Que sera,sera ~しゃべって・笑って・10番の一日~

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やるせなさの中に見た強い気持ち

2005-11-21 07:41:10 | おしゃべり日記
3分のロスタイムが過ぎ、これが最後のプレーと思われるコンサボールのコーナーキック。それに合わせたFW中山の「負けられない」という意地を感じるボレーシュートが、惜しくも枠を外れゲーム終了のホイッスル。いつもなら落胆のため息がドームを包む場面だが、今日ばかりは少し違った。

大きな拍手がドームいっぱいに包み込んだ。
非常に大きな拍手だ。そして長い。正直びっくりした。
私がコンサ戦でこんな拍手を聞いたのは、すごく久々の事と感じる。
3-3という結果は、チームも我々も望んだ結果ではない。
勝たなきゃいけない試合で、勝てなかったという「いわば落とした」試合だ。

しかし、最後まで諦めず勝ちに向かった、プレーから伝わる選手の熱い気持ち。
みぞれ混じりの悪天候にもかかわらず、ドームに駆けつけた14000人の観客は、確かにそれを感じたはずだ。
その結果が、あの大きな拍手だった。

見ている者にとっては、とても面白く楽しい試合だった。
二転三転する展開に、サッカーはこんなに楽しいものなんだ、と思うくらい。
でも反面、サッカーってこんなに悔しいんだ、とも思った。
勝ちたい試合、勝たなきゃいけない試合、
勝てそうだった試合、いや勝てた試合。
これを落としてしまった落胆は計り知れなく、どうにもやるせない。
一言で言うと、もったいない。

ヒーローになりかけた男がいた。
自身初の1試合3点を叩き入れ、3-2の劇的勝利のヒーローになるはずだった。
私は、この男にはヒーローになって欲しかった。苦労が報われて欲しかった。
しかし、7分後に悪夢が訪れ同点になってしまい、この男のお立ち台はお預けになった。
試合後の彼の表情はもちろん笑顔もなく、こちらもかわいそうに思う程だった。
ただ終わってみれば、ピッチのイレブンとって彼のこの3点が大きな原動力になった。
恐らく、同点に追いつかれた頃からのイレブンの姿勢が、終了後の拍手の答えだと思う。

私が試合前に、「鬼の形相で戦って欲しい」と言った。
彼らからは「強い意地」を感じた。
ここ数年、嫌と言うほど見た「情けない姿」は、これっぽちも感じない。
首位を相手に見事に渡り合った。
7年間勝っていない相手によく戦ったと思う。
だからもちろん、私も拍手を送った14000人のうちの一人である。

しかし、スポーツは非情な一面もある(だから悪いってわけではない)。
いつまでたっても勝ちきれない…じゃ困るのだ。
良い試合だったけど、勝てない…では上位を狙うチームしてお恥ずかしい。
コンサは3位を狙っている。それも勝つしか道はない厳しい状況下で。
だから引き分けたこの試合は、はっきり言ってしまえば「ダメな試合」なのだ。
勝ちたかった…ってのももういらない。
純粋に「勝ち」が欲しいし、ここまできたら勝たなきゃならない。

でも今日のようなゲームを、残り3試合で見せて欲しい。
上位チームも「お付き合い」してくれたようで、勝ち点差は幸いにして7のままだ。
限りなく遠のいた3位への夢は、まだ夢として残ってくれているようだ。
辛うじて首の皮一枚繋がっている。
神様はまだ見放しちゃいないみたいだ。
よしっまだ諦めちゃダメだ。まだ諦めちゃ…。
ここで諦めて良い事なんて何もない。

次は水曜日23日の試合で、今度こそドームを歓喜に包んでほしい。
おこがましいかもしれないが、サッカーの神様にもう三度助けてもらいたい。
あの大きな拍手よりもっと大きくて温かい、「勝利に沸く拍手」を聞きたい。

もちろん私も、その拍手を送る一員になっていたい。


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