以前から骨髄バンクの普及や血液難病患者さんの支援に関わる活動をご紹介していますが、骨髄バンクの登録会は、大抵街頭の献血会場で併行してキャンペーンが行われていたり、各地の日赤献血ルームで行われることが多いと思います。ドナー登録には、2mlの採血と医師の問診が必要な為です。
私も骨髄バンクのドナー登録説明員として各地で登録業務のボランティア活動をしていて感じますのは、本当に多くの方が献血して下さり、直ぐに血液製剤として患者さんの元に届けられ命を救ったり治療に役立ったりする、このシステムは素晴しいことだと思っています。
しかし、相変らず極少数でしょうが献血する事でエイズ(HIV)の検査が出来ると考えて献血会場を訪れる人がいることも事実でしょう。
以下の記事のように、献血血液のHIV陽性率が過去最悪の数値になっているようです。記事では「HIV感染に気がつかず献血した人が増加・・・」としていますが、理由はそればかりではありません。日赤では献血された血液は厳重な検査を行い、もちろんHIVの検査も厳密に実施してますから、陽性反応のある血液は廃棄される事になります。
ですが、他の検査結果は献血者にシール葉書等でお知らせされますが、HIVの陽性反応などは一切連絡されませんし、聞いても教えてもらえません。
これは、検査結果を通知すると、益々HIV検査を目的としたリスクの高い献血が増えてしまうことを警戒しているからです。
せっかくの皆さんの善意が無駄にならないように、安全な献血血液が確保され、多くの患者さんのお役に立つようにするためにも「間違った意識での献血を撲滅」する事が重要ですね。
日赤さんや厚労省も、もっともっとこの点をPRすべきではないでしょうか?
献血血液のHIV陽性率、今年上半期は過去最高
献血された血液のエイズウイルス(HIV)検査で、昨年17年ぶりに減少した陽性率が、今年上半期に増加に転じ過去最高となったことが、厚生労働省のまとめでわかった。
31日に開かれた同省薬事・食品衛生審議会血液事業部会で報告された。同省血液対策課は「感染を知らずに献血した人が増加しているのではないか。医療機関などでの検査体制を充実させる必要がある」としている。
上半期の献血件数約248万件のうち、HIVが検出されたのは48件(うち女性3件)。10万件当たりの陽性率は1・935で、昨年1年間の1・466を大きく上回った。
(読売新聞) - 10月31日