「食べたい物があったら好きなだけ食べなさい。お酒も飲みたかったらいくらでも飲みなさい。行きたい所があったら行きなさい」 なんて話の分かる医者だろうと思って聞いていたら、 次は「会いたい人がいたら、後悔しないように今のうちに、それもできるだけ早く会っておきなさい」とのこと。 こうして２週間の検査入院の結果、いわゆる難病奇病といわれている特定疾患の一つに認定されたのが２０１２年の２月。
具体的に症状としては、主に右手の巧緻運動機能障害（箸は持ててもうまく食べられない、字を書いても芸術的な字？しか書けず、しかも超遅い、握力の低下で重いものが持てないなど）と 言語障害（話す速度が遅くなった、突然言葉が乱れる、あるいは出なくなってしまうなど）があります。しかし、特に痩せたりするわけでもなく、顔や肌の色つやも普通の人と変わらないので、久しぶりに会う人は「加藤はいつも元気でいいな」と言葉をかけてくれるのですが、 最初のうちは「外見だけでは分からないよ」などといちいち抵抗してみましたが、この頃は「ありがとう、お陰さまで」と軽く受け流すようにしています。
この病気は、発見されてから日も浅く、日本中を探してもせいぜい１０万人に1～2人ぐらいしかおらず、 原因がわからない、従って現在の医学では薬や手術で完全に治す方法は残念ながら無いとのことです。そこで少なくとも病気の進行だけは阻止するようにとリハビリを勧められ、今、ある病院に通院してリハビリに励んでいますが、 私の場合これがよく合っているらしく、満２年目の検査でも、画像上から診る限り、今のところ病気の進行は阻止されているようで、担当の医者もこれはたいへん珍しいことだと驚いているようです。
定年後の趣味ということで、私は満６５歳からアコーディオンを弾き始め、地元の愛好会に所属して演奏活動をしてきました。 この間老人ホーム、介護施設などをボランティアとして訪問演奏し、いろいろな体験をさせていただきました。 このことは以前、 「明日は我が身」というタイトルでこのホームページに発表したことがありますが、まさかこんなに早く「今日は我が身」になるとは全く思ってもみませんでした。私は丁度満８０歳。日本人男性の平均寿命に達したばかりです。 せっかく天が授けてくださった寿命を無駄にするのは何とも悲しいことだと思います。まだまだやり残したことがたくさんあります。次の目標はとりあえず満９０歳の大台を超えることです。いきなり満１００歳ではあまりにも恐れ多いことだと思います。 毎日毎日の積み重ねで、まず第一目標をクリアしたいと思います。ぼやぼやしている時間は残っていません。さあ出発です。
満９０歳に向かってＧＯ！ 加 藤 誠 之
