2019年の記録
ホテルと大聖堂の間のビル建築が始まった、完成すれば、部屋から大聖堂を拝むことはできなくなる。
上海の常宿に戻り、徐家匯聖イグナチオ大聖堂を恐れ多くも見おろしていると心が安らぐ。しばらくの間、上海を拠点に日帰りか1泊の取引先訪問が続く。朝、ホテルを出発し、夜に飲んだくれて帰ってくるパターンだ。“飲んだくれて”と書いたが、冗談ではなく、中国では、飲むのも仕事の内なのだ。もちろん、下戸の有能なビジネスパーソンもいるし、経営者として成功している人もいるが、飲酒がビジネスツールの1つであることは間違いないので、僕が使えるツールとして、飲酒している。(呑兵衛の言い訳みたいだが・・・)
中国で仕事をしたことのない日本人は、中国酒というと紹興酒を連想する人が多いが、紹興酒は紹興市とその周辺の地方で飲まれている酒だ。中国の最もポピュラーな酒は、白酒という“キチガイ水”だ。最近は比較的アルコール度数の低い、といっても40度前後の白酒も増えてきたが、52度、53度が、最も美味しいと言われている。日本にも泡盛のようなアルコール度数が高い酒があるが、僕が白酒を“キチガイ水”と呼ぶ理由は、白酒には、水割りはもちろんロックもない、ストレートのみ。しかも、乾杯は、字面の通り一気に飲み干さなくてはならない。それでも、付き合い程度(ワイングラスに3杯ぐらい)に白酒が飲める身体に産んでくれた両親には感謝している。(ちなみに両親は、酒を飲まないし、母親は梅酒を飲んでも2日酔いする人だった。)
そんなに強い酒を毎晩飲む中国人は、滅法酒に強いのかと言うと、みんながみんな強い訳ではない。(飲んで強くなっていく傾向はある) 最近の若者は、日本と同様、酒を飲まない人も増えている。根本的に違うのは、飲み方で、日本のようにチビチビ、マイペースで飲むのは、マナーが悪い。酒は誰かと一緒に乾杯なり、グラスを合わせてグビッとやるだけ。それ以外、喉が渇いたらお茶を飲むのである。(日本では、お茶は“あがり”だが、中国では、そんなことはない。) 一緒に飲む人が酒好きで強いと、その人のペースで飲むことになり、アルコール摂取量は増えてしまう。
最後に絶対に知っていて欲しいことは、中国では、酔っても自分の言動に責任を持たなくてはならないことだ。日本では、酔った勢いで、大風呂敷を広げたり、異性を口説いたりしても、飲酒時の言動は、多めに見てもらえるが、中国では、真逆だ。酔ったことを言い訳にすると、とことん軽蔑されることになる。幸い僕は、とことん酔っぱらうと眠くなってしまうので、余計なことを言わずに済んでいる。(笑)
何だか、面白くもない中国飲酒講座になってしまった。
常宿の建国賓館は、交通の便も良いので、出張の後、同僚と1日のまとめの打合せをするのにも使える。
旅は続く
お邪魔します。
中国での酒席の付き合い、なかなかハードのようですね。
あちらと仕事をする知り合いからも話を聞いた事があります。
彼は「呑まないと信用されない節がある」
---と言っていました。
タバコもよく勧められるとも聞いた気がします。
そんな習慣も若い世代には変化の兆しがあるとか。
興味深いですね。
上海続編も楽しみにしています。
では、また。
コメありがとうございます。
「呑まないと信用されない」はある意味で、あたっていると思います。
中国の人たちは、知らない人に対しては、冷たく、信用しません。
例えると、自分の周りに高い壁を築きます。
その壁の扉を叩くきっかけが、宴席、つまり“呑み”なんだと思います。
実際に中国の人たちは、地縁血縁や学校の同窓を大切にします。
しかし、多くの外国人には、その地縁血縁、同窓の輪の中にはいない訳です。
タバコも酒と同じですね、1人で吸うのはマナー違反、吸いたくなったら周囲の人にふるまい、一緒に吸うのがマナーです。もちろん、酒同様、吸わない、吸えない人は、断れば良いだけです。酒と同様、若い世代の喫煙率は、都会を中心に急速に低下していますし、上海などの先進都市では、ホテルも全館禁煙、つまり喫煙ルームはなしです。
では、また。
おはようございます。
タシケントから上海へ?
お家に一旦帰らずに行かれたのでしょうか。
本当にハードなお仕事…。随分と昔のCMですが「24時間働けますか、ビジネスマ〜ン」っていうのを思い出してしまいました。
それに中国では飲むのも仕事の内って大変そう、日本ほど宴会の席で軽口を叩けないなんて。
自分がOL時代は上司のモラハラなんて何でもありでしたから(翌日はすっかり忘れていらっしゃる)今、あまり若い人は行かない傾向でそれで許されるようなので羨ましいです。
中国の方って宴席が大事でしょうね、一度腹を割って話して信用されるとどこまでも良くしてもらえるもの。前にコメントした中国人女性がそうでしたし、それから
中国に工場があってしょっちゅう行き来していた上司や同僚がそうした気質を楽しく話してくれました。
イグナチオ大聖堂の向こうの高層ビルの建物、洋風なのに、上が寺院のような建物が乗っかっていて面白いです。
その建物の大家さんが住んでいるのかなあ?それとも美味しい中華料理のお店とかあるのかしら…。
又、続きを楽しみにしています。
こんばんわ
僕は、まさにバブル初期に就職したので、「24時間働けますか・・・」の世代ですよ。恩師からは、「自分がバカだと思うなら、他人の倍、勉強しろ、大バカなら3倍だ、一生、負け犬のままでよいのか」ってね。今でも、それは間違っていない、それを選択する自由があっても良いと思っています。今、そんなこと教えたら、教育委員会に通報ですかね。がむしゃらが許されないと、僕のような身体が丈夫だけが取り柄の要領の悪いバカは、人なみの生活さえできないことになっちゃうからね。
クリスチャンの僕が言うのも変ですが、ライフとワークを切り分けるのは、仕事は、神様との約束を破った人類への罰、と捉えるカトリックの価値観で、日本人古来の価値観とは違うと思います。そもそも、僕にとって仕事は、知的好奇心を満たすもの、会社のためでも、家族のためでもなく、自分のために楽しんでやっています。
そもそも、日本のライフワークバランスは、欧米のそれを誤解しいると思います。僕の知る欧米のエリートは、夜中でも海外とWeb会議したりで、まさに24時間働いている人も少なくない。ただ、彼らは、3、4年で転職し、その間に1年ぐらい休む。家族と田舎で自給自足、晴耕雨読のような生活をしたり、海外を放浪したりと。要するに、年単位でワークライフバランスを取っている。日本みたいな一律1日8時間、土日は休む、というのは、選択肢の1つなんだと思います。
中国の人は、自分の周囲に壁を作って、知らない人には、無関心、冷たい。でも、一旦、壁の内側に入れた人は、うざったいぐらい気にしてくれるのは、ななだいさんのおっしゃる通りです。その壁の扉を叩くツールが、宴会なんですね。もちろん、中国で生まれ育った人には、血縁や地縁、学校の先輩後輩などあり、宴会だけが、扉を叩くツールではないのですが、それらがない外国人にとっては、宴会は大切なツールですね。
高層ビルの屋上にある寺院のような建物、僕も気になっているので、今度、聞いてみます。
長々と理屈っぽい話で、失礼しました。
では、また。