コロタイプという印刷方式にはなつかしい響きがあります。学校の卒業アルバムや小部数の記念アルバムや絵葉書など活躍の場は広かったといえます。手間のかかる印刷ではありますが、ある意味では写真製版の代表選手のように言う人もいました。
ところがデジタル時代の到来で銀塩フィルムが製造中止に追い込まれたりしてコロタイプ印刷は影が薄いのではと思っていましたが、さにあらず、新しいネガフィルムの登場でインクジェットと結びついてデジタルコロタイプとして活躍の新領域を広げているというのです。
1月16日の印刷図書館クラブ木曜例会で東海大学名誉教授の高橋恭介さんのレクチュアを受けました。分光特性だとかトーンカーブだとかいろいろむずかしいことは省くとして、デジタルコロタイプ印刷はとくに文化財の複製に威力を発揮できるとのこと。これを可能にしたのはピクトリネガフィルムとよばれる三菱製紙のフィルムの出現によってのことだそうです。
文化財の忠実で高精細の複製に用途が広がる画像処理技術として注目したいものです。
写真はピクトリコプロ・デジタルネガフィルムTPS100のカタログから。