これはかの有名なラファエロの「聖ゲオルギウスと龍」です。
昨日4月23日は本を贈る『サン・ジョルディの日』、たまたま、その23日は私の所属する印刷文化の研究グループ「神田川大曲塾」年1回の総会の日でした。塾長の樺山紘一先生がそれにちなんで話された内容が興味ぶかかったので、ここにダイジェストさせていただきます。
サン・ジョルディの日は2月14日のバレンタインほど日本では知られていません。日本でバレンタインとチョコレート・プレゼントを結びつけたのはチョコレート業界に身を置いた女性ですが(外国では通用しません)、サン・ジョルディとブック・プレゼントを結びつけたのはどうやらスペインの本屋さんらしいのです。
ところで、上のラファエロの絵の中で右の美女を救おうと敢然と手前の龍に立ち向かっているのが馬上の聖ゲオルギウス(セント・ジョージ)です。、彼はのちにイギリスを国難から救った守護神聖人として崇められるようになったのですが、その彼の祝日が4月23日にあたります。
イギリスではゲオルギウスを文豪シェイクスピアに重ね、スペインでは『ドン・キホーテ』の作者ミゲル・デ・セルバンテスに重ねてるようになったといいます。ゲオルギウスユリウスの剣を二人の文豪のペンにみたててのことでしょう。また、ユウリュスとレゴリオの使用暦の差があるので厳密には違うのですが、1616年4月23日、ゲオルギウの記念日がシェイクスピアとセルバンテスが生涯を閉じた日でもあるそうです。
そんなことからでしょうか、4月23日、ゲオルギウスの記念日がセルバンテスとのゆかり?からスペインの本屋さんによって本の日、サン・ジョルディの日に仕立てられたようです。ちなみにカタロニア語で「聖ジョルディ」と発音することから「書物の日」に指定されました。つまり、4月23日が、本とバラを贈答する「サン・ジョルディの日」になり、事実、バルセロナの書店の書物の日の店頭風景のスライドを見せていただきました。