自分史・・純粋バカ一代・・ZAIYA友二 ・・デビルモンスター回顧録……旧タイトル 515の放浪

デビルモンスター逸話集・・そののちにアメリカ人たちから『デビルモンスター』と呼ばれた『オレ』の思い出話・・

第1話 【年下の男の子という場所にて】 《第2章》

2013年08月22日 16時20分50秒 | 515の放浪
 直前に、先輩の様子が変だと気づいたことがあった。

 岐阜県出身のキザワ先輩のお姉さんが来ていた。東京に出ている弟の様子を見に来るということもあるけど、2・3日東京に遊びに来て弟の部屋に泊まるということらしい。
お姉さんが来た日の晩は、販売所の5人が集まって鍋パーティーになった。

 お姉さんは25才。年上の大人のおんなの人にみんな興奮気味だった。そんな中 キザワ先輩は暗い表情だ。普段は陽気な人が身内の前でこんなに変わるだろうか。

 「どうしたの?」横に座ってたオレは小声で探りをいれてみた。先輩は「どうもしてないよ…おまえこそ どうしたんだ?」

 なんだよそれ。「今何時?」って聞いたら「お前時計持ってないの」って返されたみたいだ。「どうしたの?」って聞いたら「今日はゲリぎみなんだ」とか わかりやすい返事がほしかったのに…

 翌日、お姉さんは朝から出かけて 先輩は部屋にいるんだろうなと、夕方訪ねてみた。
部屋に雨戸が閉まってる。雨戸が閉まった部屋は、妙に不気味に感じた。中で先輩が首吊り自殺してるのかと思うような。

 なぜ自殺?と考える前に部屋のドアをノックして確認しよう。オレの思い過ごしと結果がでるためには、確認するに限る。

「先輩!」と声をかけながら、3度ノックしても返事がない。ドアの鍵は開いてるような気がした、だって、お姉さんが夜には帰ってくることはわかってるんだから、中に入れないだろう、鍵がかかってたら…

「えっまさか」身内であるお姉さんが来ているタイミングで、部屋の雨戸を閉めて…
 開けなければいけないと思った。中で先輩が天井からぶらさがっていたとしても、それをお姉さんに見せるわけにはいけないと考えていた。

 思い切りドアを開けてみると、簡単に開いた。薄暗い部屋の中には誰もいなかった。不思議な部屋だ。外は雨戸が閉まってて、無人で、ドアには鍵がかかってない。お姉さんが来ているタイミングに、なぜそんな日常と違うことをしている。わからん。

(つづく) 第1話全編 は[FREE PAGE]に掲載します