今日の関東地方は寒さが戻りまだ風も強く真冬の1日でした。
私の「ノロウィルス」もやっと静かになり、今日やっと"おかゆ"を食べる事ができました。繰り返しますが、皆さんもくれぐれもご注意下さい。
さて、今日のタイトルですが、海外の医療データベースから面白い研究結果が報告されました。
人の脳に与える刺激・ストレスに対して、普段から良い関係の続いているパートナー同志で手を握るとストレスが軽減するというのです。
実験にはいくつかの条件や前提がありますが、ちょっと面白いですね。この実験ではストレスを感じる妻が、愛する夫から手を握ってもらったらストレス度合いが減少したというもので、逆に夫の側に効果があるかというと定かではないようです。
私たちも、親しい人や親兄弟、パートナーとのスキンシップは心を和ませるということを感覚的に知っています。日本人は握手や抱擁はあまりしませんが、時と場所をわきまえた適度なスキンシップは、どんな形であれ心を和ませてくれる為に必要かも知れませんね。
恥ずかしがらずに、たまにはパートナー手を繋いでお買物も良いのでは・・・
*** 以下発表論文概要 ***
幸せな結婚生活を送る妻は夫の手を握ると、ストレスが減少する
WebMD Medical News(12月20日)
幸せな結婚生活を送る夫婦では、配偶者の手を握ると、ストレスの軽減に役立つ可能性がある。この知見はバージニア大学の心理学専門家が幸せな結婚生活を送る夫婦を対象に研究を行って得たものである。
James Coan, PhDらが実施 した本研究は、幸せな結婚生活を送る30代はじめ(平均)の夫婦16組を対象とした。
最初に、夫と妻は結婚生活の質について0-151の尺 度で評価した。スコアが100未満の場合、不幸せな結婚生活と判断した。本 研究の参加には、夫と妻の両方のスコアが高いことを条件とした。研究対象として選択した夫婦において、夫の平均スコアは126、妻の平均スコアは127であった。これらのスコアは「結婚生活の質が一般に高いことを示す」と研究者らは記している。
○手を握るとストレスが軽減
夫婦には、これは手を握ることについて検討する研究であり、軽度の電気ショックを伴うことを説明した。 妻は足首に電極を付け、電気ショックが来ることを警告またはショックが来ないことを保障するスクリーン画面を注視した。
一方で研究者らは、機能的磁気共鳴画像法(fMRI)で妻の脳をスキャンした。Coan博士の研究チームは、夫婦をfMRI装置にあらかじめ慣れさせておいた。
予測された通り、電気ショックが来ることを妻が知った場合、脳スキャン画像では脅威を扱う脳領域の活動が認められた。
しかし、同じ脅威を受ける際に妻が夫の手を握った場合、握っていない場合に比べて、脳スキャン画像は穏やかな状態を示した。
他人の手を握った場合
比較のため、会ったことのない見知らぬ男性の手を握ってもらい、同様に妻を試験した。他人の手を握っている間、妻の脳スキャン画像は、誰の手も握っていないときより穏やかであったが、夫の手を握っているときと比べると、穏やかさの程度は少なかった。
また、妻は、各実験の不快度およびストレス度について評価した。
誰か(配偶者または他人)の手を握っている場合には、身体的に落ち着きを感じたが、実験の不快度は夫の手を握っている場合のみ軽減された、と妻らは回答した。
つまり、誰の手もまったく握っていないよりは、他人の手を握った方が良かったが、夫の手を握ったときに最良の結果が得られた。
本知見は、孤立より社会的つながりをもつことが有益であり、親密な感情的結びつきが重要であることを示す他の研究結果と一致する。
○幸せな結婚生活が重要
本研究に参加した夫婦は、いずれも幸せな結婚生活を送っていた。しかし、一部の夫婦は結婚生活の質について、他の夫婦よりもさらに高く評価していた。
妻の脳スキャン画像では、脅威にさらされた際に配偶者の手を握ることで得られる効果は、夫婦関係がより強固な場合にさらに高かった。
つまり、脅威にさらされた状況で夫の手を握った際、最良の結婚生活を送る妻の脳が最も穏やかであると考えられた。
研究者らは夫の脳スキャンは実施 しなかった。したがって、ストレス下で妻の手を握ったとき、夫の脳が穏やかになるかどうかは、明らかでない。
今回の知見はあまり幸せでない夫婦関係にはあてはまらないと考えられる、とCoan博士の研究チームは指摘している。