紀州七代大彦の木の家づくり日記

「ここちよく美しい暮らしのために」
和歌山大阪にて「一軒一軒ていねいに150年」家づくりに取り組み続けています

リノベ・リノベ・リノベーション

2019年10月09日 | 家づくり現場。職人さん達との打ち合わせ

台風の進路が気になりますね〜。

昨年和歌山市では最悪コースで一回台風通過した後、強烈なのが同じコースでやってきて大きな被害が出て、その後また同じコースで同じ強烈なのが来ておりました。「それろ〜それろ〜」と祈りながらも全く同じコースで近づいてきて、もう「仮設養生したお家のシートが全て飛ばされること」を覚悟してあきらめていたら、最後の最後にちょっとずれて、大した被害が出ませんでした。

今回の千葉に近づいていっている台風も、同じ様に最後にちょっでいいから南東にずれればいいんですけどね。何とか被害が少なくなることをお祈り申し上げております。

・・・・・・・・・・・・

さて、弊社では先月にリノベーション(間取り窓配置、内装などに加えて、断熱構造性能を向上させる大型リフォーム)工事を1棟お引渡しさせていただきましたが、今月また1棟スタートいたしまして、只今リノベーション工事は3棟同時進行中。

風情のあるお家が街に残っていただけるのは、弊社だけではなく町の地域資源となりますから、多くの皆様に喜んでいただける意義のあることですし、お父様やお母様の思い出や思い入れのあるお家を上手く残しお喜びいただけるのも、本当にうれしく楽しいお仕事であります。

リノベーション(特に日本家屋は)は新築よりはるかに難しく、大工さん職人さんの腕が絶対必要ですし、設計の諸条件を読み解く能力も高いレベルで必要です。壊しながら建てるわけですから、解体や隣地との取り合いも、工事中の現場管理も大変。まあ難しく面倒くさいんです。

だから皆やりたがらないのか?やる大工さんが職人さんが居ないのか?年々このリノベーション工事のご依頼が増えておりまして、皆様のお役に立ててお喜びいただけることは大変ありがたいことでございます。

上の写真は今月スタートした堺市宿院近くのK様家。こちらのお家は減築と言って初めの建物より床面積が減る工事でありまして、外部の部分的な解体は昨年末〜今年初めにかけて終わっていて、今月から初めた内部の解体工事(もちろん残す部分を残しながらだから丁寧に慎重に)大体終わった所。

1階の天井2階の天井も抜けて、

柱や梁もあらわになってきました。まずはこの構造補強を行います。柱を足したり梁を足したり、地震に耐える壁を増やしたり、構造金物を入れたりと、やること満載ですが、まずは足元の基礎をどうするか?弊社の棟梁と基礎屋さんを交えて現場で打ち合わせしてきました。

一概に古い日本家屋と言っても、築年数や地域でもやり方が違って、特にこんなお家の足元は色々あります。

一つの石の上に置いているのか?連続させた石の上に土台を置いて?基礎があるけど鉄筋の入っていないもの?今とほぼ同じの鉄筋コンクリート?

様々ですし、また石と柱の関係、柱の足元を固める木材の有無なども加わってくるから、杓子定規に教科書どおりにはいかず、常に現場現場。またお家は文化財を直すように莫大な予算をかけられるわけではないから(文化財と同じ様に大切なものだけど)、オーバーに考えられることを全てやるなんて事はできません。だからやっぱり経験の積み重ねということになるのですね〜

同じくリノベーションで、岸和田のN様家は

もう2ヶ月経っているから、造り付け家具工事なども進み、随分新しいお家の雰囲気が分かってきましたし、

大阪府某所のA様家も

メイン空間のリビングの工事が進みます。

吹き抜け部を介してロフトのつながるのが、このお家の魅力の一つ。

キッチン部の造り付け家具は先行して進んでおります。

先程も述べましたが、今リノベーション工事をさせていただいている3棟のお家、年代も、基礎も足回りも、柱と梁との関係なども、全部違います。だから構造補強のやり方も全て少しづつ違うわけ。

イメージ言うなら、それぞれ【歴史のある古町家】と、【郊外で見る庄屋さんのお家の様な立派な日本家屋】と、【街中にある町家】という感じ。もちろん根本は大工さんの建てた木の家だから同じなんだけど、色々と違いもあって、施工も設計も相当な知識と経験の蓄えが必要。「ホントそうだな〜」と3棟現場を連続で回って打ち合わせしながらつくづく痛感し、夜帰社しますと、

弊社の設計室ではこんな光景が。大工の坂本君が設計の福井君と話しこんでおります。

下に置いてある板に書いた図が大工さんの構造図。大工界で何千年と積み上げられてきた知恵と、弊社の歴代の棟梁の経験を受け継いで書かれたものです。

パソコンに映し出されているのはソフトで構造計算を行い、構造解析の元で構造判定(地震時の力のかかり具合から梁の大きさなどを判定します)された3Dの図面。

2つを元に相談しながら「より良い」を目指して「良いとこ取り(厳密に言うと少し違いますが)」をしているわけです。

ちなみにこちらは今月着工の新築の構造図でありますが、難しいリノベーションも大工さんと設計が知恵を出し合い、現場でお互い力をあわせられる(現場の知恵をすぐに設計に活かす)この体制があれば大丈夫やねと思った次第。

だから、お声がけいただいておるのかもしれませんね。これからもますますレベルを上げて、皆様の地域のお役に立っていきたいと思います。

和歌山・大阪「心地よい木の家づくり」 大彦(株)

 

 

 

 

 

 


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