MY LIFE AS A FOOTBALL

ないかな ないよな きっとね いないよな
会ったら言えるかな まぶた閉じて浮かべているよ

少年時代 12

2014年04月28日 | 少年時代

豊田と大久保が活躍した日・・・・・・

ボクはガキんちょたちと半日サッカーをしていた。

土曜日、通常は御年70になる団長の出番なのだが、
近所の不幸のために、急遽ワタシが出張ることになった。

土曜は練習メニューなしで、ゲームオンリー。
とはいえ、33人の小学生を相手にするのは頭痛が痛い。

校門を入ったとたん、
木の上に乗っかったボールを落とそうと、6.7人がキャーキャー騒いでいる。
無言で近づき、野球部のトンボを使い突っつき落とす。

「さすがコーチ!」
「その手があったか!」
「今やろうと思ってた」

・・・・・・

珍しく肩から下げるメッセンジャーバッグを持っていったら、
もうさっそく中味を知りたがる。 やかましいなぁ おめぇらは・・・

後のお楽しみがあるから、中味を見せないワタシに、
「あぁ、エロホンだ」「コーチがエロホン持ってるって」「ウソー やっぱり」
・・・・・・やかましい!

「もうエロホンなんか買わねぇって。エロDVDならたまに見るけど」
と、思わず言ってしまう^^

しばらくうるさい^^

ベンチに座るワタシのひざの上に乗っかり、
「ボクは絶対にエロホンは見ないよ」と言うショウは3年生だ。
そうだな、まだ3年生だもんな。 まだ正義の味方だな・・・


よし、始めよか 整列して挨拶だけはさせる。
ルーティーンワーク ってやつだ。

整列はしたものの、ふたりしかいない4年生がジャレあっている。
仲が良くていいのだが、今朝はどうした?周囲が引くほどのイチャイチャぶりだ^^

無言で近づき、裏拳でスナップを効かせ、指ゲンコツを1発ずつお見舞いする。
フルでやると素晴らしい音がして、強烈に痛いのだが、6割程度にしておく。

新学年になって初めて顔を見せた問題児 カズヤがこちらを見ている。
ここはリクエストに応えねばなるまい。

膝蹴りのフェイントから、両手で顔をはさんで
「カズヤ~久しぶりだなぁ~」 と言いつつ前後に30センチほど5.6回揺さぶる。

カズヤ、目を白黒させつつ「お久しぶりです」と、礼儀正しい。

さて、8✕4で32名 あまり1 と。
4チームを、オレンジ、黄色、青、緑のビブスに分けて試合開始だ。
もうここまでくると、ボクの仕事はない と言っていい。

トーナメントが始まる。

せっかくだからレフェリーくらいはしましょうね。
いつもはレフェリーなしで、自分たちで勝手にやるんだと。

試合のない2チームも、ミニゴールを使ってそれぞれ練習している。

縛り(しばり)の無いゲームは、個性が噴出する。
いつもは見ることのない(見せない)プレーや、性格や気質まで垣間見える。

そう、今日は怖い怖い団長も監督もいないのだ。
大人といえば・・・・・・どことなく上品で頭の良さそうなコーチだけだ。
言うまでもないと思うが、ワタシのことだ^^

おっと、久しぶりのカズヤがまたシュートを打とうとしている。
そばに低学年のちびっ子がいるのにもかかわらず だ。

「カズヤぁ てめ ちびっ子に打たせろ!ちったぁ考えろ!」

と、静かに諭す。

しばらくすると、またカズヤにシュートチャンスが巡ってくる。
カズヤ、ちびっ子にパスを出す。
正確に言うと、パスのようなものを だ。

技術が稚拙なので、『さあ、どうぞ』というようなパスは出せないのだ。
それでもちゃんとパスを出したカズヤをホメ・・・・・・なかったか^^
ま、いいヤツだってことは知ってるし。


なんだかんだで、優勝はオレンジチーム(カズヤもいた)
もう昼じゃん。 

「トキぃ 整列させてとっとと終わろうぜ」 と、キャプテン・トキに命じる。

「よし、終わりましょう。 優勝チームには賞品があります」

と、メッセンジャーバッグからセブンイレブンで仕入れた
タケノコの里と、のど飴を授与する^^

この日いちばんの盛り上がりをみせる^^ 

たったひとつぶののど飴に、心の底から喜ぶ彼らを見るのは楽しい。

そう いまのうちだ。

エロホンを絶対見ないと言えるのも、
タケノコの里に目を輝かせるのも。


さてと、ボクも家に帰ってランチにしましょう。