DANAS HAIR ダナ★スキャン

福島県郡山市 DANAS HAIR →
2022.3にメルボルン🇦🇺の市街地に拠点を移しました


◆簪◆ 

2011-07-29 14:40:56 | *ダナコラム*
この漢字、何と読むかお分かりになりますでしょうか?
 
これはカンザシ。
 
実はわたし何年か前に、不器用ながらにも簪を作っておりました。
きっかけはあまりにも単純。
自分の髪が長くて邪魔だったから、という期待はずれなもので恐縮です。
 
ダナスがオープンした当初、お店の知名度も低く、お客様の数も数える程度だった頃の話です。
お店があまりにも暇でやる事がない。
何をして過ごそうか。。。
お恥ずかしい限りですが、そんな事を考えながら一日をもてあましていた時期がありました。
 
暇だし、髪も邪魔だし、何か髪飾りでも作ろうか。
これがきっかけです。
日本昔話で「ちから太郎」というのがありますが、ちから太郎はお年寄り夫婦が暇つぶしに体の垢を寄せ集めて作った垢人形から生まれたんですよね。
そんな話を思い出してしまうほど、さもないきっかけです。
 
ところが作り始めたら案外楽しくなってきて、気づくと十数本。
勿論、人に見せられるような代物ではありません。
子どもの工作の延長みたいなレベルです。
作っている間は無心になれるのが心地よくて、ただただ飽きるまで作って楽しんでいました。
 
出来はイマイチでも飾りにはなるかなと思って、お店の片隅にオブジェの様に飾って(放置して)いたところ、あるお客様から「それいいね」とお声をかけて頂き。ちょうどその時わたしも自作の簪を髪に刺していたものですから、それを見て興味を持ってくださいました。
実際にお客様の髪で試して頂いたところ、髪への「噛みつき」がちょうど良いとの事で、ひとつふたつ差し上げました。
 
それからいらっしゃる度に簪の事を聞かれ、これ以上頂くにはタダでは申し訳ないというお客様のご厚意から御代金を少しだけ頂くようになりました。
 
未だに、自分では大した物ではないと思っています。
ただ自分が欲しいと思うものを作っているだけで、これを誰かに使って欲しいという思いで作っている訳ではないから。
 
それでも何故か何故か、ご興味を持って「これ下さい」と帰り際にレジへ持って来てくださるお客様が最近とても増えました。
夏で暑いせいもあるでしょう。髪をスッキリとまとめられますから。
これ、本当は売り物じゃないんですよ、なんて笑いながらお譲りしています。
喜んで使って頂けるなら嬉しいです。
  
「自分のため」が、意識していない所でいつの間にか「人のため」になっていたらステキ。  
 
だいぶ減ったので、また作ってみようかななんて考えています。
 
楽しみがまた、増えました。。。
感謝です。
†MARIKA†。