Being on the Road ~僕たちは旅の中で生きている~

日常の中にも旅があり、旅の中にも日常がある。僕たちは、いつも旅の途上。

美麗的日本和我 (美しい日本と僕)/千葉県

2021-07-25 12:36:38 | 旅行

2020年の記録

 

監獄を“美しい”と表現すべきではないかもしれないが、美しいレンガ建築だと思う。

 

 

南北に長い千葉県であるが、あえて2つに別ければ、千葉市から西北と南になる。千葉市から西北に住む人を“千葉都民”と呼ぶこともあるように人流も意識も東京を向いている。一方、千葉市より南に住む人は、人流も意識も千葉市へと向かっているので、千葉市を介することのない横のつながりは薄い。東京湾沿いの内房地域は、早い時期から工場の建設が進み発展したが、山を越えた先の外房地域は、産業も少なく、距離の割に後進地域だった。1990年頃を境に都市化(ベッドタウン化)が進んでいる。

 

 

千葉県は、僕の故郷であるが、実家はすでになく、墓仕舞いも終わっている。行き来の少ない親戚が残るだけで、今でも残っているのは、僕の思い出だけだ。今回は、東京から鉄道とバス、徒歩で訪問。僕の故郷は、鉄道もなければ、国道も通っていない辺鄙な海辺の町なので、寄ることはなかった。

 

 

茂原昇天教会聖堂は、日本聖公会(広義のプロテスタント)横浜教区所有の国の登録有形文化財建造物である。1933年(昭和8年)竣工、下見板コロニアル風の木造平屋建単廊式の礼拝堂で、平面図は輪郭が十字形を描く。ハーフティンバー風の身廊部正面の切妻とトスカナ式の柱によって支持された玄関が、端正な正面を造っている。

 

 

カトリック茂原教会は、茂原昇天教会近くにある。歴史的建築物ではない1982年(昭和57年)竣工の聖堂がある。

 

 

セブンスデー・アドベンチスト茂原キリスト教会は、JR茂原駅近くにあり、(失礼な話だが)ちょうど時間もあったので寄ってみた。見ての通りで、歴史的建築物ではない。また、セブンスデー・アドベンチスト教会は、プロテスタント教会を自任しているものの、宗教学やキリスト教専門家・関係者の間ではキリスト教系新宗教とする見解もある。

 

日本基督教団(プロテスタント)千葉教会は、JR本千葉駅から少しあるいたところ、ほんとうにビルの谷間にひっそりと佇む。教会堂は1895年(明治28年)竣工、ドイツ人建築家リヒャルト・ゼールの設計によるもので、木造一部塔屋付きの2階建、基礎は煉瓦及び石造り、外壁は下見板張りの、窓や出入口上部の尖頭アーチ型に特徴のある本格的な洋風建築である。(千葉県有形文化財指定)

 

 

千葉監獄は、明治五大監獄(「旧奈良監獄」「長崎監獄」「金沢監獄」「千葉監獄」「鹿児島監獄」=竣工順)の1つで、1907年(明治40年)に山下啓次郎(司法省技師)設計、直営で施工された。“直営”とは、囚人の労役によって作られたということである。(現在は収容者が建設工事をすることはない)

現在は、千葉刑務所(刑期10年以上の初犯者を収容する男子刑務所)として、赤レンガ建築の正門とその奥に続く事務棟のみ現存し、現役で使用されている。

 

正門の前に立ち、この正門を背にした出所者のことを想像してみた。模範囚として、刑期を終えたとしても、“前科者”の記録は消えない。銀行口座を開設できないことに始まり、“真っ当な仕事”への就業のハードルは高く、そのことで、再犯への道を進んでしまう元受刑者も少なくない。多くの人が、元受刑者の社会復帰を支援することが、再犯の抑止、ひいては社会の安定につながることを理解している。しかし、総論賛成各論反対なのである。いざ、自分の職場で元受刑者を採用する、いわんや家族(息子、娘の配偶者)として迎えるとなると躊躇、反対する。子供の頃、やくざ者のおじさんから 「絶対に刑務所に入るようなことをしちゃダメだよ。刑務所を出ても、二度と今いるところには帰って来れなくなるからね。」 といったことを諭された。子供の僕には、よくわからなかったが、今になってみると、やくざ者の言葉だけに説得力があるなぁ、とあらためて思う。

 

議論は飛躍するが、東京オリンピック開・閉会式のディレクターが、過去の反ユダヤ的なコントの企画・脚本に携わっていたことで、開会式前日に解任された。つまり、1度の過ちは、生涯消えず、表舞台に立つことも許されなくなる。それが、世界の現実なのかもしれない。(本件、政治的な意味あい、つまり政治的経済的な力を持つユダヤ人団体の非難声明に端を発していることは、無視できないだろう。)

 

 

【メモ】

アメリカ次期大統領にバイデン氏が選出された。ひと言で評すれば、“ふつうの老人”が、大統領になる。トランプ氏の発言、政策は、良くも悪くも“ドキドキ”があり、僕の国際政治への関心を高めたことは事実だ。

 

 

旅は続く