAデータの事実+推定+関心事まとめ

 

① WOT_SWEEPデータは1500rpmを含めほぼ公称トルクに届く。エンジン回転とトルク以外は不明だが【WOT】であることは明らか。空燃比は不明だが全域λ<1 と断定。

WOTでもタイマー等で増量せずλ=1なのだ、とか言い出す奴がいそうだがゲスは完全否定する。制御上はどうとでもできるが

「無過給ならWOT近傍アクセル開度なら即増量」

が常識。排気モードはATCVTならダウンシフトで逃げる、MTなら排気モードごときを加速できないシフトタイミングにならないのでカンケーない。むかしむかし某社某非力AT(米国仕様)は(特定rpm近傍のみ)スロットル75°までλ=1で逃げていたが75°以上では「即増量」で排気モードが逃げられればトルク優先。 AT側のキックダウン線は70°とキオクするからダウンシフトが先に来る。

EPAは「高負荷は中負荷から外挿して推定」としているようだが全面的な賛同はしかねる。過給の有無にかかわらず

「排気モードにカンケーなければ即増量・ヤバそうになると即増量」

メーカーは要らんリスクは回避するので、全域λ=1規制をやらない限りこうなる。

EPAの「データ外挿法」の具体的内容は関知しないが、結果だけを見れば「甘すぎ」で増量域のBSFC急増がない。

× 「λ=1領域」の傾向を外挿するように制御 こんな事は要求されていないからヤラナイ

〇 縛りがなければ安定側・安全側に振る → 即増量

SKY-GのインチキBSFCマップにはEPA(の技術者)の「立場上の意図」が透けて見える。インチキBSFCマップを極めたところで何も得るものはない。

 

② 1500rpm以下の定常データは増量が入っておらず、アクセル開度は不明だが【WOT】まで採れていないと推定。採れているデータも高負荷域は安定性を欠くことはBSFCを見れば推察できる。ノックリタードでBSFC曲線が「あるべき形」から外れていて、BSFCマップの等高線【だけ】が引かれたマップからは読み取れない真実がコレ。EPAが「高負荷定常データはsimulationに使えない」とする理由の1つ。

 

③ WOT_SWEEPデータはほぼ公称値に届く→準定常的に通過させれば公称値に届くから安定的定常データが採れなくても

【通過するだけだからEや~】

は合理的な面がある。T社無過給超圧縮比のWOTトルク公表値が1600rpm止まりになったのはこれが理由? 最終的には車両として動力性能・ドラビリ・その他が成立すれば良いとの考え方。20秒間(JIS規格上の定常性能測定要求時間)も低回転の最大トルク付近に留まることはフツウはない。

【通過するだけだからEや~】

は一瞬指先だけ突っんだキオクがある。AT専用は一部の高価格帯だけでMTが併存していた時期で、「燃焼変動率」(図示トルク変動)の基準に低回転高負荷は引っかかりやすい。リタードすると悪くなる→圧縮比を上げると悪くなる。イマとなって気になるのはこの基準を作ったのがキャブレター時代で、燃料の気筒間分配問題(負荷とrpmと時間軸その他でコロコロ変わったと思われる)のない燃料噴射仕様には基準値がそぐわなくなっていたのでは?(ATCVTのカイゼンもあり)その後この辺をどうしたのかは知らない。

点火時期の適合は、イマドキはECU~外部ツールとの通信で点火時期を任意に固定した状態で行う。定常データは高負荷でもそれなりに安定して採れる+マップデータ採りでもノック制御を無効化したければ無効にできるので、↑の話とは筋が違う。第三者評価において、ノック制御無効化は無意味+ノック制御を無効化する簡単・安価な手段がない。ノックセンサーのコネクターを外せば断線判定が入ってノック制御停止→固定値か何かでリタードしまくると思われるので試したい方はドーゾ。ノックセンサーはECUに接続したままシリンダブロックから外せばイケそうな気もするが、ノックセンサー断線/ショート判定のやり方(センサー+ECU入力回路+診断ロジック)は何種類かあって・・・とあいまいになるのは全て忘れたから。試したければドーゾだがエンジン破損に対しては関知しない。

 

④ SKY-Gの低回転高負荷は「ノック制御頼み」

圧縮比フツウ無過給ではフツウは採らなかった考え方・コンセプト。EPAのエンジンダイナモ室温、吸気温度、エンジン水温等の測定値を見るとごくフツウ。実車でどうなるか?はそれなりに想像がつく。

 

まとめ

SKY-G 1500rpm以下の最大トルクの実態と

T社無過給超高圧縮比の公称トルク1600rpm止まり(多分これが唯一の例)

は実質同じことでは?

やっていることが同じなのだから、実態も同じ。 

 

***** SKY-G 1500rpm BEMP 終わり *****

 

 

 

***** US2014 SKY-G EPA実験データのチラ裏 *****

 

 

*** チラ裏1 性能MAPに落書き ***

特記以外は LEV III Fuel (レギュラーE10) のデータ 

等点火時期(MBT)でもハイオク(E0)に対しE10は低位発熱量が低くg/kWhは大きくなる E0相当g/kWhに換算するには数字を×0.974 「×0.974」についてエンジン技術_6 燃費の目玉(4) SKY-G EPAデータに補足説明を追加

 

Cell Temp 実験室温 25℃程度

Cell Press 大気圧 97.5kPaA  A:絶対圧の意  Ann Arbor 代表地点標高 256m

 

【吸気管内温度】

絞っても温度低下はない

 

【ブースト絶対圧】

大作動角の吸排VVTで、3000rpm以下は(吸気弁軽負荷遅閉じ+内部EGR制御)フツウのエンジンとは「形」が全く違う。

3500rpm以上はフツウのエンジンに近いが、吸気弁軽負荷遅閉じはやっているので、軽負荷は等高線の間隔が詰まり気味。

可変動弁・外部EGR無しエンジンはWOTに対しほぼ等間隔で等高線が入る。

エンジン技術_8 アクセル開度~エンジントルクマップ作成

無負荷ブースト絶対圧 約20kPa アイドルゼロオーバラップ化+フリクション減で昔に比べると下がっている

遅閉じは無負荷絶対圧ブーストを上げる側だが上記の効果が上回る

 

【吸気VVT】

【排気VVT】

【オーバーラップ】

最大O/Lは1750rpmで、1750rpmでは全負荷増量が入っていて【WOT】

眺める限りでは、mazda技報2012の、1500rpm WOT O/L=90°はやっていないように見えるが制御上はアクセル開度でどうとでもできる

1500rpm以下の最大トルクのデータ(黒点の定常データ)はλ=1で、【WOT】ではない

 

【点火時期レギュラー】

【点火時期ハイオク】

 

ハイオク、レギュラーの↑をそれぞれ別タブで開いたままにして、交互に眺めれば様子がわかる。

特に低回転高負荷はハイオク/レギュラーの点火時期の差が大きい。1/2負荷以下の点火時期は同等。同等になるのは「ノック制御領域外」で、ベース点火時期のままだからと思われ。某社の「仕様」は大昔からコレで、楽勝MBT領域は常時ノックリタード量はゼロで点火時期に反映させない。「反映させて何が悪い!」との反論には、

・作動させるメリット≒0 楽勝MBT領域でノッキングしない(はず)

・誤作動のデメリット(=?)

を天秤にかけると結論は出る。

ハイオク/レギュラーで、ノック制御による点火時期以外の制御動作の差は認められない。「激ヤバ時の吸気VVTリタードロジック」は作動していない。

 

【触媒入口俳圧】(絶対圧)

記憶はアイマイ+経験値は無いが、現代排対仕様として低いレベルで「スカスカに抜ける」

ベンチマークレベル?

 

 

*** チラ裏2 SKY-G 低パワー域、アイドル燃費推定 ***

 エンジン技術_8 アクセル開度~エンジントルクマップ作成

で、イマドキ排気量2Lのアイドル燃費相場は

0.6L/h

程度では?と推定した。 

エンジン技術_6 燃費の目玉(6) VC-T

に、BSFCマップからの推定法を書いた。EPAのBSFCマップを使って、SKY-Gを追加すると↓

このグラフだけから「差異」「優位性」を読み取ろうとするのは信者サンor局所ヲタで、フツウの人は

「大同小異」

「1988OPELの低パワー域は悪くてアタリマエ」

←全体を眺めれば当時のベンチマークレベルだから全域ドヤ顔BSFCマップを発表してイマでもお世話になっている

と読む。

EPAの定常データから無負荷(空ぶかし 0Nm)に近いデータを拾うと↓ ダイナモ側で定回転制御をしているので平均値はピッタリ0Nmにはならない。測定中はアクセル開度は固定。電スロ仕様のエンジンダイナモ実験は、某社ではある時期からアクセルユニットをワイヤーで引くスロットルアクチュエータ(メカスロはこれでスロットルドラムを直に引っ張る)→定電圧発生器(パターン電圧発生器)からの電圧をECUアクセル開度端子に入力するやり方に切り替えたとキオク。EPAがどうしているかは?

SKY-G のアイドルは700rpmぐらい?

イマドキ2Lのアイドル燃費 脳内相場は 0.6L/h のまま変更なし

 

 

 

*** チラ裏 番外 三河ガソリン発熱量アップ?***

SKY-Gとは無関係な話

自技会誌 2019/09 によると三河ガソリンの低位発熱量は

2015年 236g/kWh=36.2% → 42.14MJ/kg

2019年 226g/kWh=37% → 43.05MJ/kg になったらしい。

計算上のMJ/kgを明示していないので「らしい」で止めておく。MJ/kgを明示するのが技術常識で、伏せておけばあいまいさがが出てくる。細かい話だが「1点しかない測定点の値なのか」「複数測定点のある等高線の値なのか」 

少なくとも「226g/kWh=37%」と表記しないと

()です

と逃げを打つ余地がある。

業界珍品である「全域公表」かつ「玉虫色小細工無しで等高線入り」なのでg/kWhマップに変換する。

標準フォーマットのg/kWh表示マップ  

【ベンチマーク帳】に記入してみる。

1ヶ所も下回るところはないが、底を一通りなめて最後はクソ馬力。「底を一通りなめた」ところが新規性。

 

 

以下フィクションを含む経緯

2013年 

H社 2L HEV専用 最小214g/kWh 熱効率%は言及せず 三河流42.14MJ/kgなら40%

↑↑に重ね書きすると、自称40% 2017年三河2.5L(ε=13 コンベ)とピッタリ重なる

g/kWhは各社信頼しうる数字を出しているようだが、熱効率%になると小細工をする 2019年現在、小細工臭アリは三河

 

2015年

熱効率40%と言い出す 新機種(何らかの手を入れた機種)の熱効率%の数字を広報する

この際の水面下閣議決定事項 「g/kWhは門外不出、熱効率%の数字だけ言え」

2015年7月 

MFi vol106 8NR-FTS(1.2L T/C) の記事  236g/kWh=36.2% 42.14MJ/kg が三河ガソリンの正体

2016年3月

自技会20164162(技術論文)に8NR-FTSのg/kWh表示BSFCマップを掲載

査読有りの技術論文に低位発熱量不明な熱効率%だけを記載しようとして却下された

2016年9月

自技会誌2016/09 1GD-FTV (2.8Lディーゼル) 最大熱効率%とg/kWh表示BSFCマップを掲載

三河軽油も三河ガソリンと全く同じ42.14MJ/kgらしい

熱効率%は日常全く使わない広報専用で、ついついg/kWhが出る

熱効率%マップは、g/kWhを換算して某デファクト標準ソフトでマップ化すれば出来上がりだが、日常的・直接的計測値ではないからエンジン屋は全く見ない&使わない

再度箝口令が発せられ、以後は熱効率%の数字だけ言うようになる

2019年

某国際シンポジウムでガイジンに刺される 大風呂敷を広げる前にデータ武装がアタリマエだが丸腰だった模様

ガイジン 「三河ガソリン、三河軽油の低位発熱量は世界最低値だ」

三河侍  「・・・」

2019年9月

自技会誌2019/09 V35A-FTS (2017年~ 3.5L V6 2T/C) 226g/kWh=37% ここまでは書いたがMJ/kgは沈黙 計算上は43.05MJ/kg 

 

g/kWh、MJ/kgを明記しない三河熱効率%は以後も全て

236g/kWh=36.2% 42.14MJ/kg

を適用。

「熱効率40%以上」が曲者で、広報がらみの小細工はどのカイシャも同じ。42.14MJ/kgの過去は「40%効果」が薄れたから「なかったこと」にしたいようだが小細工は消えず。

2013年 自技会20135079 2AR-FSE 216.1g/kWh=38.5% → 43.27MJ/kg

三河ガソリンの低位発熱量が継続的に低かったのではなく、「熱効率40%」と同期して急降下。石油屋がタンクローリーで納入する毎にMJ/kgデータを報告している? 簡単+高精度+安価な計測法はない。

低位発熱量の「真値」はここではどうでもいい話になる。混合物であり組成が一定ではない。単一成分でも計測が厄介で数値に「揺れ」がある。費用に見合う「成果」が(フツウは)ないからいちいち燃料発熱量は測らない。むかしむかしは10500kcal/kg以外見たことがない。

 

自技会誌2019/09

S社 

データはg/kWh表示 熱効率%は採用した低位発熱量(42.5MJ/kg)を明記して

214g/kWh 40%

と正確に表記 「」は皮肉orご愛嬌 

資本提携したが低位発熱量は「提携」しない。

H社 

FEV(コンサル+請負屋)データベース g/kWhを42.5MJ/kg相当に正規化して表示

含酸素成分(エタノール等の混ぜ物)がない炭化水素のみの石油系液体燃料ならば、g/kWhがモノサシ。

 

2020/02 追記

MFi vol 161 p72の図を引用 図の内容はここではどうでもいい。

熱効率%には、LHVとg/kWhを併記するのが常識となった。

三河侍はいつまで「LHVは知らぬ存ぜぬ」を押し通すか、生暖かく眺める。

「図の内容はどうでもいい」と書いた後日記。

右下を切り捨てて書いているのは

① 車両として、ヘンテコ運転をしない限り定常的には不要な領域

ここまでは常識の範囲内だが

② 右下は失火しやすいので切り捨てたい との意思表示

狭い範囲の見聞では、気筒容積がデカイほど厳しい。