同順位者間での法定相続分は、基本的に平等です。
お父さん、お母さん、お兄ちゃん、お姉ちゃん、僕の5人家族を例にします。
ここで、お父さんが亡くなりました。
相続関係は、配偶者別格+第一順位相続です。
具体的な相続分は、まず配偶者別格の原則を考えて、お母さんが1/2。
そして、第一順位の相続人たちが、残りの1/2です。
これを第一順位者間で平等に分けます。
したがって、お兄ちゃん、お姉ちゃんと僕の相続分は、それぞれ1/6(=1/2×1/3)ずつです。
しかし、相続分が同順位者間で平等にならないケースが2つあります。
それは…。
①半血の兄弟姉妹間の場合。
②婚外子(非嫡出子)がいる場合。
キーワードは、他の1/2になるです。
今回は、具体例を通して①のご説明をします。
①半血の兄弟姉妹間の場合。
これは、第三順位相続(兄弟姉妹間の相続)の場合に生じます。
お父さんとお母さんは既に他界しました。
残る親族はお兄ちゃんと僕の2人です。2人とも独身貴族です。
しかし、お父さんには、前妻との間に子が1人いました(お姉ちゃん)。健在です。
ここで、お兄ちゃんが亡くなりました。
相続関係は、第三順位相続のみです。
したがって、相続人は、お兄ちゃんの兄弟姉妹である僕とお姉ちゃんの2人です。
ところが、僕とお姉ちゃんは、お兄ちゃんの兄弟姉妹であっても、その性質が異なります。
・僕は、お兄ちゃんと全血(父母一緒)の兄弟姉妹。
・お姉ちゃんは、お兄ちゃんと半血(父か母が一緒)の兄弟姉妹です。
このことから、民法は、僕とお姉ちゃんとの相続分に差を設けると定めました(900条第4号但書後文)。
それは、半血の兄弟姉妹の相続分は、全血の兄弟姉妹の相続分の1/2とする、という内容です。
基本どおりであれば、「僕:お姉ちゃん=1:1」です。
しかし、今回は、民法により、「僕:お姉ちゃん=1:1/2」と修正されます。
ここから、僕の相続分は2/3、お姉ちゃんのが1/3です。
※注)僕:お姉ちゃん=1:1/2=2:1
…「相続人って誰なのよ⑤‐2(相続分が半分に)」につづく。