こすた みあ Diary

旅の思い出、日々の記憶・・・

坂本龍一

2005-12-09 | Preciuos
 坂本龍一 PLAYING THE PIANO / 05

キラキラと輝くクリスマスイルミネーションを師走の慌しい風が吹き抜ける。
人ごみで溢れかえる渋谷の雑踏を通り抜け、初恋の人のピアノコンサートへ。
TV画面に登場したプロフェッサーSAKAMOTOに恋をしたのは、今から遡ること○十年前。
当時は、この人と結婚する !! と本気で心に誓っていたのだから末恐ろしい小学生だった。
( そんな恐ろしい子供は大人になると一体どうなるのかといえば、今では「修二と彰サイコー !」
なんて言っていたりする・・・)

日本では6年ぶりに開催されるピアノコンサート。しかも今回はツアー形式で本日が初日。
オーチャードホールのステージに登場した教授は、「平常心」と自分に言い聞かせながら
ピアノの上に置かれた白檀のインセンスに火を灯した。風向きによってふわっと漂ってくる
教授セレクトのお香の香りを感じながらピアノの音色に聞きほれる。

Energy Flow から始まり、The Sheltering Sky まで。
教授が奏でるピアノの音、一音一音が、コツンコツンと身体の1番深いところに落ちていく。
琴線に触れるってきっとこういう感覚のことを言うのでしょうね。

プログラミングされたもう1台のピアノとピアノデュオを奏でた チベタン・ダンス、教授曰く
「イタリア人に受けるんです」という 美貌の青空、生演奏を始めて聞いた Shining Boy &
Little Randy (映画「星になった少年」テーマ)。そして、アンコールで奏でた Aqua の美しい
旋律に涙。客席に明かりが戻り「本日の講演は全て終了いたしました」というアナウンスが
流れる中、立ち上がれずにアンコールを求め続けたオーディエンスたち。
「ありがとうね。仕方ない。あんまりこんなの演奏したってネットに書かないでね。」
しぶしぶ教授が応えてくれたアンコール(笑)は、The Sheltering Skyの渾身の演奏。
(書いちゃった。ごめんね教授。)

なんだか涙が溢れて仕方なかった。予定調和ではなく、本当にオーディエンスたちが求めた
アンコール。それに応えてくれた教授のピアノの音色は本当に本当に美しかった。

教授の紡ぎ出す音の世界には、生きることの美しさと同じぐらいに悲しさも同居していて・・・。
だからじっくり聞き込むとついつい涙が溢れてしまう。帰途を急ぐオーディエンスに促されて
立ち上がる。後ろを振り向くと、後ろのシートの男の子も泣いていた。

坂本龍一様
○十年も変わることなく好きでいられたこと、
○十年も変わることなく素敵な楽曲を奏で続けてくれたこと、
本当にありがとう。
December 2005. UF(Ultimate Films)
を聞きながら。



最新の画像もっと見る