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韓国軍指揮権委譲

2006-08-11 | 米韓同盟

韓国軍指揮権委譲の続きー半島動乱は起こるか?


またまた,素人の独り言で申し訳ありません。現在,韓国は歴史的な転換点にあります。しかも,このところ急速に事態が展開しています。見逃すわけにはいきません。

アメリカが指揮権委譲を2010年以前に前倒しする,といっていましたが,ここにきて指揮権を2009年に前倒ししてもいいといい始めました。合わせて,兵力削減についても触れています。アメリカは一刻も早く韓国から手をひきたいようです。韓国がどうだろうとおかまいなしのようです。いよいよ,米韓同盟の破棄が見えてきました。

さて,この流れを受けて半島の行方はどうなるのでしょうか。


北朝鮮が韓国に攻め入る? ●

ロシアや中国の協力は得られにくい

北朝鮮が韓国に攻め入るには,当然中国かロシアの後ろ盾または了解が必要です。戦争の初歩だと思いますから。

ロシアは考えにくいので,中国でしょうか。

しかし,北朝鮮が攻め込んだら当然安保理決議になるでしょう。中国は拒否権を発動するわけにはいかない。そんなリスクをおかすメリットがない。

弾丸,食料,燃料がない

また,北朝鮮には攻め込む弾薬や食料,燃料が不足しているでしょう。3日しかもたない,という話を聞いた事があります。北朝鮮が韓国に攻め入るときの目標がガソリンスタンドとスーパーマーケットではしゃれになりません。正規軍なのに,最初からゲリラ化しています。

半島の戦争は歴史的にせこい

半島は歴史的に圧勝できる戦争しかしません。他国に攻め入るときは,火事場泥棒のような形で戦争に加担します。

韓国軍は北朝鮮に対して圧倒的な軍事的プレゼンスを誇ります。北朝鮮が勝てるのは人数だけです。背後には米軍が控えています。いくら米軍が韓国から手を引きたいからといっても,北朝鮮が攻めてきたら間違いなく韓国を支援します。米軍は朝鮮戦争の轍はふまないでしょう。北朝鮮軍は勝てる見込みがありません。レミングのような戦争しかありません。半島の人たちは,そういう行動をとるタイプではありません。

※ただし,米軍は地上軍を投入しないと思う。投入したとしても,象徴的な意味合いしかもたせないと思う。

従って,北朝鮮が韓国に対して戦争を起こすことは考えにくいと思います。



ABC兵器の使用は ●

ABC兵器(核,生物兵器,化学兵器)を使うことはもっとありえません。それこそ北朝鮮が各国から永久に抹殺されます。それと,半島には思い切ったことをやる度胸はありません。歴史的に証明しています。


アメリカの軍事行動

米軍のポジション

今までは38度線でにらみあっていました。というより,米軍にとっては,ソウル米軍の兵士やその家族およびソウル在住のアメリカ人に被害が出ることが一番嫌なのだと思います。従って,北朝鮮の進攻はなんとしてでも防ぐ必要がありました。つまり,韓国は米軍を人質として,かつ米軍を北朝鮮に対する抑止力に使っていたわけです。

しかし,軍事指揮権の委譲⇒兵力削減という流れは明らかにアメリカが韓国を見捨てた,ということです。2009年と言っていますが,韓国政府の言う2012年でさえも韓国は米軍の抜けた跡埋めは難しいでしょう。それでも米軍は撤収する,といっているのです。軍事的に不安定な状態が半島にできることを,アメリカは容認しているわけです。ソウルがどうなろうと我関せず,ということです。在韓米軍が撤収すれば,少なくとも半島在住の米軍関係者に被害が及ぶことはありません。そこにいないのですから。

考えてみると,ソウルに米軍が駐留する,というところにアメリカの心意気を感じます。半島有事の際には,真っ先にソウルの米軍基地に甚大な被害が出ます。北朝鮮はミサイルでなく,旧式の大砲で攻撃しても届くような位置に基地があるのです。アメリカとしては逃げ出したかったでしょう。ソウルに基地があることにほとんど意味がありませんから。北朝鮮に対するプレッシャーだけです。割が合いません。

米軍のスタンスとしては,ソウルを火の海にされてもかまわなくなった,というより,ソウルは囮です。ソウルが火の海にされることを前提に軍事行動を起こすわけです。海と空から自由に北朝鮮を攻撃すればいいのですから,テレビゲームのような戦争です。陸上部隊は韓国軍にまかせればいいので気楽なものです。

この流れは米韓同盟の破棄にまで及ぶ でしょう。半島はすでにアメリカにとって戦略上重要な場所ではなくなりました。守る意味がない,ということです。最終ラインは対馬海峡です。38度線ではありません。

しかし,韓国には緩衝地としてのメリットがあります。米韓同盟が破棄されたとしても,北朝鮮が韓国に攻め入った場合,当然米軍は動くと思います。安保理決議を通すでしょうから,即時応対というわけにはいきませんので,韓国の被害は甚大なものになると予想されますが,それは韓国の問題でしょう。アメリカのせいではありません。

もっとも,北朝鮮が韓国に進攻した場合,日本にも当然ミサイルが飛んできたり,テロが発生することになると思いますので,即時に日米合同で北朝鮮を攻撃することになるわけですが。

※今までは北朝鮮が緩衝地でしたが,これからは半島まるごと緩衝地になるわけですね。

 


 



北朝鮮を攻めることは誰も望んでいない

半島の唯一のメリットは,東西陣営の緩衝地としてです。中国も韓国もお互い直接境界を接したくないわけです。お金がかかりますから。

また,東北中国の混乱につながりますので,中国は北朝鮮の難民を引き受けたくありません。

韓国は北朝鮮を引き受けることを嫌がっています。東西ドイツの統一に見られるように,韓国は北朝鮮を引き受ける国力がありません。日本もそんなことにお金を出したくないわけです。

そもそも北朝鮮に占領するメリットがありません。鉱産物は多少とれるようですが,そのくらいです。デメリットのほうが圧倒的に多い。使えない人間が2000万人もいます。対して,原始時代のような産業しかありません。日韓併合をやり直すようなものです。

結局,北朝鮮は東北アジアの やっかい者 のわけです。なんの役にもたちません。

従って,周辺諸国が望むのは,北朝鮮放置です。半島に有事がおこって欲しくないわけです。もし有事が起きれば,各国はパイの取り合いをしません。半島に介入しつつ,いかに半島から手を引く の競争になります。半島には価値がないばかりでなく,下手すると半島にむしりとられますから。


では,どういう変化が予想されるか

もし,半島に何かおこるとすれば,戦争ではなく,次のような事態が想定されます。

  韓国の軍事クーデター

  赤化統一

  連邦制

  金正日死後の北朝鮮の体制変化

一番あり得るのは,金正日の死後,北朝鮮に変化が起こり,世界と融和的な政策をとることでしょうか。しかし,韓国の軍事クーデターや赤化統一(連邦制など)が早期に実現する可能性はすでに大穴ではないと思います。半島にもようやく冷戦構造の終結が近づいてきたようですが,それが変にねじれた構造になっています。半島は異次元だということがよくわかります。どのような経路をたどるにせよ,現在,韓国は世界的にかなり孤立しています。おそらく,経済的にも疲弊していく可能性が強い。なし崩し的に半島が一つになる,ということが半島的なあり方だと思います。

 

その2に続く



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