活版印刷紀行

いまはほとんど姿を消した「活版印刷」ゆかりの地をゆっくり探訪したり、印刷がらみの話題を提供します。

大航海時代がもたらした日本布教

2015-07-10 10:37:06 | 活版印刷のふるさと紀行

  はげしい雨の中を銀座教会へ行きました。毎年恒例の教会主催の聖画のッ展覧会で級友、大田 久さんの出品作拝観のためです。

 実は級友といっても高校のときで、今日、雨をついて出かけたのは同級生10名ばかりがここで集まって、そのあと食事をともにしてみんなで近況を話し合おうということになっていたからです。

 偶然といえば偶然ですが、彼はクリスチャンではないのに、大学卒業以来ずぅと聖画を画題にして研鑽を積んできた画家です。実は私も信者ではありませんが、卒論にフランソワ・モーリャックを選んで以来、キリシタン版の印刷→イエズス会→カトリックという流れで私なりにキリシタン史を追いかけてきました。

 たまたま、いま、東洋宣教に派遣されることを熱望した修道士の願書がイエズス会の会長の机の上に山と積まれたころのことを調べております。時代でいえば1570年前後、マルチン・ルッターの宗教改革で槍玉にあげられたカトリック界が「トリエント公会議」や「レバントの海戦」あるいは「ピオ5世の改革」などを経てふたたび、キリスト教の精神にめざめ、ザビエルはじめ多くの東洋派遣の宣教師の現地からの手紙に刺激されたこともあって東洋布教を志したころのことです。

 加えて「大航海時代の幕開け」が重なったからこそ、有能な宣教師が日本を目指したのだと思います。ザビエルの来日から鎖国までの「日本のキリシタンの世紀」について「印刷」を中心に私はもっと追い求めたいものです。

小さなクラス会を終え、太田画伯から頂いた12使徒の習作を大事に抱えて、いっそうはげしくなった雨の中を帰ってきました。彼のひたむきな画業やあくことのないテーマ追求にに刺激されたいい日でした。





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