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ひな菊の丘から

船場のおひなさまを見て回る。

去年も同じイベントは開催されていた(今回で10回目、この形は最終とのこと)のだが、気になりつつも行く事が出来ずに終わったので、今年こそはと初日に出かけた。ネットのパンフレットを保存してその地図を見ながら検討し、まずは本町から北上することにした。


この選択は大正解だった。まずは19の鷹岡(株)本社ビル1F、入ったら、和服の女性と洋装の女性が二人。ご挨拶をして中に入り、写真の許可もいただいて、じっくり見て回る。まず最初にあったのはこの御殿びな、なのだが


あまりにもその隣に惹かれたので、そちらを先に眺め倒す。他に入場者がなかったため、お二人で私の相手をしてくださった。



去年、東京の紅ミュージアムでも見た、今でいうドールハウス。日常の生活必需品や雑貨が、これでもかという位細かい細工で作られている。もちろん触っちゃいけないのだが、オーナーさんなので、手に取ってみせてくださる。



やかんは「これ金属ですよ、どないして作ってはるんやろね」と言いながら蓋を開けて見せてくださったり、急須のツルは針金やね、なんて話したり。



続いて、入り口右手すぐのところにあった、少し大きなサイズの同じようなもの、若い方の女性(後で聞くと、おふたりともお身内で、年配の方の姪御さんにあたられるとか。年配の方はお嫁に来られたようだった。)が、「ままごとは3つぐらいのサイズがあって、この二つは子どもが触っちゃいけないものだったけど、もう少し大きいサイズのは使ってままごとをしてたみたいですよ。」



いちまさんも飾ってある。



そして、ようやくメインの雛飾りへ。
おや?二段目は三人官女じゃないんだ、三段目の人形も違うぞ。聞くと、元は内裏雛とそのお道具(塗りの家具一式)だけだったようで、段飾りには様々な人形を並べたそうだ。
T3年に、この家の長女の初節句に実家から送られたのは、当時の今井楽器店で売られていたもの。その今井楽器店、現在のうどんの今井らしい。



菱餅の両側にいるのは、居稚児と呼ばれる人形。女の子の装束を着ているが男児の人形らしい。その下の真ん中は、謡曲(ゴローショーのネタと違うよ)の羽衣に因んだ羽衣人形



羽衣の左は箏弾き人形、右は犬の狆を連れているので、狆引き人形というらしい。



お道具もたくさんあるが、布団や振袖などは、後年付けくわえられたものだろうといわれていた。塗りのお道具はやはりすばらしい。



肝心のお内裏さま、しもぶくれの優しい顔をされている。



横の方まで回って、見せてくださったのは、まずこの着せ替え人形、多分どこかのお土産だったんでしょうね、と言われていた。これで遊んだ形跡はなさそう。



右の小さな洋人形はアメリカから来たとのこと。日本とアメリカで人形を交換したという「青い目の人形」のエピソードの人形だろう。



手前の人形は、着物が無くなってしまい残念な形になっているが、古いものなので一緒に飾っておいたの、とのこと。
将棋盤、碁盤、ともう一つはなにやったかな。ちゃんと中に駒も碁石も入っているはず。



置いてあるアルバムの写真を見せながら、「この人が私のお姑さんで、こちらのお雛さまの持ち主で、抱っこされてるこの人が、御殿びなの持ち主なんですよ。」と説明してくださったが、徐々にお客さまが入って来られ、私はこの後は一人で見て回った。

その赤ちゃんが贈られた御殿びな、T10年に浅草の店が作ったお雛様を、関西の業者が作った御殿に入れて売られたそうだ。関東は段飾り、関西はまだ御殿びなが主流だった。



御殿びななので、三人官女の居場所はなかったのだな、それで外に並んでた。五人囃子は別室に。



この人たちは地べたにいる。仕丁?身分が低いらしいので、ここでいいのか。



これで鷹岡本社ビルを辞して、次は道修町の田辺三菱製薬のビルへ。   



ここは、ビルの外からしか見られない。ま、平日の就業時間内に1Fロビーとはいえたくさんの人が見に入ってきたら邪魔やろな。



最下段には藤娘と白拍子かなあ?







次はそのまま道修町通りを東へ。



ここは武田薬品の古いビルで本草医学書を所蔵しているらしい。


この辺りは製薬会社の多いエリア。そしてお薬の神様、少彦名のお宮さんにもお雛様があるらしい。



町中に普通にある、神社っぽくない神社。資料館にも入ってみればよかったかな。



入り口がこんなの。神社っぽくない。この右手の路地を入ると



おお、あったあった。


別所家のお雛さま



本当はお賽銭をあげてお詣りしないといけなかったのだが、1円玉しかなかったのでゴメンナサイ、今度はちゃんと拝みに行くので。



えべっさんも大黒はんも居てはったんや。


すぐ北側の伏見ビル、


こちらも歴史的建造物で国の登録有形文化財だ。ビルの中にお店がいくつかあるようだったが、そこを覗く余裕がなかったのが残念。こういったビルにはカフェ的な店が入ってることが多いのだが、実は午前中に動いていたので。



このビルの1F、外から見えたのが三原家、




新井家のお雛さま





今回、唯一見逃したのがここの1Fギャラリーに飾ってあった生駒家のお雛さま。先述の通り、ビルの中の店には余裕なく入らなかったため、そのギャラリーもうっかりパスしてしまったのだ。

これはどこだったか、ウィンドウに飾られていたお雛さま、イベント参加のビルではなかったような。




芝川ビルに到着。



お雛さまの写真が貼られている階段を上がる。


この写真のキャプションちゃんと読めばよかった。


ここも、レストランやチョコレートショップなどが入っているテナントビルで登録有形文化財。




残念ながらこちらのお雛さまは撮影禁止だったので、眼に焼き付けて帰ってきた。見事な段飾りだったが、ひとつ、内裏雛がなくて掛け軸だったので、係の人に聞いたところ、元はお人形があったのだが・・・という話だった。
屋上テラスに出てみた。ちょっと写ってるけどこれくらい許してもらえるかな。



トイレをお借りした。


芝川ビルの入り口には来館者を迎えるプレート





続いては、高麗橋通を歩く。このビルの別サイドにお雛さま発見



パンフに載っていないけど街なかの各所にお雛さまが飾られているらしい。



今来た芝川ビルをちょっと離れたところから撮る。やっぱりすてきやわ。



塩昆布で有名な神宗の本店には小山家の雛飾り。



店舗内では塩昆布煮汁ソフトクリームなどを食すことができたらしい。これもパスした。お雛さまは外からしか撮れない。



このビルにも


お雛さま


なんかすてきな建物がいっぱい。


辰野金吾が設計した、旧オペラ・ドメーヌ高麗橋。今回のお雛さま巡りには関係ないけど。


このビルにも雛飾りあり。


説明書きを読むと、「船場のお雛さまではないが、古いものなので展示した」とある。我が町のちょっと北にある、桜の庄兵衛、岡町ジャム会へ行くときいつも徒歩で通るところのお雛さまらしい。



ビルの中に入ってすごく近くで撮れたのと、桜の庄兵衛は馴染みの場所なので嬉しくて何枚も撮った。





さて、この界隈はすべて見た、ので北浜へ向かう。大阪証券取引所ビル、全く私には無縁の場所なので、行ったことはもちろん、近くに寄ったこともなかった。そのビルの1Fアトリウムに豊田家のお雛さまがあった。









このガラスケースの中に大好きなちっちゃいものがいっぱい。


雛飾りではないけど、お人形もいっぱい。



食器あれこれ。茶器と茶櫃、一人分のお膳と食器など。



わくわくしながら歩いてたらお昼を過ぎていた。今からランチ食べたら夕ご飯が食べられないなあ、と思いちょっとだけ食べて帰った。あ~楽しかった。

コメント一覧

daisyhill1862
マサキさんのお宅は段飾りですか?我が家は狭いので姉のは親王飾り、妹のはケースに入った木目込みです。母の実家には御殿飾りがあり、旧暦に飾るので、春休みにいつも見せてもらえて、羨ましかった覚えがあります。(私は持ってなかった。)
さぎりさんのお雛さま、たまには飾ってあげなくては。
ahmasaki
雛人形、我が家では主が京都を離れているので、飾っていない。
ちょっと寂しい・・。
古いお雛様だからか、親王飾りですね(京都と同じ)
建物もええ感じ。
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